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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース(2021年5-6月)

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その4、喜についての講義

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その4、喜についての講義

(*は私のコメント、●はシャイラ先生のお話のメモや要約です)
*30分ほどの講義「Pīti(喜)-Joy, Rapture」を読んで、要点をまとめていきます。重要だと感じたところが多数あったので長めです。

●喜は、対象物を包むような興味a wrapped interest in the
objectと記述される。
●喜は普通、joy, raptureと英訳される。またhappiness, ple

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その3、ガイド瞑想2つ

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その3、ガイド瞑想2つ

(*は私のコメント、●はシャイラ先生や経典のメモ)
*ガイド瞑想はリトリートで録音され、参加者は呼吸瞑想をしながら法話と瞑想ガイドをきき、ガイドの合間に各ステップの指示を実践し、終了後はそのまま瞑想を続けます。こういうものなので、ガイド瞑想中のお話は、瞑想についての実践的でやや深い内容が含まれ、瞑想実践のヒントを得られる事が多いと感じます。ここでは喜についての2つのガイド瞑想について、メモをまとめ

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ャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その2 経典読解、著書読解

ャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その2 経典読解、著書読解

*増支部経典を1つと、シャイラ先生の2つの著作の喜のパートを読んでいきます。

Focused & Fearlessの喜のパート●尋と伺が安定していると、自然と軽やかさと喜びの感覚が生まれる。マインドは明るく、機敏になる。喜にはいきいきした関心が含まれている。
●喜を高めようと必死で努力する必要はない。喜は注目されるnoticedことで成長するので、喜の心地よい質に敏感になることで、十分に喜の成長

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その1、概要と課題

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース4:喜 その1、概要と課題

(●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです)

モジュールの概要*喜(ピティ)のモジュールに進みます。今のところ遅れずについていけています。オリエンテーションの内容を復習しておくと、「喜(ピティ)は、心が喜び、瞑想対象に興味を持つ感じ。砂漠でオアシスをみつけた時の感じ。Feelingではなくmental formation(行)である。喜が育つと、瞋恚(怒り)を抑える。」
*喜という

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その3、清浄道論の読解と講義

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その3、清浄道論の読解と講義

*清浄道論の尋、伺の箇所を読むのと、伺についてのシャイラ先生の講義をまとめていきます。

清浄道論の尋、伺の箇所(第四章 67‐73、79-93)*清浄道論、真面目に読むのはたぶんはじめてです。英訳と、Kindleの正田大観先生の訳とを見比べながら、要点をまとめてみます。

5つのたとえ●利口すぎる蜂は勢いよく飛び出して花を通り過ぎてしまう。利口でない蜂は弱い勢いで飛び出して、たどりついた時には花

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その2、シャイラ先生の著作を読む

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その2、シャイラ先生の著作を読む

*シャイラ先生の2つの著作を読んでいきます。
(●はシャイラ先生のお話のメモ、*は私のコメントです)

Focused & Fearlessの伺の箇所●伺は尋の友人のようなもので、注意を向けた対象に対して、注意を維持する能力のことです。知覚対象に随伴し(stay with)、浸透する(penetrate)という、注意の性質です。
●伺が強いと、一つの息のはじまり、まんなか、終わりまですべての長さに

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その1,概要と課題

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース3:伺 その1,概要と課題

(●はシャイラ先生のお話のメモ、*は私のコメントです)

*モジュール3は伺Vicāra、対象に注意をとどめる操作です。今回の内容は以下で、やはり盛りだくさんですね。
●講義が2つ
●経典読解が2つ
●シャイラ先生の著書を読むのが2つ
●ガイド瞑想が2つ
●課題が3つ
●掲示板とZoomセッション

*例により課題の確認からはじめましょう。

課題1、数息観の別バージョン。●息を吸うときに1、1、

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「五禅支を育てる」コース2:尋(その4)

「五禅支を育てる」コース2:尋(その4)

