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テーラワーダ系の瞑想を実践しています。 精神科専門医/指定医。精神療法(主にCBT、マインドフルネスの周辺)に関心があります。

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  • シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース(2021年5-6月)

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Shaila Catherine先生のオンライン瞑想コースについて

4月末から、Shaila Catherine先生のオンライン瞑想コースに参加しています。このノートでは、シャイラ先生の事と、コースの概要について書いてみます。 シャイラ先生についてシャイラ・キャサリン先生は在家の瞑想指導者で、シリコンバレーにある「Insight Meditation South Bay」の創始者、リーダーです。 シャイラ先生は1980年頃から、インド、ネパール、タイなどで、年単位の仏教瞑想の修行に取り組んできました。1996年から洞察瞑想の指導を開始し、

    • 精神科参考書シリーズ 解離性障害

      解離性障害は症状が分かりにくく、医療者側に知識と慣れがないと、病態の把握自体が難しいと思います。参考になった漫画やSNS、書籍を挙げていきます。 慢性の離人症を罹患されている方の漫画。症状を上手に表現なさっていると思う。離人症は症状が分かりにくいので、とても貴重です。今の病院ではトラウマとASDから来ている、と言われているよう。 解離性同一性障害と双極性障害に罹患し、会社員をしたり何度か入退院もなさっている方。漫画は3年前の発売直後に読んだ時は、ちょっとよく分からないなあ

      • サマタ瞑想の自宅リトリートその②

        8月にサマタ瞑想の自宅ソロリトリートを行いました。前回の反省を踏まえるのと用事の都合で少し修正し、この週末もまた行ってみたいと思います。 2021/9/4のソロリトリートの計画 ◆食事について 前日:夕食は量を控えめにする。 当日:固形物はとらない。 ◆時間割 8時 読経、慈悲の瞑想、呼吸瞑想① 9時 R1 体操と休憩 10時 呼吸瞑想② 11時 R2 体操と休憩 12時 呼吸瞑想③ 13時 軽食 R3 体操と休憩 14時 呼吸瞑想④ 15時 体操と休憩 15時半 呼吸瞑

        • サマタ瞑想のソロリトリートについての試行錯誤と考察

          私はいくつかのスタイルで瞑想実践を行っていますが、そのうち一つとして、数年前からサマタ系の呼吸瞑想(アーナパーナサティ)を行っています。数日以上のリトリートに行くと3-4日目くらいにある程度深い状態が得られる事がありますが、自宅での散発的な実践ではなかなか難しい、というのが現状です。 そこで自宅で週末ソロリトリートによって、自宅でもサマタ瞑想を深める事ができるかどうか、その条件設定を探ってみたいと思いました。 2021/8/22の1日ソロリトリートの計画◆食事について 前

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        • シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース(2021年5-6月)
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          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その5 講義その2

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *今回はもう一つの講義の要点をまとめていきます 講義:出離(離欲)と、手放しのためのいくつかの方法 ●この講義では、出離について、また手放すためのいくつかの方法について話します。まずは増支部経典の一節からはじめましょう。 ●経典ではこう説かれます:感覚的欲望は、対象物自体の中にあるのではなく、自分の反応や思考の中にあると。 ●インド滞在中、師からこういう話をききました。西洋人はみんなベンツを欲しがるでしょう。どう

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その5 講義その2

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その4 講義

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *今回は講義のうち一つを読んで、要点をまとめていきます。 手放す事で前に進むーー五禅支についての最終講義●今回の講義では五禅支について結論的な事を述べたい。 ●まずは復習。五禅支は、瞑想修行のプロセスにおいて、マインドフルネスが持続する事によって育つ。サマタ系の修行だけでなく、ヴィパッサナーの修行でも五禅支は出てくる。 ●喜びや安らぎは、期待や要求から生まれるのではなく、マインドフルネスの持続を発展させることで、喜

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その4 講義

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その3、ガイド瞑想

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *最終モジュールの途中で、また少し時間があいてしまいました。いったん集中が切れると、ペースを取り戻すのに時間がかかりますね。8月中旬に、某海岸でのリトリートに行けることになりそうなので、そこまでにはこのコースの内容の復習と総まとめをして望めたらいいなと思います。 *今回はガイド瞑想を聞いて、ポイントをまとめていきます。 (すわる姿勢の指示。身体に意識を落ち着ける。) ●座って、呼吸するという経験に注意を向け、集中を

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その3、ガイド瞑想

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その2 経典読解

          *本モジュールの経典読解は増支部9-41「タプッサ経」。光明寺経蔵による和訳と英訳を比較参照しながら、あらすじを追いかけてみます。 https://komyojikyozo.web.fc2.com/an/an09/an09c41.htm ●ある時タプッサ居士がアーナンダ尊者に質問した。「我々は、欲楽を受用し、欲楽を喜び、欲楽を楽しみ、欲楽に喜悦する在家者です。我々にとって、離欲はすなわち、断崖の如くに思えます。」「私はこう聞きました。法と律においては、これは寂静であるとみて

