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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2021年8月の記事一覧

かぼちゃと語る

かぼちゃと語る

夕暮れに猫と散歩の道すがら
転がっているかぼちゃと語る
ポンコツの ポンコツだった人生を
かぼちゃに聴いてもらっていたり
私には私の定めがわからずに
ただただここに在るということ

かぼちゃにはかぼちゃの定めがありまして
ただただ だから ここにおります
生きるとは命をかけて滅びゆく
ことじゃないかと かぼちゃの曰く

生きて死ぬただそれだけのことだけど
いとおしくてならぬ日々ある

身のうちに蒼

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青い寂しさ

青い寂しさ


球体のちいさな凸である僕の ぐるんぐるんと青い寂しさ

地球の顔にできたニキビのように、自分がやけにちっぽけな存在に思われることがあります。
そんなときに感じる「寂しさ」を、ちょっと童画的に歌にしてみました。
でも、ちっぽけな自分の「寂しさ」を自覚するところから、きっと何かが始まるとも信じていたいと思っています。

(加筆再掲です)

8月15日

8月15日

終戦の日か敗戦の日かという議論などどこ吹く風の夏空の青

終戦の日か、敗戦の日か、
そのどちらが正しいか、
僕にはわからない。
それにこだわるべきなのかどうなのかも、
難しい問題のように思う。
ただ、例えば、
学校というひとつの現場にいて、
そうした問題の存在を伝えるべきか否か、
ということを思ってみたりする。

式典では国旗・日の丸を掲げ、
国歌・君が代を歌う、
それが極めて日常のこととして

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ことことと ことことと煮る

ことことと ことことと煮る

ことことと ことことと煮る里芋の あったかい夜のようだな 君は

煮物・・筑前煮、煮魚、里芋の煮っころがし・・。実家が農家であったので、大根、ごぼう、人参・・根菜類をよく食べさせられました。煮物は何日か置いておけるので、忙しかった母親にとっては便利なものだったのかもしれません。

年をとると子どもの頃の味が恋しくなったりすると言われていますが、冬の夜に石油ストーブの上でそういうものが、ことことと

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ふはりと風に吹かれていたい

ふはりと風に吹かれていたい

僕はいつか風鈴だったことがあり ふはりと風に吹かれていたい

アラモ

アラモ

アラモという映画があり
アラモという砦を守る
男たちの話だった
勝てるはずのない大軍を相手に
堂々と戦い
死ぬべき死を
確かに死んでいった
男たちの話だった

人の死に様ということに
その時僕はひどく胸打たれ
子供心に眠れなかったことを
今でもよく覚えている

それで
- 死から始めなければならない
なんて、ちょっと気取って
君の方を見ると
隣で聞いているはずの君は
もう すやすやと寝息を立てて

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青田風

青田風

猫と僕と吹かれて歩く青田風

夏休みになり、相変わらず休みはないのですが、19時前に家に帰れるようになりました。

まだ明るいので、玄関に猫が待ち受けていて、帰るなり、散歩をせがまれます。僕を「散歩の道具」だと思っている猫であっても、帰りを心待ちにしていてくれる者がいることは、それなりにいいものです。

昨日は八月一日でした。

八月一日という苗字があり、これを穂積(ほづみ)と読むそうです。実った

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