生野大輔

しょうのだいすけ、と申します。 短い作品を書いています。

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しょうのだいすけ、と申します。 短い作品を書いています。

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生野大輔

生野大輔と申します。 noteでの作品の作成と、stand.fm(スタエフ)という音声プラットフォームで、シダさんという方に私の作品を朗読していただいています。 私がはじめて作…

生野大輔
2年前
6

おっちゃんのたこ焼き

「俺たちの青春よ!バイバイ!」 地元の友達がSNSに投稿した写真には、 慣れ親しんだたこ焼き屋さんが写っていた。 強面のおっちゃんと、よく喋る奥さんの夫婦で営んでい…

生野大輔
2か月前
2

『未来の私へ』 : 「タイムカプセル」シリーズ

朗読企画『タイムカプセル』の作品をシダさんに読んでいただきました。 下から聞けるので、よければ聞いて聞いてみて下さい。 作品を送るまで今回のテーマはタイムカプセ…

生野大輔
9か月前
4

『薄明かり』:朗読依頼

ふと、目を開けた。 二日酔いの気持ち悪さを感じたまま寝返りを打つ。 シダさんのこの1年はうなシダのコラボ収録が多いように感じました。 そこで、うなじさんをイメージ…

生野大輔
1年前
3

『決意のペン』:リレー任務シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 今回は2回目の…

生野大輔
2年前
3

『故郷(こきょう)のまち』:「ここに存在して」シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 これから…

生野大輔
2年前
2

『ふたば』:朗読依頼🌱

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 これから…

生野大輔
2年前
2

贈りもの

「これでほんまに届くんやろか」 オンラインで花を贈るサービスを人生で初めて使った。 相手は祖母だった。 私が大学生時代に貯めたバイト代で贈ったんだ。 バイト代で生…

生野大輔
2年前
5

色んな人の朗読を聞いて、様々感じることがあった。
そこから、作品を紡ごうと思った。

だけど、心が作品を書くことを止めてくる。
大きなブレーキをかけている。
僕よ。僕はどれだけのものを背負ってきたんだい。

僕よ。今は聞いてくれる人がいるだろう。
ひき出してくれる人がいるだろう。

生野大輔
2年前
1

『シリアス健太』:「家庭訪問」シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 今回の設…

生野大輔
2年前
1

太陽と月とロッキー山脈と

「今日が最後の日」 僕はそう決めて、今日を迎えた。 大学で家を出て上京した。 お金をためて、ロッキー山脈にひとりで勉強をしに旅立った。 大自然の中でひたすら働き…

生野大輔
2年前
10

がまん

僕が我慢すれば、解決するんだ。 そう思って、こらえてきた。 こらえて、たえて、がまんしてきた。 いっぱい。いっぱい。 そのうちのひとつを文字にした。 声に出して…

生野大輔
2年前

『ティースプーンとコーヒー』:リレー任務シリーズ

シダさんのスタエフ配信で作品リレーを行う招待をいただき、参加させていただきました。 私は、物語を終える最後の人となりました。 その時の、背景や伏線回収の経緯を書け…

生野大輔
2年前
2

『草』:草わたしの草シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読の時間をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 作…

生野大輔
2年前
2

『緑』:虹シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読の時間をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。 作…

生野大輔
2年前
3

ダイくん

「ダイくん帰ってけぇへんなぁ」 毎晩、祖母は私に聞いてくる。 ダイくん。それは私のことだ。 小さい頃、祖母が私のことを「ダイくん」とよんでいた。 「認知症の結果が…

生野大輔
2年前
2
生野大輔

生野大輔

生野大輔と申します。
noteでの作品の作成と、stand.fm(スタエフ)という音声プラットフォームで、シダさんという方に私の作品を朗読していただいています。
私がはじめて作成した作品は、スタエフのシダさんの「奪った奪われた空」シリーズで投稿した作品になります。
もし良ければ聞いていただけると幸いです。

この後に、「草」「虹」シリーズなどの作品を作成していく中で、「私の作品が良かった」や「背景

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おっちゃんのたこ焼き

おっちゃんのたこ焼き

「俺たちの青春よ!バイバイ!」
地元の友達がSNSに投稿した写真には、
慣れ親しんだたこ焼き屋さんが写っていた。

強面のおっちゃんと、よく喋る奥さんの夫婦で営んでいて
100円で6個入りの、安くて美味しいたこ焼き屋だった。

小学生の頃、お小遣いを貯めてたこ焼きを買いに行った。
10円玉を10枚、ポケットに入れて自転車で行った。

「たこ焼き100円分下さい!」

僕はそう言いながらお金を奥さん

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『未来の私へ』 : 「タイムカプセル」シリーズ

『未来の私へ』 : 「タイムカプセル」シリーズ

朗読企画『タイムカプセル』の作品をシダさんに読んでいただきました。
下から聞けるので、よければ聞いて聞いてみて下さい。

作品を送るまで今回のテーマはタイムカプセルでした。
朗読企画の説明で、あまり上手く話せない時期だと知りました。
であれば、上手く話せない今の声を活かせる朗読作品を作ろう、
そう強く思ったのを覚えています。

朗読企画に参加することをシダさんに伝えてから数日、作品作りにすごく悩み

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『薄明かり』:朗読依頼

『薄明かり』:朗読依頼

ふと、目を開けた。
二日酔いの気持ち悪さを感じたまま寝返りを打つ。

シダさんのこの1年はうなシダのコラボ収録が多いように感じました。
そこで、うなじさんをイメージした作品を作ろうと思いたったのがきっかけです。

実は、この作品はメモ程度に作成して残していた作品でした。
ふと、新入社員時代に、飲み会のあとひどく疲れてしまった時を思い出しました。
なぜか早朝に起きてしまい、店も開いていない静かな町を

