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生きることは祈り【瀬戸しおり】

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どんぐりとまつぼっくり

どんぐりとまつぼっくり

デスクの正面の本立てに置いている、すっかり干上がったように乾燥したまつぼっくり。それと、すでに先端から細いヒビが入ったどんぐり。どんなにうなだれても書くモチベーションを与えてくれるのは、いつもこの2個の古びた木の実だ。

まつぼっくりもどんぐりも、世田谷区にある日本最古クラスの精神病院である松沢病院の資料館近くで拾った。50年間看護人をやり、引退した案内人のおじいさまと2人ぶらぶら新館に戻ってくる

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恋愛を超えた愛の物語

恋愛を超えた愛の物語

あたしはあんたと、どんな物語をつくってきたんかな。出会いから別れまでたくさんのことがあって、泣いて笑って怒っての繰り返しだった。一番愛しているあんたに、気づいたらやっぱり一番泣かされてる。他の男にもさんざん泣かされたけどさ、やっぱり一番あんたに泣かされたよ。だけど、愛してるんだ。これはとっても不思議なこと。
あんたは老いて、あたしは介護するような人になった。どうしてここまで関わっちゃったんだろう。

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乗り越えた記憶は新しい土台の下に潜る

乗り越えた記憶は新しい土台の下に潜る

小説というのは誰かが見なければいけない現実を書くことだ。それは目に見えている世界では虚構かもしれないし、目を反らされた小さな世界かもしれないし、あるいはことばを使えない生き物や現象の世界かもしれない。そういうことを人間の言霊を使って、その誰かが見た現実の文字と魂を揺さぶり合っていくのが文学なのだと思う。

昨日古巣のライティング講座のオンライン同窓会に参加したのだが、なんだかつまらなかった。何がつ

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ヨハネの黙示録を読まなきゃわからないよ!聖書のラスト「神の裁きと愛」

ヨハネの黙示録を読まなきゃわからないよ!聖書のラスト「神の裁きと愛」

キリストの救いとはなんであろう。
受洗して2年が経とうとしている。求道から数えたら15年も経つのに、私は「キリストの救い」がいまいち理解できていなかった。それはあの膨大な聖書の世界観を知らなかったことも大きい。
聖書は66巻に分かれている。このうち65巻までは過去のものだ。すでに終わったもの。成就されている。この65巻までの最初から最後までが編纂されるまで2000~3000年もの時を隔てている。こ

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神の約束:どんな過去もいいものに転じる

聖書には6千もの神の約束があると言われている。そのなかで私が最も好きな箇所とは、新約聖書ローマ人への手紙8章28節だ。

「神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。」

この御言葉は私の心をはなはだ打つものであった。平たく言えば「どんな過去も神はよきものに変えてくださる」という約束だからだ。
私の過去というものはプロフィールに乱書きしているように、辛いことが多かった

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刑務所を見学して

刑務所を見学して

昭島市にある成人矯正医療センターへ行く。名前からはわかりづらいのだがこの施設は刑務所と少年院の併設した施設だ。名称が〇〇刑務所となっていないのは地元住民や自治体の反対があったからというのが大きな理由らしい。

私にとっては初めて刑務所内部に入った体験だった。ここの刑務所が他の刑務所と違うのは病院刑務所だということである。透析や感染症を持った受刑者がここに来る。ICUが6床、手術室も3室ある。透析は

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コロナが教えてくれた愛される喜び

コロナが教えてくれた愛される喜び

世界が壊れていく。あり続けると思っていた企業が倒産し、働き続けると思った警察官や医療従事者が何百人も自宅待機となり、道端をにぎわせ続けると思っていた飲食店が次々と閉店し、ボロボロ、ボロボロとペンキが剥げていくように壊れていく。これまで見ていた世界のほうがまるでファンタジーのようだ。まるでカラフルな玉ねぎが一個あったとして、その皮が一皮、また一皮と剥がされていく。そんな世界だ。

