記事一覧
ポストモダン焼きとしてのそば飯〜鉄板の上の哲学史
*この原稿は2014年に発刊された「関西ソーカル vol,2」<http://onomatopedaijin.com/socal/vol2/>に掲載されたものをそのまま掲載しています。また、原本にあった…
花はグレートマザーなのか?〜「おおかみこどもの雨と雪」評
「おおかみこどもの雨と雪」は2012年似公開された細田守監督による劇場版長編映画第2作。そして現在において細田守の最高傑作である。
細田守作品というのは、公開されるやいなや賛否が分かれる事が多い。その一因として、氏の作品における「一面性」がある。彼のアニメーションにおいて影がなくフラットに描かれる登場人物のように、作品に登場する人物や場所には、予め「意味」と「価値」が前提としてあり、まるでそれ以
シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖読解:「福音書」としてのエヴァンゲリオン
序「シン・エヴァンゲリオン劇場版:‖」を初日に観てきました。作品の細かい感想は後ほどに書くとして、観ながら思ったのは、エヴァンゲリオンとは、文字通り「福音Evangelium」についての話だったということでした。今回、「福音」という部分に着目することで、エヴァンゲリオンを観てきた皆さんの思考の一助となれば、まあ当時雨後の筍のように出た「謎本・考察本」の類だと思って読んでいただきたい。
福音書とは
「花束みたいな恋をした」に仕掛けられた坂元裕二の「罠」について
※本作は作品およびある作品の決定的なネタバレを含みます
「最高の離婚」「カルテット」などの近作のドラマ脚本によってほとんど神格化に近い評価を得ている坂元裕二脚本による映画である本作。
簡単にあらすじを説明しておこう。東京の大学に通っている麦は、あまりキャンパスの中では存在感がないがイラストレーターの夢をぼんやりと持ちながら自分の趣味の世界に浸って生活していた。一方絹も、ラーメンブログをやりつつ大
少し暇そうにしてるキャラを連れ出したい〜ハルヒ・あまちゃん・まどかマギカ
(本作は2016年に「invert. vol.2」のために寄稿した文章の再掲です)
えっと、神野龍一です。以前twitterで「キャラの事を語りたい!」とつぶやいていたらinvertに寄稿させていただくことになりました。よろしくです。ちなみに、これは相手にファミレスで語りかけているような文体を用いて書いていくので、こういう語り方になっています。
ということで僕はキャラについて語ります。今、例えば
ポストモダン焼きとしてのそば飯〜鉄板の上の哲学史
*この原稿は2014年に発刊された「関西ソーカル vol,2」<http://onomatopedaijin.com/socal/vol2/>に掲載されたものをそのまま掲載しています。また、原本にあった注などを削除しているため、ぜひお読みになりたい方はご注文ください
この論文では神戸のソウルフードである「そば飯」をポストモダン焼きとして提示することで、プレモダン焼きからモダン焼き、そしてポス