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子どもの未来を育む遊びの力:遊育がもたらす子どもの成長力

「遊育って、ただ遊ぶだけ?」そんな風に思っていませんか?実は違うんです!遊育は、子どもが自ら考え、行動する力を育てる考え方です。これが子どもたちの未来を大きく変えるかもしれません。
遊育については、以前もご紹介しておりますので、そちらもご覧ください。


自発性を促す日常生活の工夫


私たちの園では、日常生活の中で子どもが自発的に考える力を育てる機会を大切にしています。
例えば、ある園児は外遊びから戻ると汗をかくことを予測して、自分のロッカーにタオルを用意していました。これは誰かに教えられたわけではなく、子ども自身が考え、行動した結果です。
このような小さな積み重ねが、生きる力や考える力に繋がっていきます。

一方で、指示を受けて行動する子どももいます。その時は準備をしますが、また同じような状況があっても、この園児は準備していませんでした。 なぜなら、「なぜそれが必要か」を理解していないからです。
そのため、指示を出す際には「なぜそれが必要なのか」を丁寧に説明することが重要です。これには伝える側の忍耐力も必要です。

誰にも教えられずに自ら考えて行動するこの力、あなたのお子さまには身についていますか?

行動の理由を理解する重要性


先述の通り、子どもが自分の行動の理由を理解することは非常に重要です。
例えば、給食の配膳時に、お茶碗を左側に置く理由を説明する際、「右手でお箸を左手でお茶碗を持つから、取りやすい左側にお茶碗を置くよ。」と理由を伝えることで、子どもは配膳位置の意味を理解し、間違えて置くことはなくなりました。

このように、丁寧に忍耐強く伝えていくことで、子どもは自分で考え、さまざまな場面で主体的に取り組むようになります。幼い頃から自分の頭で考え行動する習慣が身についていれば、小学校に上がってからもその力を発揮するでしょう。
生活面はもちろん、勉強面(当園では認知力にあたります)でも効果が期待できます。

遊びから学ぶ社会性と問題解決能力


遊びは単なる娯楽ではありません。遊びを通じて子どもは環境を理解し、人間関係を学び、自己表現を身につけます。
当園の遊育活動を観察していると、ごっこ遊びの中で役割分担や適切な人員配置などを子どもたちが自発的に行っている姿が見られます。保育士がぐっとこらえて見守る中でも、子どもたちは確実に成長しています。
例えば、お店屋さんごっこをする際に、子どもたちが自然と店員とお客さんの役割を決め、順番に役割を交代しながら遊ぶ姿があります。

このような遊びを通じて、社会性や協調性、問題解決能力が養われています。 ごっこ遊びだけではなく、ブロック遊びを通じて空間認識や創造力が養われたり、絵本の読み聞かせを通じて言語能力や感受性が育まれたりと、遊びの中で得られるこれらのスキルは、子どもの将来にわたって重要な基盤となります。

大人の役割と遊育活動のサポート方法


遊育活動での保育士の役割は、子どもが主体的に学び、成長する環境を提供すること。子どもの興味や関心を尊重し、適切なサポートをすることが求められます。
保護者の皆さんも、同じ視点を持つことでお子さまの成長をより良くサポートできます。 お子さまの行動を思い返してみてください。声をかけなくても主体的に行動している場面はありませんか?遊育の視点を持つことで、子育てのヒントになるかもしれません。

遊育を通じて、子どもたちが自ら考え、行動する力を育てることが、彼らの未来にとって大きな財産となるはずです。

さいごに


お子さまが自発的に行動する瞬間を見逃さないでください。その小さな一歩が、大きな成長の第一歩かもしれません。

ぜひ、遊育の考え方を取り入れて、子どもたちの可能性を広げていきましょう!


【園長プロフィール】
野瀨 直子(のせ なおこ)
約20年間、公立保育所・私立保育園・私立幼稚園・認可外保育園の他、ニュージーランドの幼稚園に勤務。
各園で、モンテッソーリ教育や右脳教育などに関わる。
私生活では、社会人の息子と大学生の娘の二児の母。
▼取得資格
BYBS非認知能力コーチ・受験メンタルトレーナー
JADP認定メンタル心理カウンセラー
幼児心理アドバイザー・食育アドバイザー


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