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『サークライト・セレナーデ』
■見どころ、読みどころ■
この詩の舞台になっているのは、江戸川区に住んでいたときのアパートです。あの部屋からは、ディズニーランドで打ち上げる花火が見えました。
風呂からあがったあとで、花火を眺めて就寝するのがあの頃のわが家のスケジュールで、花火があがる様子が子供にはバンバシュウと聞こえ、もぞもぞと指を動かしながら腕をあげるのがその真似です。
花火が終わって、さあ寝ようと電気を消すのです
『(簡易な違約とともに書き逸れていく)鶺鴒追跡』報告 *(干潟)
☨鶺鴒追跡、(干潟)
干潟とは、海の手前にあるものであり、
山に降って一旦は土や岩の中に染み込んだ雨が、
ちろちろと母乳を探す嬰児の舌のように出口を求め、
地下水から地表へと顔を出し湧水となった香り立つ水の降水が、
集い集って、山の中から発してやがては海へと注ぐ
その手前に位置しているものであり、
海と陸との中間地点として日に二度冠水と干出を繰り返す地域でもある。
しかし、ここで気をつけていな
『モリサ・フェンレイ・ダンス』from『エスペラント/A Wongga Song Dance』
大地にかかとをつけて離さぬように、
あのベトナムの僧ならば
地球に接吻するようにと言うであろうように踊るのだ
スタンプ、足裏を大地の頬にすりよせて撫でるのだ
スタンプ、スーフィの舞いを風の袖にすりよせるのだ
樹は実をほどこすだろう
川は鰐を浮かべるだろう
人はかかとを捺すだろう
地の塩の味覚を確かめるように
[セルフ解説]
『エスペラント』を好きで聴いてはいましたが、「これはモリサ・フェンレイの
寺山修司論『液体と規則性』
『2 チエホフ、雪、雲雀』
*
寺山はすでに高校生にして
全国の俳句の有志を組織して全国の若き俳句作者たちを率いて
俳壇の乗っ取りを企図し、
大学一年生のときには短歌の新人賞を受賞して世間的な認知を得たが、
その際に他の俳人、歌人の作品からの
盗作や剽窃で作句したという騒動を巻き起こしている。
寺山の本質を早くも露わにしたこの事件を見つめれば、
向日葵の種をさらに一粒蓄えておくこともで
■大江健三郎 死者たちの近親(2/2)
生きている者たちの世界と死者たちの世界、僕はどちらの世界に住めるのか。理解がそもそも不能な世界と理解が循環する世界のどちらなのか。勿論、生きている者たちの世界にいるのでなければ生きているとは言えない。だが理解の方法を改めることはないのだ。するとどういう事態が僕を訪れるか。死者という空虚の場を埋めるものを生きている世界で探さなければならなくなる。探せなければ僕は、投影の光源が自分の未来を照らし出す
もっとみる『(簡易な違約とともに書き逸れていく)鶺鴒追跡』報告 *(slash)
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☨鶺鴒追跡、(slash)
/slash/は、二人の起源を持っており、
一人は水都柳河の造り酒屋に生まれ、
前衛と愛唱とを成立しうる全方位者、
無味無臭な結晶の
そのたびごとの結集と離散である
ただひたすらに任意な形態をとる雪を
林檎の香りを帯びて舗石に降らすことのできる北原白秋であり、
『鶺鴒一册』から始
寺山修司論『液体と規則性』
『1 万華鏡、動悸、向日葵』
*
わたしたちは寺山修司を
迷宮の使者、虚構の錬金術師、
前衛の覇者として信奉し、
ジャンルを越境するに勢いあまって、
五十歳を待たずして
彼岸へと跳ねていった
疾風怒濤の人と理解しながら、
しかし
彼の思惑通りに
置き去りにされている。
それも無理はない。
俳句・短歌といった定型詩から、
メルヘンや歌詞、
フィルムに直接彩色する技法で製作された実験映