シャイラ先生の著書から以下の箇所を読んで、要点をまとめてみます。
①Focused & Fearlessの尋の箇所(7ページほど)
②Wisdom Wide and Deepの尋の箇所(3ページほど)

Focused & Fearless--五蓋と五禅支について●仏教の伝統では、集中力を乱す力は、マーラとして擬人化されている。古典的には、マーラは修行者が悟りの境地に達する直前に、恐れ・欲望・疑い

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「五禅支を育てる」コース2:尋(その3)

「五禅支を育てる」コース2:尋(その3)

講義「尋入門」シャイラ先生の30分程の講義。要点メモを紹介していきます。
(●はシャイラ先生の言葉のメモ。*は私のコメントです)

●環境や身体感覚、エネルギー、呼吸に注意を向ける。これが尋。
●尋は、マインドを対象物に向けて適用applyすること、注意を向ける能力です。それは接続の親密さの体験となり、心を活性化し、注意をリフレッシュします。瞑想対象と実際に結びつかないと、心は鈍くさまよいがちにな

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「五禅支を育てる」コース2:尋(その2 経典読解)

「五禅支を育てる」コース2:尋(その2 経典読解)

モジュール2では、尋に関わる経典を2つ読みます。

中部経典25 餌食経自宅にある片山訳で「餌食経」を読み、要約してみます。

祇園精舎にてブッダが比丘らに話しかけて曰く。
●猟師は鹿の群れがいる所に餌をまく。鹿たちは餌食を食べ、陶酔し、放逸になり、意のままになる(捕らえられる)だろう。第一の鹿の群れはそうなった。
●第二の鹿の群れは、それを知り、森の奥深くで暮らすことにした。しかし夏季の終わりに

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シャイラ先生「五禅支を育てる」コース1:導入

シャイラ先生「五禅支を育てる」コース1:導入

これからしばらく、シャイラ先生の「五禅支を育てる」コースについて、紹介していこうと思います。

五禅支とは、瞑想中のメンタル要素である、尋・伺・喜・楽・一境性の5つ。これらが育ってくると、禅定に入る条件が整うとされます。

パオ僧院のスタイルについてシャイラ先生の教えは、概ね、ミャンマーのパオ・セヤドーのスタイルに準拠していると思われます。日本ではサマタの実践を行わず、ヴィパッサナーを最初から実践

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Shaila Catherine先生のオンライン瞑想コースについて

Shaila Catherine先生のオンライン瞑想コースについて

4月末から、Shaila Catherine先生のオンライン瞑想コースに参加しています。このノートでは、シャイラ先生の事と、コースの概要について書いてみます。

シャイラ先生についてシャイラ・キャサリン先生は在家の瞑想指導者で、シリコンバレーにある「Insight Meditation South Bay」の創始者、リーダーです。

シャイラ先生は1980年頃から、インド、ネパール、タイなどで、年

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その5 講義その2

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その5 講義その2

(●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです)
*今回はもう一つの講義の要点をまとめていきます

講義:出離(離欲)と、手放しのためのいくつかの方法

●この講義では、出離について、また手放すためのいくつかの方法について話します。まずは増支部経典の一節からはじめましょう。
●経典ではこう説かれます:感覚的欲望は、対象物自体の中にあるのではなく、自分の反応や思考の中にあると。
●インド滞

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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その4 講義

シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース7:出離(離欲) その4 講義

(●はシャイラ先生お話や文献のメモ、*は私のコメントです)
*今回は講義のうち一つを読んで、要点をまとめていきます。

手放す事で前に進むーー五禅支についての最終講義●今回の講義では五禅支について結論的な事を述べたい。
●まずは復習。五禅支は、瞑想修行のプロセスにおいて、マインドフルネスが持続する事によって育つ。サマタ系の修行だけでなく、ヴィパッサナーの修行でも五禅支は出てくる。
●喜びや安らぎは

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