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「松下幸之助 経営語録」 松下幸之助



「私は、商売のコツの一つは、サービスに徹することにあると思っているが、このサービスとは、ことばをかえていえば、人に喜びを与えるということである。」




「松下幸之助 経営語録」 松下幸之助



松下幸之助さんは、言わずと知れたPanasonicの創業者。経営の神様と呼ばれています。


その松下幸之助さんの経営についてのお話が、とてもわかりやすい言葉で
書かれています。


冒頭から経営とはすばらしいもので、経営者は広い意味で芸術家であると松下さんは語っています。

経営とはすばらしいもので、経営者とはまさに総合芸術家だ、ということになる。

したがって単なる金儲けとか、合理的な経営をするとか、そんな観点だけから経営を見てはいけない。

結局、人生とは何なのか、人間とは何なのかというところから出発しなければならないほどのものだと思う。


そのような人間味溢れる経営者としての経験から出てきた言葉が、素直に心に入ってくる本でした。


僕が経営者として、素晴らしい・こうあるべきだと感じた言葉が

経営者が、少なくとも威圧とか権力とか、そういうもので人を使ったりすることは、最上ではないと思う。

それは上ではなくて、中ぐらいの経営者。やはり好ましいのは、部下に"安心感″を持たせることができる経営者ということではないだろうか。


まさにそうだと思いました。


怖さで社員を、厳しく律しているつもりの上役をよく見ます。


でも、怖さだけでは人はついていかないです。


松下さんも、こう語っています。

第一、私が使われる立場になった時、こわいおやじさんでは、かなわない。やはり、何でもものがいえる人、そしてある程度理解できる人。

全部理解できなくても、ある程度理解できる、そういう感じの主人の方が仕えやすい。あまりシャープでは具合が悪いと思う。


松下さんは経営者として、社員のことをとてもよく考えているというのがこの本を読んでよくわかりました。


その言葉の一部をご紹介します。

社長が社員に経営の成果を知らせるということは絶対に必要ですな。「今月はみなで頑張ったから、これだけ儲かった」、そういうことを聞けば社員も働きがいがありますわな。

好きこそものの上手なれ、ということばがありますわね。だから仕事でも、自分でその仕事をやりたいと考えている人にやらせるようにもっていった方がいい。

結局、社長というものは、従業員が千人いれば千人、一万人いれば一万人の心配をひとりで背負っていくもの、それくらいのものだと考えなければいけない。


松下さんは常に人生とは何なのか、人間とは何なのか、というのを考えてきました。


成果はあとからついてきたんですね。


最後に書かれていた松下幸之助さんの真価ともいうべき考えが、とっても素敵でした。

われわれに大切なのは、お互いの幸せにつながることであれば、その良い点は大いに吸収し合うという態度だと思う。

それはいいかえれば、資本主義がいいか、社会、共産主義がいいかといった立場に立つのではなく、人間そのものの本質を基本において、お互いの幸せに役立つものを、とらわれずに受け入れ、いわば人間本然主義とでもいったものを、それぞれに生み出していく、ということになるだろう。

それがこれからの世界にはきわめて大切だと思う。




【出典】

「松下幸之助 経営語録」 松下幸之助   PHP文庫


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