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テレビ、インターネット、ライブ 2005-2020/音楽の履歴書

とにかく自分語りをできない人間なので、もはや自分語りをしないという自分語りをしているのではないかという気もしてきたこの頃。自分語りにぴったりなタグを見つけたので乗っかりつつ自分なりの自分語りをする所存。

創世期:2005年(小6)

小学校時代は基本的に任天堂ゲームとレゴブロックとボボボーボ・ボーボボに明け暮れた日々だったのだけど、2005年に小学校6年生ともなるとみんなプレステだし、少年ジャンプもボーボボ以外をみんな読んでて。こりゃ皆と共通言語がねえぞという焦りから、その頃流行り出した音楽に目を向けたのです。そこで隆盛を誇っていたのがORANGE RANGE。ヤンキー予備軍みたいな子から、地味目な層までまるっと取り込んでしまったあの世代の代表格。勉強的に聴き始める中で、「MUSIC STATION」を観始めたわけだけどそこでトンガリキッズ「B-DASH」に出くわしてしまったのが全ての始まりです。

任天堂大好き少年だった僕はスーパーマリオのBGMに乗せて歌を歌っているだと、、??(その頃はサンプリングなんて言葉知らなかった)と衝撃を受け、気が狂う程聴きまくった記憶。それを入口にMステを毎週見ては気になる曲をゲオに借りに行くルーティーンができ、MDに録音して溜め込む営みを始めていく。2004年のM-1グランプリを偶然観たことでお笑いへの興味も湧いてたので「うたばん」や「HEY!HEY!HEY!」に浸かるのも非常に速かったし、情報源は尽きない。あっという間に給食タイムに掛ける音楽を担当するDJ的役割を担うようになり、周囲との共通言語としての音楽を得たのです。

茶の間の音楽の中にも、ORANFE RANGEを始めとしてポルノグラフィティやMr.Childrenなど好きなグループはいたのだけど、同時に自分の中で「あれ、ここじゃないかも」という気分はほんのりとあって。同時期に伝来したインターネットという更に刺激的な場所でのカルチャー探訪も行っていた折、今の礎となるバンドとの出会いを果たすのです。2ch/フラッシュ動画の大流行の最中(「電車男」があったのも2005年です)、BUMP OF CHICKENが突如として僕の目の前に現れたのでした。当時のインパクトはこちらの記事にも書いたけど、今思い返しても初めて「ラフ・メイカー」聴いた時の衝撃ったら。

歌詞の深み、というのを意識し始めたのもこの頃。早めの中2病と捉えてもらっていいと思う。そして2005年、今なお続く最大級の出逢いとしてはやはりASIAN KUNG-FU GENERATION。7月頃に妻夫木聡が出てたauのCMで「ブラックアウト」を聴いて以来、ずっと耳に残っていたバンド名。主催フェス、ナノムゲンのコンピレーションという、当時は全単語が意味不明のアイテムでしか聴けなかったのでもどかしい想いをしたのだけど、11月に「ブルートレイン」が出てようやくアジカンと本格的な接触を果たしました。イントロ長!歌詞に漢字多い!かっこいい!みたいな偏った聴き方してたなぁ。

地固め期:2006~2008年(中学)

アジカンが『ファンクラブ』(ここでやっと「ブラックアウト」のフルを聴けたのよ)を出したのを皮切りに、アジカンをどんどん好きになっていく時期が来ました。ゴッチのブログを隈なく読み、ディスコグラフィーや共演歴、Wikipediaの"エモーショナル・ハードコア"の欄に載っているバンドをどんどんチェックしていく開拓期へと突入。ここでフジファブリック、ストレイテナー、ELLEGARDEN、ランクヘッド、GOING UNDER GROUNDといったゼロ年代ギターロックへと嗜好が地固めされていきました。2005年末付近に赤い電車を走らせてたくるりや、粉雪を降らせてたレミオロメンも愛聴してた。

アジカンやBUMPはテレビの歌番組に出ない、、という確信を強めたこの時期。そんなアジカンやBUMPがインタビューで出るということで大切な存在だったJAPAN COUNDOWNのオープニングで「ELECTRIC SUMMER」とともに出逢いを果たすBase Ball Bear。当時は女子が1人いるだけで新鮮に感じていた。そこに紐づいてチャットモンチーやシュノーケル、更に雑誌B-PASSを経由してRADWIMPSといったゼロ年代中期組を続々聴き始める。2006年秋にはアジカンのアリーナライブで初ライブ参加を果たし、そこでSPECIAL OTHERSとPOLYSICSにも出会っていたのだけど彼らにハマるのはまた後のこと。

