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仲間と共に成長するピアカウンセリング

目的・狙い・背景

ピアとは仲間と言う意味。ピアカウンセリングとは、同じ背景を持つ人同士が対等な立場で話を聞きあうこと。

中高生のことを最もよく理解しているのは、中高生。中学生なら中学生、高校生なら高校生の悩みがある。仲間同士で解決し合いながら、成長して欲しい。

実際、中高の教育現場において私たち「先生」より、「先輩」や「仲間」から何かしらの問題に対して、回答を得る方が、子どもたちは、しっくり来たり、心にストンと落ちることが多々ある。

以前、中学1年生がSNSの使い方で悩みを持った時、

私たち教員は、「そんなものやめなさい、しんどくなるだけだよ」という具合でアドバイスを送った。

ただそれよりも、中学1年生たちがこころに残った言葉は、実体験をした当時の中学3年生たちからの言葉。

「SNSで嫌な書き込みをしてくる大半は、妬みやひがみが入っている。そんなのに悩んだり、時間をとられるのはもったいない。無視するのに限る」。

ここからも分かるように、当事者でない人(ここでは教員)よりも、当事者同士(生徒)で悩みを打ち明け、解決していく。そういう活動の方が、よりよい効果を生むことことがある。また、チームやクラスとしてのまとまりや他者への理解も生まれてくる。

そんな願いがから始めたのが、このピアカウンセリングの取り組み。

具体的な手順と方法

使う物:アンケート機能のあるツール(本校ではForms)、エクセル、ワード

手順①
Formsで悩み事調査でアンケート

手順②
結果をダウンロードし、ナンバリングして編集。

手順③
以下のようなリストを作成(ワードの差し込み印刷が便利)し、くじ引きを作成し、生徒たちはボックスから1つずつ引く。

手順④
Formsのアンケート機能で、くじに書かれたナンバーに対して、自分なりの回答を書いて提出。

手順⑤
結果をダウンロードし、編集して、生徒へバック。
必ずここで読む時間を確保し、生徒たちは良く答えられているものを選ぶ。

手順⑥ 通信などで評価の高い回答を紹介

【注】
生徒名はふせて、全て匿名で行う。ICTが使えない以前は、手書きで行っていたが、手書きだと誰が誰のものに回答したかが分かる。また、教員が編集する際に手打ちになったりする。あくまでも匿名で行う方が良い。多感な中高生、名前がわかると余計なトラブルをうむこともあるので、そこは注意。

【+α】
教員も匿名で生徒に混じって参加するのも楽しい。

まとめ:効果とICT活用

教員側から生徒たちの様子をみていると、

みんなの悩みを知り、みんなの考え方を知り、悩みを共有することで、私だけじゃないという意味で安心したり、ハッと「そうなんだ」と腑に落ちたりで、いろんな学びがあったように思える。

きっと色んなことに気づいたり、考えさせられたりしたのだと思う。

結果を紹介した時の生徒たちの関心・意欲は、抜群。
いつも以上に集中して、結果を読んでいた。

楽しそうに取り組んでいたのが何よりでした。

ICTと教育についていうと、

ICT機器を教育現場で使うメリットの1つとして、この匿名で簡単に情報をまとめて、共有できるのは非常に便利で教育的効果が高い。意見を出す時には、本当に効果的。

以前は、「手を挙げて発言する」ことに躊躇することも多く、意見や考えがあっても、なかなかでなかった。匿名で、こういう活動ができるのは、ICT機器を活用できる今の教育ならではと思う。

最終的な方向性としては、
このピアの取り組みを日英のレポートや小論文チェックまでもっていきたい。大学のゼミなどで、行われている手法ではあるが、それを中高生の段階までおろしていけたらと考えていて、今は少しずつ試行錯誤中。

ピアカウンセリング

これは、小学校・中学校・高校・大学・職場、もどこでもできる取り組み。

ICT機器が使えると、とても効果的にできるので、お試しください。

追伸:
+αの先生も混じって悩みを生徒へ相談するのも個人的にはお勧めです。


2023年9月25日 追記

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