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しま子の読書日記

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2024年〜の読書日記。 主に図書館を利用しています。
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記事一覧

131.読書日記/リサ・ガードナー「夜に啼く森」、シゴトがイヤになった時に読む本

131.読書日記/リサ・ガードナー「夜に啼く森」、シゴトがイヤになった時に読む本

今日、noteを始めて6ヶ月だというお知らせ(?バッジ)が届いた。14年やってるXはもうイヤになっているけど、noteは案外気に入って続いている。

D・D・ウォレンシリーズ「無痛の子」「棺の女」「完璧な家族」「噤みの家」に続く邦訳5作目「夜に啼く森」を読んだ。2023年9月初版。ジョージア州の山道で白骨死体が発見され、その身元が判明したところから物語は動き出す。
ボストン市警の部長刑事D・D・ウ

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125.読んだ?新潮文庫の100冊ほか

125.読んだ?新潮文庫の100冊ほか

いつもは図書館派ですが、お誕生月でもあるし新刊本を買おう!夏らしい読書しよう!〜と本屋さんをぶらぶらしていて、結局、貧乏性が先にたって何も買えず。その時に新潮文庫の100冊の棚を見つけた。まだやってたんだ!中高生の頃、PRの冊子をもらってきて読んだ本にチェックつけて、読んでない本を探して読んだりしてた。その本屋さんで冊子は見つからなくて、今どきWEBだよね、と思って検索したらありました。

もう知

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106.読書日記/「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」

106.読書日記/「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」

この前、「週刊文春」のマーガレット酒井こと酒井順子さんの「私の読書日記」で、

と紹介されていた。ちょうど大河ドラマ「光る君へ」にハマって面白く見ているし(昨日の「あさイチ」のプレミアムトークのゲストが清少納言役のファーストサマーウイカさんでしたね。そして明日の放送は選挙速報でお休み)、北欧ブームもすっかり定着して、マリメッコのマグで毎朝コーヒー飲んでるし、面白そうだと思ってデビュー作の方を図書館

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101.読書日記/文春ミステリーに騙された…ほか、イギリスの違った印象

101.読書日記/文春ミステリーに騙された…ほか、イギリスの違った印象

海外ミステリを読むのに、最近は文春のミステリーレビューや12月に発表される年間のベスト10を参考にすることが多い。
2021年の年間ランキング2位のホリー・ジャクソンの「自由研究には向かない殺人」、高校生の女の子ピップが殺人事件を解決するお話で、それなりに面白く読んだ。2022年ベスト10に続編の「優等生は探偵に向かない」が入っていたけど、続編はもういいか、とスルーしていた。だけど2023年にその

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096.読書日記/はじめてのスティーブン・キング、「ビリー・サマーズ」

096.読書日記/はじめてのスティーブン・キング、「ビリー・サマーズ」

「食わず嫌い」ならぬ「読まず嫌い」で、今までスティーブン・キングの本を読んだことなかったのですよね。若干天邪鬼な性格もあって、超人気娯楽小説に印税を進呈するのが気に入らなくてw それでも「キャリー」「ミザリー」「ショーシャンクの空に」の映画は見ました。「ショーシャンク」は映画館で見たな〜。

もうすっかり図書館派になりましたし、「週刊文春」のミステリーレビューで新刊を知って、迷わず予約して読みまし

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089.読書日記/オリーブ少女のなれの果ての雑誌遍歴と統計と語り

089.読書日記/オリーブ少女のなれの果ての雑誌遍歴と統計と語り

図書館の、返却済みだけど元の書架に戻る前の一時置きの「この図書も借りられます」棚で、酒井順子さんの雑誌「オリーブ」の歴史を振り返る『オリーブの罠』を見つけてしまった。こんなん読んだら、また懐かしさが爆発するに決まってるやん〜と思いながら、やっぱり借りてしまった。
懐かし本の上、さらに2014年発行の今から10年前の本だった。

酒井さんといえば、一般の方にはうっすら『負け犬の遠吠え』の記憶が残って

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086.読書日記/「挑発する少女小説」「この30年の小説、ぜんぶ」

086.読書日記/「挑発する少女小説」「この30年の小説、ぜんぶ」

先日、斎藤美奈子さんの本を読んで懐かしく、図書館で蔵書検索してまた借りてみました。ところで、お名前、「斉藤」さんじゃなくて「斎藤」さんの表記が正解でした。067の記事、間違ってたので修正しました。ごめんなさい。

で、まず「挑発する少女小説」です。
「小公女」「若草物語」「ハイジ」「赤毛のアン」「あしながおじさん」「秘密の花園」「大草原の小さな家」シリーズ、「ふたりのロッテ」「長靴下のピッピ」の9

