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13 雨が上がる頃に

ありのままを好きになってくれないなら、ありまののを隠せばよくない?

10年ぶりの恋を捻じ曲げて友情にした しがないは、1ヵ月後にその婚活男友達と2回目のお茶を控えていた。


あと1ヵ月で彼氏を作ってやる。絶対に。「彼氏できたよー♪」って2回目のお茶で言ってやる。それがせめてもの抗いだ!


心の中に何にかはわからないリベンジを燃やし、いろいろな人と会い続けた。…が、一向に彼氏ができない…。なぜだ…。


メッセージが続かなかったりするのは仕方ない。会っても会話が続かない。
というより、何を話したらいいかわからないので、取り繕うまでもなく、『ありのままの自分』で話していた。

週に1度、マッチした人と、週末にお茶なりご飯なりしていたが進展がない。2回目のご飯につながらない。なぜだ…。

そこそこ会話も和やかにできる。仕事モードのしがないは最強だ。
写真もそこまで詐欺してない。待ち合わせでがっかりされるのに耐えられないから。なのになぜ…?


『ありのままを好きになってくれないなら、ありのままを誤魔化せば良いってこと…?そしたら彼氏できるよね』

気づいたら、その婚活男友達に愚痴LINEを送っていた。
なぜ?どうして?私に彼氏ができないの?結構いいねもあるしマッチング頑張ってるよ…?と思いながら。

婚活男友達「『ありのままの自分』とか言ってるからダメなんだよ。今までそれで出来なかったんだろ。自分が変わらないと結果は変わらないよ。というより、お前は欠陥品だから彼氏ができない。」


すがすがしいぐらいの右ストレートをくらったしがないOL。
なんだって???失礼過ぎない???欠陥品?この私が??
女落としゲームやってるお前の方が欠陥品だろうが!!!

キレながら話の続きを聞いてみた。


婚活男友達「いいか、インプットが同じでアウトプットが違ったらそれはバグだ。インプットを変えないと結果は変わらない。同じことしていても同じ結果しか生まない。お前はどれだけインプットを変える努力をしたんだ?ベストを尽くしたのか?」


…インプットを変える努力…?なんじゃそりゃ…。


足りない頭で考えるが思いつかないので、とりえず、婚活男友達を『師匠』と呼ぶことにした。

師匠「しがないさんって、関西人でプロフィールも面白いのに、喋ったら全然面白くなかったねw」


関西人に面白くないという言葉を遠慮なく浴びせる師匠は間違いなくドSである。

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