その玉ねぎの中心に

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三浦光世さんに示された愛

三浦光世さんに示された愛



ここに一通のハガキがある。故・三浦綾子氏の夫、三浦光世氏が天に召される2年前にいただいたものであるから、私は大切に聖書に挟んでいる。

このとき私は求道中の身だった。25歳からゴスペルという音楽に出会い、それから1年に1回ほど教会にコンサートでおじゃまさせていただくようになり、「逆立ちしてもクリスチャンにはなるまい」と思っていた私がクリスチャンになっていた。洗礼を受けたのが2019年だから、求

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政治家が倒れても国は回る。医者が倒れたら回らない。

政治家が倒れても国は回る。医者が倒れたら回らない。

片頭痛の薬をもらうためだけに行っている近所の内科の診療所だが、昨日も二か月ぶりに訪れて、思わず
「お疲れっすね……」
といつも私を診てくれる担当医の先生に言いたくなった。診療所なので2~3人の医師が常駐しているのだがこの先生と私は、歳も近く親しい。

初めてコロナの話をしたのは今年の3月ころで、
「今ヘンな風邪が流行り始めたから気を付けてね。うちにもちらほら来るようになったよ」
と聞いていた。まだ

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フィリピンと日本の自殺者の特徴の差

フィリピンと日本の自殺者の特徴の差

契約社員の友達がコロナ禍で契約切りとなり、無職となってしまった、ということを英会話をオンラインで習っているフィリピン在住の先生に言ってみた。
「しおりはその友達に、お金をあげたの?」
と言われて驚く。
「フィリピンだったらそういう困った友達に会うと、すぐにお金をあげるよ」
と。私は、
「何もしてないよ。日本では現金をあげることは失礼になるの」
と結局何もしてあげられていないことを自分で自分に確認す

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ななさんご

ななさんご

スタジオアリスに午前11時に到着。店舗の自動ドアを潜るとすでに熱気でもわっとする。着物を着た母たち、ドレスを着た子供たち、手持ちぶさたな父親たちと、忙しく動き回るスタッフたちの吐息が充満して生温くて気持ち悪い。
大声で子供のテンション上げつつ「はいこれなあにーーー!?」などとシャッターきる女性カメラマンの声が南国の熱風の中にかいくぐるようなワンフロア―だ。

衣装レンタルのみを頼んでいた我らはとっ

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コロナって結局何なんだ?

コロナって結局何なんだ?

最近また、コロナウィルスがよくわからなくなってきた。というよりも、コロナとはもはや何かのシンボルのように思えてきた。
2020年突如人間界の人目にさらされることになったコロナウィルスって何なんだろう。

年明け、武漢で新型コロナウィルスがくすぶり始め、WHOの医師などがワイド番組で日本に上陸したらまずいと警鐘を鳴らし始めたとき、私が最初に思ったのは人間のおごりだった。まずウィルス名に「新型」という

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毎日俳句の書き下し

毎日俳句の書き下し

★父のいない父の体や秋気澄む

吸いこむのが美味しい晩秋らしいひんやりと透明な空気。一呼吸一呼吸、吸って吐いてを繰り返すたびに体の隅々がクレンズされる。畳の布団に横たわる白装束を着た父は、もう動くことはない。そんな秋という季節に守られるように、旅立った。

感情は生きている

感情は生きている

人は乗り越えてしまった過去の感情というものは案外ときれいさっぱり忘れている。私の場合で言えば、最近文学を本格的に学ぶことになり十ウン年前に出版した自伝と切っても切り離せないため(今から思えばよく商業出版できたよなと思う。。)、久しぶりにメルカリで自分の本を買って読んでみたのだがw、この本がグロイ、重い、気持ち悪くなる…という感想を持たれるのも仕方ないな、と思った次第だ。ある程度私はそこは狙って書い

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