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一人時間

朝8時。マンションの修繕をしている最中、遮光幕が貼られていて全く朝日を感じずに起床した。顔を洗い髪を巻き化粧をしたら、手帳を開き今日のやる事リストを確認。最近この流れが出来つつある。

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①クローゼット内の衣替え

②伊豆に向けての仮パッキング

③コートの毛玉を取る

④不足品の買い足し(ドラックストア・本屋に寄る)

⑤キーマカレーを作る

⑥noteを投稿する

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誰とも会う予定のない休日なんてこんなもんだ。何一つとして字体にしてみたら地味なことばかり。「クリスマス目前に26の女がこんな生活をしていて良いのか」と、我ながら車を運転しながら自問自答したけど「これで良い」という結論に至る。奇妙なことに世の中イルミネーションキラキラモードの時期に人肌を求めているわけじゃないようだ。そんな今は④まで終えてカフェでクリームチーズケーキを頬張っている最中。地味だけど地味なりの幸せを感じている。

誰とも会わない休日にはよくここのカフェに来る。と言っても3週間に1度くらいだけど。車で15分かかるのにも関わらず、居心地が良くてひっそりと通い続けている。地元といえば地元だけど、学生時代の友人達は実家を出てしまっているから誰にも鉢合わせない。知っている場所なのに私の知っている人は誰もいない寂しさと、ゆったりできる場所を一つ持っていることの嬉しさがある。だから私はこの場所を誰にも言っていないし、Instagramに投稿なんてことはしない。独り占めだ。

この時間、お店の中を見渡せば私と同じように、一人で過ごす人が多いように見受けられる。誰もが周囲を気にする事なく自分の時間を心地よく過ごし、店内には眠くなりそうな「LOfi」な感じの音楽がかかり、コーヒーを抽出する音がまた幸せの音だ。

人と一緒に過ごすことは大好きだけど、同じように一人で過ごす時間も大好きだ。
ほとんどの人がそんな当然のことを口に出さずとも、一人の時間を求めている。寂しいとか恋人欲しいとか思わないことはないけど、でもそれ以上に本当に求めていることが分かっている。とにかく休める時間を作り穏やかに過ごしたいのだ。

誰かと笑い合い涙することは絆となり二人の記憶になる。でも一人でこっそり笑い、泣くことにだって必ず価値がある。みんながみんな同じタイミングで優しくいられる世の中じゃないから傷つけあってしまうけど後悔し、優しさを取り戻すために人に合わないという選択肢もありだと思う。

その一人の時間は私の経験上、通退勤時の電車の中での一人とは訳が違う。くたくたに疲れた脳みそでぼんやりと窓の外を眺める気持ちと、今まさに余裕を手にした状態でお店の外を眺める気持ちは対極にある。人の声や新聞を捲る音が癇に障る電車内ではイヤホンをしてシャットダウンしてしまうけど、この場所ではイヤホンしなくてもイラっとするノイズは何一つとしてない。

落ち着ける場所で本当の自分を取り戻す作業。冷静な自分に戻る作業。
リラックスをできる場所に出会うことは、なかなか難しい。そして出会ったとしてもいつか「何かが違うな」と思うことだってあるだろう。それは悲しいことじゃなくて価値観の成長でもある。だからそんなことが何回起こっても良いから、今の自分に必要な場所、今の自分が求める場所に出会えた時の幸福は、きっと好きな人の匂いを良い匂いと思うことと同じような感覚なんだろうとすら思っている。

可愛いハンバーガー屋さんを見つけた。今度行ってみようと思う。知っているはずの地元、でも知らない地元の面を見つけることも、また新たな幸せだと思う。


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