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2020年10月の記事一覧
13 雨が上がる頃に
ありのままを好きになってくれないなら、ありまののを隠せばよくない?
10年ぶりの恋を捻じ曲げて友情にした しがないは、1ヵ月後にその婚活男友達と2回目のお茶を控えていた。
あと1ヵ月で彼氏を作ってやる。絶対に。「彼氏できたよー♪」って2回目のお茶で言ってやる。それがせめてもの抗いだ!
心の中に何にかはわからないリベンジを燃やし、いろいろな人と会い続けた。…が、一向に彼氏ができない…。なぜだ…
12 TSUNAMI
やっぱり友達でいましょう…。
世界一貞操観念が重く、体重も重く、恋心も重い30代半ばのしがないOLの願いが天に届いたのか、鬼畜のロマンスの神様が気まぐれを起こしてくれたのか、東京大神宮へのお百度参りがきいたのかはよくわからないが、10年ぶりの恋をしたその人から返事が届いた。
「僕のことを好きなのはわかった」
「ただ、まだ1度会っただけだからお互いわからないこともたくさんある」
「だから、まずは
11 頬を濡らす雨のように
振られたらきっと死んでしまう…そうだ、私からサヨナラしよう…
ゴールデンレトリバー風だったその人は、『女落としゲーム』を楽しんでいた人、巷でいうところの『最低の男』だった。目的はわからないが、身体の関係をもつわけでもなく、ただ落として満足しているだけの人。お金を巻き上げるわけでもないし、ご飯はご馳走してくれる。本当に目的が謎である。
おそらく、承認欲求の類のもので、結婚詐欺師になればそこそこの
08 雨のリグレット
一体何人会えば彼氏ができるんだろう…。
『圧倒的写真詐欺事件』から両手で数えきれないほどいろんな人と会った。
メッセージのやりとり→日程調整→アポの繰り返し。昼と夜、東映アニメ祭り並みの2本立ての日もあった。
ニコニコしながら興味のない人の興味のないことを聞く。
『あれ?こんな人だっけ…?』と思ってもプロフの写真すら覚えてない状態。ひたすら「へー、すごいですねー」「そうなんですかー」のローテー
06 この傘をたためば
なんか、疲れちゃったな…。
『入れ墨斜め上事件』から、順調にマッチングしていた しがない。
いいねの数は500を超え、マッチした人数は150人を突破した時点で、いろいろ気づいたことがあった。
【いいねを送ってきたのに、メッセージを送ってもスルーな人 is 何…?】
男性はお金を払っている。1いいね=だいたい100円ほどなのに、投げっぱなしでいいのか…?と、今でも不思議に思っている。まぁ、メッ
04 嵐の前、スイーツの花束を
思ったより楽勝じゃない?
マッチングアプリを始めたとき、しがない は単純にそう思った。
そもそも、結婚を考えているわけではないし、私は私の好きなことをしたい。ヲタク生活や一人の時間を今のまま充実させたい。そこに、たまに空いた時間に一緒に過ごせる彼氏がいれば THE 理想。
だから、結婚は考えなくてもいいし、年収や家族構成などはどうでもいい。雑多に言ってしまえば、タイプの顔で自分より身長の少し高
03 Love Song 探して
「しがない じゃん!久しぶり!お前、今東京なの?」
過去は振り返らないがモットーの しがないは、基本的にリア友とネットでつながるということをしなかった。リアルとネットを分けている・・・というよりも、ネットがリアルみたいなものになっていたので、リアル=現実 を感じることが苦手だった。
自分の過去を知っている人間、すなわち自分のやらかしたことや今よりももっと未熟な自分を知っている人間ということで、掘
02 土砂降り、雨音、窓辺にて
しがない にも、中学1年~社会人1年目までは、わりと途切れず彼氏がいた。
3年付き合うとだいたいくだらないことで大喧嘩して、別れる→新しい彼氏ができるの繰り返し。
女友達からは「ほんと、しがない っていつも恋愛してるイメージ」だとか「しがないって恋愛が原動力だよね」とか言われていたぐらい、常に好きな人はいた。
モテてた…とまでは言わないが、ヲタサーの姫よろしく男子が周りに常にいた。特に美人ではな
今日も2軍の靴を履く
盛れない日はいつも雨だ。
しがない30代半ばに差し掛かったOLには、10年前から彼氏がいない。
趣味も女友達も仕事も充実した日々で、いつも秋から冬、そして花火大会がある夏に「彼氏が欲しい」とぼんやり思っていた。
『今年のクリスマスこそはイルミネーションを彼氏と見に行きたい』
『今年の花火大会こそは浴衣デートする』
とその時期に友達に公言しては、「毎年聞いてるよそのセリフ」と笑われていた。しがな