世界でもっとも貧しい大統領「ホセ・ムヒカの言葉」 佐藤美由紀
「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
世界でもっとも貧しい大統領「ホセ・ムヒカの言葉」 佐藤美由紀
人間本然主義。
以前読んだ松下幸之助さんの本で出逢った言葉。
この言葉がずっと心に残っていて、ニュースを見たり、新聞を読んだりして嫌な気持ちになると、この言葉を思い出していました。
そして
「人間本然主義とは何か?」とよく考えるようになっていました。
ようやく、僕が考える「人間本然主義」とは、ホセ・ムヒカさんの言葉が言い表しているのではないかと思い当たりました。
2012年、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた、国連の「持続可能な開発会議(Rio+20)」 初日、各国の首脳のスピーチが行われました。
その最後に、南米のある小さな国の大統領が演台に立ちました。
彼は語り始めます。
8分間のスピーチのあと、静まり返っていた会場が沸き立ち、しばらく拍手が鳴り止みませんでした。
ウルグアイ東方共和国 第40代大統領ホセ・ムヒカのリオ会議でのスピーチは、「もっとも衝撃的なスピーチ」と呼ばれるようになりました。
彼は大統領官邸に住むことを拒み、妻が所有する小さな農場で暮らしました。
給料の約90%を慈善事業と所属する政党に寄付し、残りは貯金。
その貯金の目的は、自分の農園に貧しい子どもたちを受け入れる農学校をつくるためなのだそうです。生活費は妻の収入で。
質素なライフスタイル、決して多いとは言えない資産。
青年時代ムヒカさんは、左派の武装グループに参加します。「世界を変えたい」と強く思い、革命運動にのめり込んでいくのです。
その後
収監され、およそ13年間にわたる獄中生活を強いられました。
拷問・虐待
悲惨な獄中生活によって、ムヒカさんに人生の哲学が形成されたのです。
自身の体験から生まれた言葉だからこそ、心に響きます。震えます。
すべての言葉が、本当に素晴らしいです。
その中から、心に刻んだこの言葉を。
【出典】
世界でもっとも貧しい大統領「ホセ・ムヒカの言葉」 佐藤美由紀 双葉社
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