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シャイラ先生の「五禅支を育てる」コース6:一境性 その2、課題3つ

*モジュールの課題を確認します。今回は3つありますね。

課題1 焦点を絞ったアプローチ、焦点を絞らないアプローチ

●瞑想実践にはさまざまなアプローチがある。次の提案を検討してみてください。
●ある日は一つの瞑想対象に熱心に(しかし穏やかに)注意を向けることを決心します。また別の日には、自分の体験の中で最も優勢なものにマインドフルネスを出会わせる。つまりただ落ち着いて、脱力して、生起するあらゆるもの(音、感覚、感情など)を見守る。
●どちらがやりやすいだろうか。それぞれにはどのような効果や利点があるだろうか。どちらのアプローチも柔軟に使いこなせるようにする。

*ここ数週間の私の傾向として、日常生活がいまいち調子がよくないんですね。対人不安やジャンクへのはまり込みが強い。他の影響もあるのでしょうが、サマタ瞑想の練習ばかりしている事も、関係しているのではないかと思う。
*サマタ瞑想は、ある程度うまくいっても、疲れますね。瞑想中は喜の軽さが支えてくれているけど、終了後しばらく、重たい感じ。サマタ瞑想とはこういうものなのか、それとも緊張による疲労や、うまくいってない部分があるのか。
*ときどき手動瞑想や座禅スタイルのopen awarenessをやると、軽やかで気持ちいいなあという感じがする。その軽さは瞑想後も続く。
*またサマタ瞑想は、戒を守っているかどうかがダイレクトに反映されやすい感じがある。ある程度時間をとらないと十分に深まらない感じがある(たとえば、日曜の午後はずっとそれにあてる、という程度の)。
*こういう事を考えると、負担が大きめの仕事をしながら、サマタ瞑想を深めていく事は、結構ハードルが高いのかもしれない、とも思う。
*ただ、リトリートなどでときどきサマタの練習をする事は、利点は結構あると思う。深い集中という軸を持っていると、ヴィパッサナー系の実践において、観察に奥行きが出る感じがある。日常生活での浅い気づきと、瞑想中の深い気づきの幅が出てきて、どちらもそれぞれメリットがあることが分かる、といった感じだ。
*という訳で、サマタ瞑想は、通常はヴイパッサナー系の瞑想と、適度に織り交ぜつつやっていくのがよさそう。このコース中やリトリートではサマタ系を多めにする。一方、普段は逆にヴィパッサナー系が多めにした方が、たぶんバランスがよいと思う。

課題2 多忙な日でさえも、注意を焦点化する

●自分の体験に意識を向けるために、以下の提案を試してみてください。忙しい日でも冷静さを保つことができると思います:
●慌てている時、急いでいる時、マルチタスクをしようとしている時に気づく。
●生産性という軸の上に組み立てられたアイデンティティを、一時停止して、一歩引いてみる。
●今から、ただ一つの感覚だけone sensation at a timeに気づいてください。床との接触。手が触れているものの感触。今、あなたは何に気づいていますか(と自問する)。
●今起こっている活動に、注意のすべてを向ける。足や手や体にただマインドフルである事で、注意を現在にとどめることができることを確認します。

*こうしたシンプルで日常的な実践が、一境性というかなり高度に思えるような禅支と地続きである、と想定されている点は、興味深いです。日常生活でのこうした実践と、座る瞑想での深い実践の間を反復し、日常生活での実践の中でも一境性というものを見出し、育てていくことができる、ということになるんでしょうか。

課題3 五蓋の貪欲を克服する

●欲しいものがあったら、すぐにその欲求を満たそうとせず、欲するマインドを調べてみる。何を欲するかではなく、欲しているプロセスthe process of wantingの方に焦点をあてる。
●wantingはどんな感じか。どのように欲望を認識するか。欲望は快か不快か中立か。wantingの強さ、切実さ、重要さはどの程度か。40分後や4時間後、4ヶ月後、4年後にも同じ強さでその欲望はあるか。そのwantingには、自己利益、プライド、権利意識がどの程度含まれるか。
●欲望する事柄は、持続的な不利益、持続的なwell-beingにつながるものか。健康的か、善いことか、倫理的か、合法的か、適切か、実行可能か。望むものを手に入れた時の満足度はどのくらいで、それはどれくらい続くか。
●一境性は、貪欲のエネルギーにどのように打ち勝つか。

*これも課題2と同様、日常生活での欲と、瞑想中の欲の両方で実践してみるのが面白そうです。座る瞑想中の一境性があるとき、その安定性と充足感によって貪欲がなくなるのは分かりやすいですが、日常生活でのカジュアルな一境性が(そういうコンセプトが有効だとして)、貪欲に対する解毒剤として機能するかどうか。座る瞑想の休憩時、チョコを食べながら観察するといいかもしれない。


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