#10 しんどかった休職前のことをあらためて振り返る
1年前の自分を振り返る
休職して、1年が経った。
1年前の今頃は、ほんっとにしんどかったよなぁ。
とにかくしんどかった。
思い返してみても、その程度の感想しか思い浮かばないな。
しっかり休むことで、心身ともにフラットな状態を手に入れることができた。これにより、自身の体調や気分や感情を冷静にモニタリングできるようになって、ちょっとした変化も敏感に察知できるようになった。
「あ、いま私、モヤモヤしてるな」とか、
「私、ちょっと疲れてるみたい。ここは無理しないで休もう」とか。
「いま、自分はストレスを受けている状態である」ということを、客観的にキャッチできるようになった。
以前までの私は、これを見て見ぬ振りをしてきた。
『無理しない、我慢しない、頑張らない』
自分との約束、いまはちゃんと守れてる。
よしよし。いいぞ私、その調子だ!
おかげで、ずいぶんリラックスして過ごせるようになった。
1年経ったいま、昔のように大声で笑って穏やかに過ごせる時間が増えたように思う。
私をよく知ってくれている友人によれば、休職前の私は顔つきも相当きつかったらしい。
休職して少し状態が落ち着いてきたころに「顔つきがやわらかくなってきたなぁ」と言われて、自分でも気づいていなかったことを指摘されてちょっと驚いた。
休職する前のあの頃は、頭のなかが何もかも仕事のことだらけで、それが日常だったような気がする。
在宅勤務中に、泣きながら仕事をしていたこともある。感情を抑えることができず、突然泣き喚いたりすることもあった。
たまに出社する会社でも、仕事しながら泣いてたっけ。出社してる社員が少なかったから誰にも気づかれなかったかもしれないけど、ガチで泣いてたから、もしかしたらバレてたかもな。
会社から家へ帰る途中、みんなに申し訳ないのと自分の無能さとで感情がぐちゃぐちゃになって、涙があふれて歩けなくなって、しばらく立ち尽くしてたこともあったな。
っていうか、泣いてばっかりやったんやね。
一応断っておくと、正常時には滅多なことでは泣かないんだけど。
あの頃は、本当にどうかしてたよね。
いまではこんなふうに、冷静に思い返すことができるんだけれどね。
1年が経ったいま、
「あのとき仕事をしていて何がしんどかったのか?」
これについて、あらためて振り返ってみようかと思う。
あのとき、いったい何がしんどかったのか?
何がしんどいって、やたらめったらと多いWeb会議と、チャットツールでのやりとり。
私にとって、特にしんどかったのがこれだった。
完全に、脳をやられる仕事のしかたをしてたと思う。
リモートワークがメインになったせいで、余計にしんどさが増してしまったのかもしれない。
リアルに出社していた頃と比べて、明らかに残業も増えていったし。
リモートワークって、一長一短だよね。
通勤が不要で、在宅で仕事ができるのは魅力的だ。
だけど、オンとオフの切り替えがしづらかったり、長時間勤務になりがちだったりといった弊害もある。
だからといって、コロナ前のように月曜から金曜まで会社に行って仕事したいとは思わないんだよなぁ。リモートで仕事するメリットを知ってしまうと、もう元には戻れない。
わがままだよなぁ、と思う。
人って、本当にないものねだりだよねぇ。
会議でグッタリ
私は、長時間じっとして人の話を聞くのが苦手だ。
会議なんてもう、苦痛でしかない。
長丁場になると座っているのもしんどくて、頭がグラグラしてくる。
眠いわけでもないのに脳がスリープ状態になって、猛烈な睡魔に襲われてしまったり。大事な会議でも意図せず居眠りしてしまうことがあるので困りものだ。
コロナ前のリアルな会議もそうとう苦痛だったけれど、コロナ禍になってからのリモート会議は、リアル会議とはまた比べものにならないくらいのしんどさがあった。
リモート勤務がメインになってからというもの、会議の時間がやたらと増えた。
リアル会議と違って、移動時間が要らない。これはメリットでもありデメリットでもある。
前後の予定はお構いなしに、休みなく複数の会議を入れられてしまう。ひどいときは5、6時間ぶっ続けとか。これはもう拷問でしかない。
1日のほとんどを会議で占められると、仕事がまったく進められない。なので必然的に残業も多くなってしまってまた疲れるという、この悪循環よ。
他のみんなは、会議しながらでも業務をこなしたり休憩したりしながら器用にやってるらしい。
私も同じようにやってみようと思うが、あんまり上手にできない。やっても余計に疲れてしまう。なので、それほど業務の効率化にはつながらない。
いったいどうすれば、みんなと同じようにできるのだろう?
