【ショートショート】 『鋭利なチクワ』
【鋭利なチクワ】《諺》:『鋭利なチクワ竹に如かず』の略。竹輪をいくら尖らせても尖らせた竹には敵わぬことから、凡人が努力を重ねてもひとたび本気を出した天賦の才の者には勝ちようがないこと。またはそのような凡人。(類)『腐っても鯛』
「このことわざのルーツを調べています。詩経や論語にはありませんでした」
「それは見当違いですね」
「シェークスピアですかね」
「君、チクワは日本のものですよ。戦国時代以後の言葉です」
「そうですか。ネットでも古いデータは消去されていますし、途方にくれ