漢字で『癌』と書くのと、ひらがなで『がん』と書くのと、どちらが賢く見えるでしょう｜意味を知って敢えてひらがなを使うとき
テレビ番組『東大王』や『Qさま』の影響か、難読漢字が流行っています。
また、ひらがなで書くより、漢字を多用した方が知的に見えたりします。
でも、なんでもかんでも漢字で書く行為は果たして正しいのでしょうか。
ある職場で働いていたとき、わたしよりも3ヶ月早く入職し、わたしよりも3歳くらい年下の人がなにかとマウントを取ってきては、同僚たちを下に落とそうと画策していました。
正直に言って、リーダーシップを取りたくなかったので
「どうぞ、どうぞ」
と、いつも≪前≫をその人に譲っていました。出世や高い給料よりも、万年平社員の安月給の方が、責任が少なくて自由な立場で楽だと思ったからです(ええ、ズルい人間です)。
あるとき、なんの仕事の話の流れなのか、わたしがメモ紙に≪がん≫と書きました。肺がん健診・婦人科がん健診・大腸がん健診や、CMでお馴染みのがん保険などで使われるアノ≪がん≫のことです。
すると、そのメモ紙を横目でチラッと見た彼女が、突然大きな声で
「シイラさん、漢字で≪癌≫も書けないの～?!」
と、まるで鬼の首を取ったかのように言い始めました。わたしは
「ひらがなの≪がん≫と漢字の≪癌≫の意味の違いはよく分からないんだけど、この場合はひらがなで≪がん≫って書くほうが正しいらしいですよ。国立がん研究センターも病院に大きく≪がん≫とひらがなで掲げられているし」
とやんわりと言ったつもりでした。あなたも、ニュース番組などで有明などにある国立がん研究センターの看板を見たことがあると思います。
しかし、彼女が次につぶやいたセリフは
「国立がん研究センターなんて、知らねぇし」
でした。いやいや、さすがにそれはないでしょ?! テレビのニュース番組や健康番組でその名はよく聴きますし、新聞やSNSでも見聴きします。いくらマウントを取りたいからと、なんでもかんでも他人の言動を全否定して上に立とうとする行為は、ただただおのれの無知を露呈するだけではなく、融通が効かない人だと思われるだけで、百害あって一利なしだと思うのです。
実際、近くにいた上司が、彼女の顔を横からあきれたように冷ややかな表情で見ていたのが忘れられません。
ちなみに、≪がん≫と≪癌≫との違いは、いろんなサイトで専門家がまとめていてくださっているので、それらを読むのが間違いないと思うので、わたしは敢えて自分の記事には書きません。ここでも、責任を取っていませんね。ズルくてすみません(汗)。
他人が簡単な漢字をひらがなで書いたときは、バカにする前にちょっと立ち止まって意味を考えてみるのも良いかもしれません。そこには特に意味がないこともあれば、深い意味が存在することがあるかもしれないからです。
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