ほぼ毎回、会議が終わった後はグッタリしてしまう私。
ひどいときは、しばらく横にならざるを得ないほど。そうなると数時間は使いものにならない。
聞くだけでいい会議でもこんなに疲れるのに、自分が発言しないといけない会議となると、もっと疲れる。
話したいことがあっても、どのタイミングで話題に入ればいいのかがよくわからない。待ってる間、心臓バクバク。
こんなことくらいでなんでこうなるんだろう、って自分でもあきれてしまうんだけど、自動的にそうなっちゃうんだから仕方がない。
たくさんの人の前で歌ったり踊ったりするのは全然平気なクセにね。ほんと不思議だよなぁ、と思う。
チャットでのリアルタイムなコミュニケーションが嫌い
メールだと自分の都合のよいときに確認して返信すればよかった。よっぽど返信が遅くならない限り、まず怒られることはない。急ぎの要件なら、電話でも連絡が入ることが多いから、対応に優先順位をつけることもそう難しくはなかった。
一方で、チャットでは即時性が求められる。
すぐにリアクションを返さなければ催促され、反応が遅いと注意を受ける。
このあたりは、LINEなどのチャットツールに慣れている若い世代とのジェネレーションギャップを感じるところで、正直かなりしんどかった。
急ぎの要件なども普通にチャットで連絡してこられるので、常に確認していないといけない。ゆえにパソコン画面に表示される煩わしいポップアップ通知をオフにするわけにもいかない。
通知は何をしていようがおかまいなしに、ガンガン視界に入ってくる。
その通知が飛んでくるたびに、作業も思考も中断される。
頭の中は常時、複数のタスクでごちゃごちゃ。容易に切り替えができない。
私にはもう、この状況がしんどくてしんどくてたまらなかった。
そもそも、人間の脳はマルチタスクをやるのに適していない。発達障害がある者にとっては、ただでさえ負担になるマルチタスク。それを無理して長時間かつ長期間続けたことで、脳にどれほどの負担がかかっていたのだろう。これによって、私の脳は完全にバグってしまった。
これ、みんなよくやってるよなぁ〜って感心するんだけど、本当にみんな平気なの??
私からしてみれば、もはや変態だとしか思えないんだけど。
Web会議と、チャット。
これらが、私のメンタル不調を悪化させた主な原因となった。
リモート勤務であろうとリアルに出社しての勤務であろうと、こういう働き方って、しばらく変わらないんだろうな。
仕事だから仕方ないとはわかっていても、苦手なものは苦手。嫌なものは嫌なのだ。
メンタル不調は、誰にでも起こり得る。何ら特別なことじゃない。
発達障害があるとはいえ、私みたいにポジティブで前向きでいつも笑ってるような明るい人間でも、こんなことになったんだから。
自分はわりとメンタルは強いほうだと思っていた。けれど、全然そうじゃなかった。ちょっとしたことで、歯車が少し狂っただけで、人ってこんなに脆くなるものなんだと思い知った。
強さってなんだろう。
別に強くなくてもいいじゃないか。
自分の弱さを認めて受け入れること。
これが本当の強さなんだ、きっと。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございます。 スキやシェア、フォローをしていただけると飛び上がって喜びます。 頂いたサポートは、創作活動の糧とさせていただきます。 今後ともどうぞ応援よろしくお願いします!