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日本の戦争

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「わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った」
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わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った④「燃える真珠湾」

わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った④「燃える真珠湾」

日本とアメリカの戦争は、1941年12月8日未明、日本海軍によるハワイ基地攻撃をきっかけとして始まりました。ちなみに、ハワイ時間でいうとこの日は12月7日の日曜日にあたります。アメリカではラジオでも聞きながら、ゆったりとモーニングコーヒーをすする時間でした。

太平洋のはるか上空には、厚い雲の屋根がどこまでもかかっています。その雲のさらに上には、日の丸の印を翼に持ち、濃緑色の迷彩に染まった航空機の

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わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った③「鳴けない海鳥の咆哮」

山本五十六長官は、もともと「賭け事」が大好きな人でした。ポーカー、花札、麻雀、賭け将棋など、およそ賭け事と呼ばれる遊戯は何でもやり尽くしました。「海軍をやめたら、モナコへ行って一流のギャンブラーになる」と公言してはばからないほどの熱の入れようでした。

その山本長官が、アメリカと戦争するとなった場合、「海軍すべての航空兵力を結集して、アメリカ海軍の拠点であるハワイ基地を叩く」という、大作戦構想を打

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わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った②「瀬戸内海のさざ波、太平洋の波濤」

海に囲まれた日本は、国の守りを考えた場合、強い海軍力を持たなければなりません。海軍の軍港は日本の海岸の要所に点在しましたが、なかでも瀬戸内海の柱島には、連合艦隊の船が停泊する大きな港がありました。

そこには、大砲を持った戦かんや、護衛の役目を持つ巡洋かん、小回りの利く駆逐かんなど、大小さまざまな船が出入りして、日本の守りを固めています。重厚に装備された軍かんの一群が、整然と規律正しく航行する姿は

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わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った①「西の空を裂いた稲妻、東の地に堕ちる」

20世紀は、戦争の世紀と言われます。第一次世界大戦、第二次世界大戦という、世界を巻き込む大きな戦争が、短い間に続けて起こりました。

ふたつの大戦で亡くなった人は、一億人を超えるといわれます。第一次世界大戦の傷跡があまりにも深かったために、もう二度と戦争はしない、とヨーロッパはじめ世界の国は思ったのですが、大戦が終わって二十年もたたずに、ふたたび世界は戦火に包まれたのです。

みなさんにこれからお

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わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った~序章~

わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った~序章~

ここに、一冊の童話がある。タイトルは、『わたしたち日本人の祖先は、大きな戦争をすると決め、戦った』。

童話といっても、名のある作家が書いたものではない。まして書店に出回るような代物でもない。これは、N高校に在勤していた、あるひとりの学校用務員による自著である。

用務員は本年度、定年退職し、現在は気ままな隠居生活を送っている。これまでお世話になった学校に恩返しをできないかと考え、書いたのがこの童

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