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『カンキツ』

朱状の遅滞へと
地平線ははからずも          

         (鳥は首
(空への点滴

陶酔を深めていく


        積乱雲の貝殻、を
        伏せてそこに
         斜線を分割
          できる
          ほどの
          細さを
          持つ
          斜線に
          よって

    限りなく永遠分割していく、青空

       銅板に
       :茜:の一垂れを
       薄めることなく
       等しく拡げていこう
       糸を張り
       天使はそれを抱くだろう



     天体は
        幾何学の楽器、を


        鳴らすために

            地軸の極に空洞を持っている



                      われわれが腹を持つように
                           天体は洞を開け
                われわれが腹を満たす臓器を持つように
                           天体は獣を飼う


    :立獣:よ
      もう十分に、目覚めただろうか


    :眼球:は優しさゆえに
        われわれの物語作者の座に着いた

                 耳のすぐ横に


                        鎮痛の網を織る


           器官を閉じれば ただ縮む痛みよ


            果実のような恥毛は


                 


                      われわれのここそこに育ち





                 瞳孔に遮られた、




               :湖:




          碑のあるなだらかな丘陵は
          自在な謎ながらむしろ
          周期的な錯誤を終了していく




         われわれに
         遠く揺れる
         :柑橘:



              として、


   
       なぜ、、、、、、、、



            まだ青空は、、、、、、、、、




  
        夏を輪唱する、、、、、、、、




            森林でありうるのか、、、、、、、、、、、、 



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