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069.読書日記/ガルシア・マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」と私の思い出。

069.読書日記/ガルシア・マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」と私の思い出。

例によって、図書館を彷徨っていて、海外文学の書架でガルシア・マルケスの「わが悲しき娼婦たちの思い出」を見つけた。2006年に出版されている。本の見返しに「90歳を迎える記念すべき一夜を処女と淫らに過したい!」と言う帯の惹句を切り取ったものが貼られており、なんとなくゴーギャン的な嫌な感じもしたのだけど、ガルシア・マルケスは割と好きな作家なので借りてみた。

高校生の頃、「百年の孤独」とか「予告された

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067.読書日記/懐かしの斎藤美奈子さん

067.読書日記/懐かしの斎藤美奈子さん

図書館のミニコーナー(お薦めコーナー?)で、斎藤美奈子さんの「出世と恋愛 近代文学で読む男と女」(講談社現代新書 2023年)を見つけた。フェミニズム系の文芸評論家さんで一時期よく読んでいました。しかも本屋さんで買って読んでいたのだ!

上野千鶴子さんや小倉千加子さんの本も読んでたけど、斎藤美奈子さんは怖そうなオバサンじゃなく、フェミニズムの視点を持った書評で、日頃モヤモヤしているところをぶった斬

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066.読書日記/「ザ・メイデンズ」と連想ゲーム的雑感

066.読書日記/「ザ・メイデンズ」と連想ゲーム的雑感

4月に読んだ「サイコセラピスト」のアレックス・マイクリーディーズの二作目、「ザ・メイデンズ ギリシャ悲劇の殺人」を読んだ。後半に「サイコセラピスト」の主人公、セオが登場するお遊び的な場面もあって、先に読んでおいてよかった。
※感想の中でストーリーに触れるところがあるかもなので、未読の方はご注意ください。

「ザ・メイデンズ」は、ねっそりした孤独なセラピストのマリアナが主人公。親の遺産を継いだ大金持

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054.読書日記/クドカンと山本周五郎「季節のない街」(追記あり)(さらに追記あり)

054.読書日記/クドカンと山本周五郎「季節のない街」(追記あり)(さらに追記あり)

宮藤官九郎という若き才能が、初めて映画の脚本を担当した「GO」という作品が公開されると聞いて、映画館に見に行ったのは23年前(wikiで調べた)。映画の主人公の実家の雑然とした様子が、まるで我が家でロケをしたかのような似具合で驚愕した記憶しかなくて、ちょっとYouTubeで検索してみたら、映画1本丸々上がっていて(広告もついてた)、23年ぶりに見てもやっぱり昔の我が家みたいで懐かしかった。
それか

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049.読書日記/多田多恵子さんと道草さんぽ

049.読書日記/多田多恵子さんと道草さんぽ

植物観察を始めた頃からよく読んでいるのが多田多恵子さんの本。身近な草花を紹介する本はたくさんありますが、その中でも面白いし、オジサンの書いた本だと野の花を突然「彼女たちは〜」とか呼んで女の子扱いして興醒めにしてくれたりするんだけど、多田先生の本にはその心配がありません。

で、その多田さんご出演の「趣味どきっ!道草さんぽ・春」のアンコール放送が4月から始まっています。たまたま初回の昼の再放送を見ら

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048.読書日記/ゴーギャンを非難するための読書

048.読書日記/ゴーギャンを非難するための読書

先日読んだミシェル・ビュッシの「恐るべき太陽」の舞台がゴーギャンが晩年に暮らしたヒバオア島だった。ゴーギャンの名前もチラホラ出てくるし、割と好きな画家であるし、少しネット検索してみた。30半ばで画家を志し、妻子を置いて制作のためタヒチへ。14歳(!?)の現地妻×2、その他大勢とも関係を持っていた。パリで梅毒に感染していた上で。これって、言語道断、極悪非道ではないか?と思って、興味を持って本を数冊読

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041.読書日記/ついつい読んじゃう健康食本と実践献立

041.読書日記/ついつい読んじゃう健康食本と実践献立

以前はそうでもなかったのですが、コロナ渦中に一時期、健康食本にハマったことがありまして、「食べる投資」「何をどれだけ食べたらいいの?」「健康長寿の方程式」「免疫力を上げる食事術」などなど、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」も買って読んでました。いろいろ読んで、ある程度満足したのでみんなメルカリで売ってしまいましたが…。
これから時々実家にゴハンを作りに行ったり、父に食事療法的なアドバ

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