白河 酸

生と死と少女をテーマに詩を書いています。

白河 酸

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『骨/詩』

小柄で華奢なあの子の 細い足首と小さな足 お人形のような小さい靴を履いている あの子がかわいいのは顔ではなくて骨 その折れそうで細い骨がかわいい あの子に出逢ったの…

白河 酸
1か月前
10

『優等生/詩』

夢を見て 夢見るように愛しても 愛されることをわたしは望まない みんなが思っているほど白くもないの 穴の開いた容れ物に注がれた愛は ぽたぽたとこぼれ落ち わたしに黒…

白河 酸
3週間前
2

『再誕/詩』

長かった髪をばっさり切った 失恋したんじゃないの わたし生まれ変わったの ずっとあの子になりたかった でもあの子がいたらわたしは あの子になれないから 本当は安心し…

白河 酸
4週間前
7

『花占い/詩』

死んだ花の花びらをちぎりながら スキとキライを繰り返す 最後の一枚がスキでもキライでも どうでもよくて あなたがわたしをキライでも わたしがあなたをスキだという 事…

白河 酸
1か月前
4

『14/詩』

正午に弾けたしゃぼん玉 夢の出口にはまだ行きたくないの だってきっと死んでないもん 目覚めのキスはうさぎのぬいぐるみ やっぱり今日も脈打ってる 学校はきらい 先生は…

白河 酸
1か月前
5

『書くということ/エッセイ』

詩を書く時はその時の感情、感性で書くことが多い。 なので、時間が経ってから改めて読み返してみると恥ずかしくなったり、 なぜこんな一文が出て来たのだろうと思うことが…

白河 酸
1か月前
10

『エンジェルリング/詩』

砂糖をしきつめたタッパーに 輪切りのレモンを重ね 蓋をして冷蔵庫で寝かせる 天使の輪っかみたいだね あの子の視線の先に映るものが わたしでなくても わたしは悲しま…

白河 酸
2か月前
2

『魔法少女/詩』

あの子のようになりたくて プラスチックの赤いペンダントが わたしの胸元で キラキラと光を反射させる 大丈夫だよ わたしを呪うその言葉 混沌 破壊  でも最終回はラブ&…

白河 酸
2か月前
4

『画面越し/詩』

ぽろぽろと 無音の悲鳴を上げながら剥がれ落ちる ぼくを形成している極彩色のピース 今までありがとう 幸せになります きみの幸せの外側のぼく 落ちたピースをひとつひ…

白河 酸
2か月前
3

『昨日/詩』

あの日飲み干した珈琲はほろ苦かった サワーシガレットでは物足りなくて 二人で食んだ赤い果実 竹下通りで買ったお揃いのキーホルダー あれはどこに行ったっけ 交換日記も…

