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20240723「土塊のうた」

わたしの土を
捏ね焼いて
わたしらしきものまでも
それ相応の趣きで
差異を認め
別のわたしを持っていよう
誰が良い悪いと言っても
別に構わない
聞こえないのだから
口元を見なければ良い
表情を様々にして
各々が受け持つ
それらの仕草で
持ち切れない多さまでも
その一滴をしたためておこう
委ねたのなら一層のこと

汚れたはずの
傷つけたはずの
誰かの気持ちで
わたしもまた傷んでしまう
ひとつひとつの欠片を
継ぎ接ぎして
別の模様が走る
似たような過ちさえ
そこに写し出されるなら
また風景も遠退き
景色の味わいを恃む
蹴落とした土塊をまとめ
叩き捏ね
再生の時を持て余している
余白を纏い
わたしもまた白く汚れて
黒さを重ねている

大事にしたらいい
その気持ちを
堪え切れないとしても
やがて忘れるだろう
そして新たな瑞々しさで
溢れるもの
零れたそれらを拭い
別の所まで移動している
気づけないまでも
どこかでわかっている
気にしない気にしない
雫を受け止め
じんわり吸収してもらおう
含まれたのはわたしの方
あなたの詩口で
別の調べが奏でられる
凛と風土に融けて行く

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