ラジオ「アジカンLOCKS!」を聴き始めたことで、自動的に「SCHOOL OF LOCK!」へと入学するに至ったのも中学時代。monobrightや9mm Parabellum Bullet、マキシマム ザ ホルモン、BEAT CRUSADERS、DOESなんかもこのぐらいでどんどん出会っていきます。2008年から始まった10代限定のバンドコンテスト「閃光ライオット」は2010年代への橋渡しだった。Galileo Galilei、ねごととの出会いもここ。あとはザ・クロマニヨンズのデビューもあったのでハイロウズとかブルーハーツも聴き、スピッツやユニコーンもルーツに挙げているバンドが多くて聴いたり、割と真面目で勤勉なリスナーだったなぁ。

すっかりテレビに出ているアーティストを聴かなくなった結果、当然弊害も起きていきます。自分の好きな音楽を周りが聴いていなさすぎて、共通言語がどんどんなくなる事態。代わりにバラエティ番組とかが取って代わったのでそこまで困りはしなかったけど、自分の好きなものが1番イイと思っている奴だったので、アジカンやベボベが全く聴かれてない事実に静かに憤り、テレビから流れる言葉の分かりやすい応援歌的なJ-POP、歌って踊るアイドルグループなんかはどんどん受け付けなくなっていきました。そんな中Mステにストレイテナーが出て「TRAIN」を歌ったあの日は今も胸に焼き付いてる。

大トガリ期:2009~2011<高校>

J-POPはクソというスタンスを保ったまま高校時代、尖りまくって本当にろくでもなかった気がする。そんな折にthe pillowsのベスト盤が出た結果、影響されてどんどん唯我独尊的になっていっちゃうし、2009年は今なおオールタイムベストなベボベの『(WHAT IS THE) LOVE&POP?』とフジファブリック『CHRONICLE』が出て、この名盤を聴いてない同級生たちって、??なんて良くない思想に至りかけたり。なんなら大好きだったギターロックすら飽きてきてポップめなメレンゲとかを聴き始めた。なのでこの頃売れつつあったユニゾンやミイラズは一旦スルーして、後からハマリ直すことになります。

この時期は2010年代周辺、様々な個性的なバンドを聴き始めた。主な情報源はロッキンオンジャパンやMUSICA、そしてSOLに加えて、重要だったのがゴッチの存在。avengers in sci-fi、SISTER JET、モーモールルギャバンなんかはアジカンの対バンライブのラインナップに入っていたから聴き始めたし、ゴッチのブログで紹介されていたからサカナクションやceroにも出会えた。あと2010年初期で思いつくのはandymori、the telephones、相対性理論、凛として時雨。時雨が1位を獲った時や、サカナクションがバッハでMステに出た時とか、ロックバンドが茶の間に侵入しつつある感じに興奮していた記憶。

2010年に入ってからはもうYouTubeとTwitterが大きな情報源になっていったなぁ。関連動画を辿って好きそうなバンドを見つけるムーブが定着。あと、塾通いもあって天神とか都市部へのアクセスがしやすくなった結果、大型のTSUTAYAへ行ってインディーズバンドのアルバムを借りまくっていた。アーバンギャルド、ふくろうず、SEBASTIAN X、のあのわ、N'夙川BOYS、ピロカルピン、住所不定無職。あと1stを出したばかりの星野源につられて、アコースティックっぽいシンガーもいいなぁと思い始めた時期かも。斉藤和義とか山崎まさよし、ハナレグミ、、結果ポップスへと寄っていく時期でもある。

そしてこの時期で最重要なのがドラマ「モテキ」。ここで使用されていた音楽は大きく聴く音楽の幅を広げたように思う。ナンバーガール、小沢健二、岡村靖幸、YUKI、スーパーカー、電気グルーヴ、、、モテキ関係ないけど中村一義とかGRAPEVINEとか、興味を持った90年代をごっそり聴いた。特濃のサブカルチャーを添加され、「モテキ」のルサンチマンに感化された結果、どんどん面倒なやつになっていくのです。ドラマとか映画とかの好みも定まってきて、今の人格はほとんどここで形成されたのでしょう。基本的に勉強漬けだった割には、ちゃんとツボなコンテンツを選び取れてたなぁ。優秀!

拡張期:2012~2017年(大学時代)

2012年に大学に入って、自由も増えた結果とにかくライブに行く本数が急増して。その頃、シーンの隆盛もあって自分の中にギターロックブームが再燃します。筆頭はクリープハイプ、The SALOVERS、アルカラ、tricotあたり。対バンとかツアー、フェスやイベントで九州にやってくるバンドを予習として聴く、というような感じで色んなバンドを仕入れていった時期。あと相変わらず雑誌やネットが情報源なのだけど、その中でも米津玄師ときのこ帝国はかなり新しい風を吹かせてくれた。完全にインターネット発の音楽とめちゃくちゃスローテンポなバンド音楽。好みの拡張がどんどん進んでいった。