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『決意のペン』:リレー任務シリーズ

『決意のペン』:リレー任務シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。
今回は2回目のリレー作品に参加させていただきました。
前回に引き続き作品を仕上げるアンカーになりました。
作品を作成する時の考えを書いています。ニュアンスの違いなどがあると思いますが、その点も楽しんでいただければ幸いです。

作品を初めて読んだ時作品を

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『故郷(こきょう)のまち』:「ここに存在して」シリーズ

『故郷(こきょう)のまち』:「ここに存在して」シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。

これから記載することは、私の意見です。
見方によって受け取り方も異なるとおもいますので、その違いも楽しんでいただけたら幸いです。

今回はベアカフェに居てほしいとの内容でした。

はじめにテーマを聞いた時、ベアカフェを目的地にするより、他の目的が

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『ふたば』:朗読依頼🌱

『ふたば』:朗読依頼🌱

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。

これから記載することは、私の意見です。
見方によって受け取り方も異なるとおもいますので、その違いも楽しんでいただけたら幸いです。

今回はシリーズではなく、私が個人的に朗読依頼を出した作品です。
題名は『ふたば』
シダさんがstand.fmを初め

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贈りもの

「これでほんまに届くんやろか」

オンラインで花を贈るサービスを人生で初めて使った。
相手は祖母だった。

私が大学生時代に貯めたバイト代で贈ったんだ。
バイト代で生活していた私にとって、なけなしのお金だった。

誕生日の日に母からメッセージが届いた。
祖母が花束を持っている写真と共に、「花が届きました」と。

祖母は、笑っていなかった。
認知症があり、理解ができなかったのだと思う。

1番お世話

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色んな人の朗読を聞いて、様々感じることがあった。
そこから、作品を紡ごうと思った。

だけど、心が作品を書くことを止めてくる。
大きなブレーキをかけている。
僕よ。僕はどれだけのものを背負ってきたんだい。

僕よ。今は聞いてくれる人がいるだろう。
ひき出してくれる人がいるだろう。

『シリアス健太』:「家庭訪問」シリーズ

『シリアス健太』:「家庭訪問」シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。

今回の設定は、高校生の家庭訪問でした。頂いた主人公の名前は「シリアス健太」です。お題をいただいたとき、主人公はシリアスな性格なんだろうと思いましたが、話の展開はすぐに思いつきませんでした。
そこで、シリアルな性格の人を考えましたが、すぐに出てきま

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太陽と月とロッキー山脈と

太陽と月とロッキー山脈と

「今日が最後の日」

僕はそう決めて、今日を迎えた。

大学で家を出て上京した。

お金をためて、ロッキー山脈にひとりで勉強をしに旅立った。
大自然の中でひたすら働きながら独学をしていた。

知り合いは、有名な海外の大学に留学。
実際、うらやましかった。

大学では同年代との差をかなり感じた。

留学した人からは、「働いていたのは留学ではない」と見下され、
留学していない人からは、「海外に行ったか

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がまん

がまん

僕が我慢すれば、解決するんだ。

そう思って、こらえてきた。

こらえて、たえて、がまんしてきた。

いっぱい。いっぱい。

そのうちのひとつを文字にした。

声に出してもらった。

そしたら、聞いてくれた。

みんなの心に響いた。

今日はゆっくり過ごせそう。

『ティースプーンとコーヒー』:リレー任務シリーズ

『ティースプーンとコーヒー』:リレー任務シリーズ

シダさんのスタエフ配信で作品リレーを行う招待をいただき、参加させていただきました。
私は、物語を終える最後の人となりました。
その時の、背景や伏線回収の経緯を書ければと思います。

はじめに読んだ時私自身、とりをやりたかった気持ちがありました。また、題名も決める必要があるので、私以外の方の作品を仕上げるところは面白かったです。

しかし、私に回ってきた文章を読み終えた瞬間、作品の「僕」と全く同じ、

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『草』:草わたしの草シリーズ

『草』:草わたしの草シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読の時間をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。

作品の背景や、私の事について知りたいとの意見を耳にしましたので、この場を借りて紹介させていただきたいと思います

実を言うと、この作品は10分ほどで作成しました。
「草」シリーズの告知を知った時はかなり仕事が忙しくて、話を練る時間がほとんど

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『緑』:虹シリーズ

『緑』:虹シリーズ

シダちゃんねるをお聞きの皆さん、いつも私の作品を聞いてくださり、ありがとうございます。そして、朗読の時間をしてくださるシダさん、いつもありがとうございます。

作品の背景や、私の事について知りたいとの意見を耳にしましたので、この場を借りて紹介させていただきたいと思います。

私の担当は「緑」でした。
はじめは、葉桜についての物語を考えていました。葉桜の時にすでに春の開花の準備をしている、という内容

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ダイくん

「ダイくん帰ってけぇへんなぁ」
毎晩、祖母は私に聞いてくる。

ダイくん。それは私のことだ。
小さい頃、祖母が私のことを「ダイくん」とよんでいた。

「認知症の結果が出ました。これからは。。。」
そう検査員に言われた後の話は頭に入らなかった。

祖母が認知症。
薄々わかってはいたが、言葉にすると心にズッシリくる。
そして、祖母の記憶には“私“はいない。けど「ダイくん」はいる。

「ダイくん知らんか

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