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ベンチで始まる偶然の出会い

「ねえ、それ、なんの本読んでるの?」


話しかけてきたのは、同じサークルの人だった。

大学に入り、まだサークルに入ったばかり。

私はまだ、その女の子と話したことがなかった。


「え、えっと」


正直、ニガテなタイプの子だった。

サークルの新歓のときも、その人と話すことはなかったのだ。


それに、私がいたのは、キャンパス内のベンチだったのだ。

キャンパス内といっても、室内じゃなくて、屋外。


私は5限目をサボって、外のベンチで読書していたのだ。

5限後にサークルあるし。それまで暇つぶしすっか・・・。



「——それ、すごく面白いよね。私も高3のとき読んだよ」


え?


その子は楽しそうに笑っていた。

少し嬉しそうに、少し恥ずかしそうに。


もしかすると、気が合うかもしれない。この子と。


結局、その子と1時間以上ベンチで話し込んだ。


結局、好きな「登場人物」は一致しなかったけど。

結局、私たちは仲良くなった。



もし、あのとき。

ふと、考えることがある。



もし、あのとき、あの子が話しかけてくれなかったら。

私とあの子は、サークルでも「他人」のままだっただろう。

私にとってあの子は、数いるサークル女子の「その他大勢」だっただろう。


それにさ、と私は思い出す。

もし、私が、大学の図書館で本を読んでいたら。

あの子は話しかけて来なかっただろう。


いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。

「じゃ、また」と切り上げてもいい。

屋外のベンチが、そんな「ゆるい」場所だったから、

あの子は私に話しかけてくれたのかもしれない。



ベンチという「偶然」が詰まった場所だからこそ、

新たな出会いが生まれたんだ。

そう、思う。



——◇——◇——◇——◇——◇——



大人になった私は、今でも考えることがある。

「ベンチみたいな場所がほしいなあ」


大学でも、仕事でも、そこにあるのは「指定席」。

1人の人間に、1つの椅子が割り振られている。

そこに座っていなければ、そこに「いない」ことがすぐにバレてしまう。


「あれ、○○さん、まだ会社に来てませんねえ・・・」

「おい、○○くん、最近、活動に参加してないじゃないか」


「指定席」があるばかりか、「ただ座っているだけ」では許されない。


学校では「手を挙げ」て「発言する」ことが求められるし、

会社では「仕事をする」ことが求められる。


もしも座っていなかったり、「ただ」座っている「だけ」だったりすると、

怒られる。空気が悪くなる。そして居場所がなくなる。



大人になった私は、今でも考えることがある。

「ベンチみたいな場所がほしいなあ」



——◇——◇——◇——◇——◇——



🌈noteのサークルについて考える


ここでnoteのサークルについて考えてみる。


noteのサークルは、大きく次の4つに分けられる。


✅目的アリ・中心アリ
✅目的アリ・中心ナシ
✅目的ナシ・中心アリ
✅目的ナシ・中心ナシ


「目的」とは、

「○○をするサークルです!」という、

「活動内容」を意味する。


「中心」とは、

「○○さんがリーダーです!」のような

「中心人物」を意味する。



おそらく、「目的アリ・中心アリ」のサークルが、

サークル数としても多く、また、人気度も高いだろう。



この「目的アリ・中心アリ」のサークル。

キーワードは「必然」だ。


「やること」や「目指すもの」、さらには「活動の頻度」などがしっかり決まっている。

だからこそ、目的・行動などが、「必然的」(=想定どおり)になる。


これは大きな大きなメリットだ。


「文章力を上げるサークルです!」という「目的」のサークルなら、

当然、「文章力を上げたい」人が加入する。


加入した人は、

文章力が上がるサービスを「必然的に」(想定どおり)に受けたいはずだ。


「今からサークル内でじゃんけん大会しま〜す」のような「偶然的な」(=想定外の)ことをされると、逆に混乱するだろう。


要するに、「目的アリ・中心アリ」のサークルでは、

なるべく「想定内」の「必然」を増やすことが、

サークルの価値になるのだ。



🌈「根無し草」と「One of them」


noteには「サークル」があるが、

もちろん、入っている人もいれば、入っていない人もいる。


先ほどの「席」の例でたとえよう。


サークルに入っていない人は、「団体に所属していない」だ。

サークルに入っている人は、「団体に所属している状態」だ。



ものすごく「単純化」してみれば、

サークルに入ってない=「席=帰属する団体」がない

サークルに入っている=「席=帰属する団体」がある

と言えると思う。


ただ、私はこの「中間」の可能性を探りたいのだ。



どこにも座る場所がない「根無し草」でもなく。

座っていても気づかれない「One of them」じゃなく。


その「中間」の可能性を探りたいのだ。



「あなたの席ではないけど、座ってもいい」

「座りたくなかったら、座らなくてもいい」


——そう。まさにあの「ベンチ」のような存在だ。



🌈noteにベンチを。偶然の出会いを。


「目的アリ・中心アリ」だけが、サークルの全てじゃない。


「目的アリ・中心ナシ」「目的ナシ・中心ナシ」「目的ナシ・中心ナシ」のサークルだって、あってもいい。

いや、あるべきなんだ。


学校や会社の席は、「座る」ことが求められる。

そして、何かを「する」ことが求められる。


カッコつけた言い方をすれば、「do(=する)」が求められるのだ。


「目的アリ・中心アリ」のサークルも同様だ。

だからこそ、「何をする(=do)サークルか」をアピールするサークルが多いのだ。


でも。サークルの形はそれだけじゃないはずだ。


「座っても、座らなくてもいい」し、

ただ「座ってるだけ」でいい。


そんなサークルがあってもいいはずだ。


あなたが、何かを「する(=do)」のを求めない。

あなたが、あなたで「ある(=be)」だけでいい。


そんなサークルがあってもいいはずだ。


ただ居るだけでいい。まるで河川敷のベンチみたいに。

そんな場所が、noteにあったらいいのに——



——そんな想いで、私は《note川のベンチ》を作りました。


(初月無料です・・・!)



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