白河 酸
2か月前
7
『骨/詩』

『骨/詩』

小柄で華奢なあの子の
細い足首と小さな足
お人形のような小さい靴を履いている
あの子がかわいいのは顔ではなくて骨
その折れそうで細い骨がかわいい

あの子に出逢ったのは春だから
棺の中には春の花を
たくさん敷き詰めてあげる

燃えて骨になったあの子を
小さなシュガーポットに入れて
月が良く見える窓辺に飾りたい

真夜中のお葬式ごっこ
すっかり紅茶が冷めてしまったわ

『優等生/詩』

『優等生/詩』

夢を見て
夢見るように愛しても
愛されることをわたしは望まない
みんなが思っているほど白くもないの

穴の開いた容れ物に注がれた愛は
ぽたぽたとこぼれ落ち
わたしに黒い染みだけを残した

月が見てる

赤く塗った爪で
内緒の遊びをしましょう
明日 懺悔をすれば
神様は許してくれるから

『再誕/詩』

『再誕/詩』

長かった髪をばっさり切った
失恋したんじゃないの
わたし生まれ変わったの

ずっとあの子になりたかった
でもあの子がいたらわたしは
あの子になれないから

本当は安心したの
あの子が星になって
夜空に散ってくれて

あの子の好きだった
ピンク色でお墓を作って
キャンディみたいな
ロウソクに火を灯した

大丈夫
わたしは全部覚えてる

あの子とお揃いの髪型
あの子みたい

今日はわたしの再誕の日

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『花占い/詩』

『花占い/詩』

死んだ花の花びらをちぎりながら
スキとキライを繰り返す

最後の一枚がスキでもキライでも
どうでもよくて

あなたがわたしをキライでも
わたしがあなたをスキだという
事実は変わらなくて

その事実がわたしにとってのお薬で
今日も息をしていられる
明日は溺れているかもしれない

だからわたしは口を噤んで
花を殺める

『14/詩』

『14/詩』

正午に弾けたしゃぼん玉
夢の出口にはまだ行きたくないの
だってきっと死んでないもん

目覚めのキスはうさぎのぬいぐるみ
やっぱり今日も脈打ってる

学校はきらい
先生はわたしを間違いだと言う
そんなの気づいてる
神様はそれを間違いなんかじゃないと
たとえ世界が正しくても
わたしを正義にしてくれる

枕元に並べた
白い小さな花のブーケとこんぺい糖
それと一番のお気に入りの
十字架のネックレス
今夜も

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『書くということ/エッセイ』

『書くということ/エッセイ』

詩を書く時はその時の感情、感性で書くことが多い。
なので、時間が経ってから改めて読み返してみると恥ずかしくなったり、
なぜこんな一文が出て来たのだろうと思うことが多々ある。
『昨日』という詩はその代表だ。
この詩は書いてから半年以上ノートの中で寝かせていた。
このままお蔵入り……でもせっかく書いたのだから……。
お蔵入りと公開を行ったり来たり、悩む日が続いた。
その間にも新しい詩が生まれる。前に書

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『エンジェルリング/詩』

『エンジェルリング/詩』

砂糖をしきつめたタッパーに
輪切りのレモンを重ね
蓋をして冷蔵庫で寝かせる

天使の輪っかみたいだね

あの子の視線の先に映るものが
わたしでなくても わたしは悲しまない
永遠という言葉が好きだった
永遠を選んで 
永遠の砂糖漬けとなったあの子

窓辺のサンキャッチャーが
光の粒を作り出す
きれいだね
あの時のあの子もきれいだった
わたしは永遠にあの子を赦さない

『魔法少女/詩』

『魔法少女/詩』

あの子のようになりたくて
プラスチックの赤いペンダントが
わたしの胸元で
キラキラと光を反射させる

大丈夫だよ

わたしを呪うその言葉
混沌 破壊 
でも最終回はラブ&ピース

苺パフェをぐちゃぐちゃに
かき混ぜたみたいな世界は
あの子が守ったバラ色の世界

二本目の煙草が灰になる
救うよりも救われたい
弱いわたしは魔法少女

かわいい服を着て
かわいく滅んでしまいたいの

『画面越し/詩』

『画面越し/詩』

ぽろぽろと
無音の悲鳴を上げながら剥がれ落ちる
ぼくを形成している極彩色のピース

今までありがとう 幸せになります

きみの幸せの外側のぼく
落ちたピースをひとつひとつ大切に拾い集め
引き裂いた枕に詰め込んだ

消えないように
忘れないように

具合の悪い枕で大粒の涙を流しながら
海の底で窒息するように眠りにつこう
歌うことを忘れてしまったきみへ
ぼくはきみが好きでした

『昨日/詩』

『昨日/詩』

あの日飲み干した珈琲はほろ苦かった
サワーシガレットでは物足りなくて
二人で食んだ赤い果実
竹下通りで買ったお揃いのキーホルダー
あれはどこに行ったっけ

交換日記も五冊目が終わる
最後の頁には何を書く?

おもちゃのピストルで互いの心臓を撃ち抜く
ハッピーエンドなんて望まない
ハートの棺で今夜も眠るの

ほどいたリボンと脱ぎ捨てたローファー
鞄の中にはお守り代わりの百円ライター
安全ピンで繋ぎ合

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