髙村薫「マークスの山」文庫版
かなり前に単行本を読み、文庫版は初読。髙村作品を読み返したいキャンペーンが自分の中で起きていて、「太陽を曳く馬」を今読んでいるのですが、三十代前半の合田さん、若いなあという印象。「石」という表現がここまで似合う主人公も中々いないのではあるまいか。
髙村先生の凄いところの一つは、カメレオンのようになんにでも擬態出来るところだと思っていて。本書にも様々な人物が描かれています。刑事、検事、山に登る人間、「大多数」とは少し違う地平に立つ犯人、記者、看護師。私はそのどれにも当てはまらな