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その2 経典読解

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離 その1、概要と課題

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *私用と怠惰のため2週間ほど間隔が空いてしまった。前回モジュールまでは何とかコースの進行についていけていたが、現在はすでにコースは公式的には終了してしまった。 *2週間あくと積み上がってきていたものが一旦リセットされた感じがある。もったいないとは思うが、あまり後悔せず、再開していこうと思う。 *最終モジュールのテーマは、放棄Renunciation。Renunciationはもしかしたら対応する仏教用語があるかもしれ

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離 その1、概要と課題

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その4、講義

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *一境性についての講義ですが、長めで、やや難解でした。要点を何とかまとめてみます: *一境性とは●五禅支の第五の要素、一境性について話します。これは通常、注意の一点集中のone-pointed性質と表現されます。 ●アビダンマでは一境性を次のように表現しています:マインドは対象と結合し、さ迷いや逸れることがない。関連するメンタル要素を統合する働きをする。レンネット(凝乳酵素)が牛乳の粒子をチーズにするように、関連

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その4、講義

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その3、ガイド瞑想2つ

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) *1つ目のガイド瞑想は一境性に特化した内容、2つ目は五禅支すべての復習になっているようですね。 ガイド瞑想1 一境性を育てる●座る姿勢の指示。 ●一境性と伺を識別するのは簡単でないですが、識別する必要はないかもしれません。「あなたはいま、何に気づいていますか」と、私は問いかけます。意識の対象は何ですか。思考、音、感覚、不快など。すべての意識的な瞬間には、対象があります。つまり、あらゆる意識の瞬間momentには、一

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その3、ガイド瞑想2つ

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その2、課題3つ

          *モジュールの課題を確認します。今回は3つありますね。 課題1 焦点を絞ったアプローチ、焦点を絞らないアプローチ●瞑想実践にはさまざまなアプローチがある。次の提案を検討してみてください。 ●ある日は一つの瞑想対象に熱心に(しかし穏やかに)注意を向けることを決心します。また別の日には、自分の体験の中で最も優勢なものにマインドフルネスを出会わせる。つまりただ落ち着いて、脱力して、生起するあらゆるもの(音、感覚、感情など)を見守る。 ●どちらがやりやすいだろうか。それぞれにはどの

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その2、課題3つ

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その1、著書読解

          *シャイラ先生のコースも、あと2週で、今回からは五禅支の最後の一境性に入り、佳境という感じです。尋伺喜楽までは軽くサマタ瞑想をやっていたらある程度想像がつきやすいのですが、一境性は最後の関門というイメージで、何がどうなったら一境性と言えるのか、よく分からない、と感じていました。果たしてどんなふうにレクチャーされるのか。 *今回は著書の一境性のところを先に読んでまず概要をつかむところからはじめます。 Focused & Fearlessの一境性の項●五禅支の第五の要素である一

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その1、著書読解

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その4、講義

          *楽(スカ)についての講義を読んでいきます。 (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) ●喜びや幸せとあなたが呼ぶものを体験した時のことを振り返ります。それは感覚的ではないものでしたか。感覚的でない喜びとはどんなものでしょうか。 ●楽は感情のトーン、パーリ語では受(ヴェーダナー)と呼ばれるものに属し、心地よいという性質を持っています。喜は心所の一つで、メンタル要素に分類され、注意をリフレッシュする機能を持つ。楽は背景ではたらく受であり、体験を味付けするfl

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その4、講義

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その3、著書読解と瞑想ガイド

          (●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです) 次に、シャイラ先生の2つの著書の楽の箇所と、瞑想ガイドに取り組んでいきます。 Focused & Fearlessの楽の項目●喜が活動的な質を持つのに対して、楽はもっと静かでなめらかな幸福の質である。peace, joy, contentment, pleasure, ease, happinessなどと英訳される。温かいお風呂につかっているときの、包み込むようなembracing充足感と似ている。マインドは例外的

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その3、著書読解と瞑想ガイド

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その2、経典読解

          このモジュールでは3つの経典を読む課題がある。光明寺経蔵の和訳を中心に、一部英訳も参照しつつ読んでいく。(以下、光明寺経蔵の各経典のリンクを貼っておきます) 経典読解1 増支部4.28「聖種経」Noble lineages●釈尊が比丘らに語りかけて曰く。4つの聖なる種は、世界の起源以来の、混濁したことのない、知者から非難されないものだ。4つとは何か。 ①いかなる衣でも満足し、衣を得られなくても悩まず、衣を得ても執着せず、(そのことで)自己を称賛することも、他者を謗ることもな

          シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース5:楽 その2、経典読解