この時期は夏フェスブーム。福岡のNUMBER SHOT、山口のWILD BUNCH FESTに毎夏行ってた。四つ打ちロックとかフェスロックとか括られてたけど、いいものはいいし、よくないものはよくない、と自分の好みが絞られたからこその聴き方をしてた。中でもKANA-BOONやSHISHAMOは定期的に名曲を残してくれるし、04 Limited Sazabysはエルレ以来にパンクロックの扉を開けてくれた。ただやっぱりその世代でもどこかフェスブームにノリきれてないバンドが好きで。赤い公園、パスピエ、東京カランコロン、アカシック、LILI LIMITなど。その一環でUNISON SQUARE GARDENも大好きに。

ももいろクローバーZに端を発し、アイドルブームも巻き起こった。あんなに嫌悪感を抱いていたカルチャーにもあっさり陥落。旧BiS、でんぱ組.inc、Negiccoに触れつつ、2014年突如として私立恵比寿中学の沼へと落ちる。この頃のTwitter、ほぼ毎日何かしらエビ中の話をしてた。それ以降はスタダアイドル信仰を強める。チームしゃちほこ、たこやきレインボー、2015年には住んでる福岡でばってん少女隊も発足してテンション上がった。この辺でガールズポップへの偏見も薄れて、南波志帆とか花澤香菜とかも自然に聴けるようになった。あとこの頃夢中だったのは大森靖子。何もかも新鮮だった。

この時期、シーン的なムーブメントと言えば所謂シティポップとラベリングされていたバンドたち。Yogee New Wavesとかnever young beachはライブで観て大好きになったけどシーン全体としては大々的にはハマれず。なんで四つ打ちをバカにしてた人たちがブラックミュージックのリズムだけをやってるバンドは評価してたのか理解できなかったな。ただ、フレンズだけはやっと見つけた!という感じで今も大好き。ラップ、ヒップポップで大好きと言い切れるのはEnjoy Music ClubとかPUNPEE、あとtofubeatsくらい。一時期はdaokoとか泉まくら、術の穴関連の三回転とひとひねりも好きでした。あとザ・なつやすみバンドはジャンル云々関係なく毎夏の定番バンドでした。



現在(定着期?):2018~

2018年に就職して使えるお金も増え、福岡市内に引っ越した結果どんどんライブハウス通いを進めていく。ほぼ毎週行ってた。シーン的にはロックバンドの存在感が薄れゆく中でも、結局バンドが好きだな、、という自覚を強める形になった。teto、ナードマグネット、羊文学、MONO NO AWARE、ズーカラデル、Homecomings、ネクライトーキー、 For Tracy Hydeなどなど。2018年からApple Musicに登録してようやくサブスクの素晴らしさに目覚め、気になる作品に気軽に触れるようになった、、のはいいんだけどひと作品を聴き込むという楽しみ方をしなくなった点は今後の課題と思ってます。

スカートやカネコアヤノ、眉村ちあきといったソロシンガーも好きな人が増えていった。まぁ結局、良い歌と良いメロディがあるというのが好みの大前提だというのは定着したことは間違いない。スタダ一神教からは抜け、sora tob sakana、lyrical school、Maison book girlも嗜むようになったし、これもサブスクの恩恵だと思う。あと、普通に流行ってる音楽をいつの間にかちゃんと聴けるようになった。流行とツボが合致したとも言えるし、星野源以降のシーン立て直しが効いたとも言える。だってKing Gnuもあいみょんもちゃんとイイもんなぁ。今だったら、もっと同級生たちと話が通じるだろうか。

大学時代半ばから、音楽の感想をネット上に公開することはしていて。最初は共同投稿ブログを使わせてもらってたけど、2018年からnoteを始めて拠点にしてみた。音楽批評を学んだわけでなく、好きな所を語るような感想どまりだけど、2019年にはnoteの投稿企画をきっかけにReal Soundにも書き始めるようになって、、とラッキーパンチながら今後も磨き続けていきたいことが出来ました。野良ライターですけど、好きという気持ちを書き続ければいいことあるかも、と思えたし、今後も思いたいのでnoteは是非とも今後もいい居場所であって欲しいぞ!アジカンのゴッチにRTされたの一生の思い出。

さて2020年。遂に仕事も本格化した矢先のコロナ禍。当たり前のように行きまくっていたライブエンタメを奪われたことで、強迫的にコンテンツを摂取していた状況は少し軽くなった気もいるし、オンラインという楽しみ方に加え、貴重な現場での楽しみはもっと大事に出来るようになった気がする。最近はELLEGARDENとかナンバーガールとか、まさか実際に観れるとは思えなかったバンドのライブを観れたり、生きてりゃいいことあると実感すること増えた。これからライフスタイルが変わっていく中、音源もライブもオンラインも現場も包括して楽しめるような音楽好きであり続けたい、末永く!

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