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「君達にはこの新型冷蔵庫を大阪支社まで運んでもらう。運び方は自由。費用はこちらで負担する…
「あの人、急に金回りが良くなったけど、何か悪いことでもしたの?」 「カロリー、売ったんだ…
高い、細い声が夜明けの寝室につうと引かれて、私たちの時間は終わる。窓のへりに穴をあけて…
嵐の夜だった。 何気なく窓の外を見ると、手すりのところに男がぶら下がっていた。いや、…
「おめでとうございます。厳正なる抽選の結果、あなたは今回の実験クルーに選ばれました」 …
夫の誕生日プレゼントは、話題になっていた家で運動することができるゲームソフトにした。最…
妻は、僕のストーカーだった。 僕は三十代のころ、ラジオパーソナリティの仕事をしていて、その時から妻は僕のファンだった。何度も僕宛に、「結婚してください」と書かれた手紙を送ってきては、スタッフを困らせていた。僕は、声が個性的である以外はこれといって特徴のない、凡庸な人間であったので、そんな僕に熱心なファンがいることが不思議で、そして嬉しかった。 彼女は僕よりも一回りも年下で、手紙ではしきりに僕に、どこに住んでいるのかを尋ねていた。もちろんそんな手紙に応えられるはずもなく
奥様の白い胸に、いざ、針を構えました。 「よろしゅうございますね」 ええ、と奥様は艶…
この短編は812文字、約2分で読めます。あなたの2分を頂ければ幸いです。 *** 「えー、明…
少しくらい空気が冷えていても、ここでは、匂いを感じる。 絵の具の匂いが、鼻の奥にある…
目覚ましが鳴る前にその気配で起きることは、大抵の人にとって経験があることだと僕は思うの…
仕事を変えることになった。新卒採用されたが一年を待たなかった。今度は遠方だ。実家から引…
ホテルに泊まった。由比ガ浜の。 朝、起きて、テラスに出た。 海が見えた。 着替えて…
今までなかったことだが掛けようとした相手の番号が携帯電話のメモリから消えている。そんな筈はないがなんらかのきっかけでデータを消去してしまったのかもしれない。或いはそもそも番号を登録していなかったのかもしれない。 わたしは三二歳だったかもしれない。会社員だったかもしれない。男性だったかもしれない。自分のプロフィルさえ時おり不鮮明になる。ただ以前に恋人がいるときは別だったのだが。例えば恋人の目が年齢からくるわたしの服装への興味への減退をきびしく監視する。わたしの年収を見張る。