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一億円の低カロリー

「あの人、急に金回りが良くなったけど、何か悪いことでもしたの?」
「カロリー、売ったんだって、一億円分。」
「え!?そんなに!?」
「市場最高額のカロリー取引だったらしいよ。」

二酸化炭素の排出量まで売買できる様になった時代。
ついに人は、カロリーの摂取量まで売買する様になっていた。
「生理的熱量摂取権取引」
成人男性が消費する一日のカロリー、2600kcalを基準に
「設定生理的熱量」と「消費年数」を提示して
カロリーをたくさん取りたい人が他の人からカロリーを買い
カロリーを控える代わりに資金が欲しい人はカロリーを市場に売る。

「一億円分、何年で?」
「30年。」
「一日の摂取カロリーはいくら?」
「500。」
「うわ〜。仙人じゃん。一日2100kcalも売ったの?」
「うん。だからあの人、一億円は手に入ったけど、人生は味気ないって。」

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