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#6 読書を思考する「リーダーと組織」★1:『秀吉と武吉 ~目を上げれば海~ :城山三郎』(2022-06-01-②02_⑤01)

★内容紹介(裏表紙より)

戦国末期、瀬戸内海の村上水軍を率いて独自自存の勢力を誇っていた海賊の総大将・村上武吉(たけよし)。毛利一族などとの争いの末に獲得した徴税権と領土が、天下統一を狙う豊臣秀吉に奪われそうになった時、武吉はいかにして、それと戦ったのか。
いかなる権力にも臣従することなく、己れの集団を守りぬいた武吉の生涯を通じ、時代の転換期における指導者のあり方を示唆した歴史小説。
《新潮文庫:内容紹介(裏表紙より)》

★『秀吉と武吉 ~目を上げれば海~ :城山三郎』

時は戦国時代。瀬戸内海の尾道市と今治市を結ぶ芸予諸島三島。因島~能島~来島。瀬戸内海の制海権を握る三島村上水軍。それらを束ねる総領家能島の主”村上武吉”。毛利、秀吉、長曾我部に囲まれた池のような瀬戸内海が武吉達村上水軍の領土。我が領土を守る為に武吉は思索を巡らし時代の荒波に抗いながら戦国を生きる為に舵を取る。村上武吉と運命を共にする能島村上水軍の行く末は…。

★村上水軍とは…

・ひとこで:日本中世に瀬戸内海で活躍した海賊衆のこと
・起源:平安末期に遡る。諸説あるらしい
・登場:文献資料では南北朝時代。芸予諸島付近の制海権を握り海の関所を設け通行料を徴収して海上水先案内や警護を生業に勢威を振るう
・勢力:戦国期。因島・能島・来島の三島村上水軍の三家に分家。瀬戸内海の制海権を掌握し村上水軍の絶頂を迎える
・衰退:秀吉の天下統一と海賊停止令により海賊衆としての活動からの撤退を余儀なくされる

海に関所を設け通行料を徴収。航海の安全を保障する云わば海賊。海の楽市楽座とも云える海賊停止令により基盤が揺らぎ海賊衆としての活動が衰退する…。

興味を抱いた方はこちらをクリックしてみて下さい。↓↓↓

Wikipedia”村上水軍”

コトバンク”村上水軍”

★村上武吉…

・ひとことで:戦国時代の海賊衆。瀬戸内海の三島村上水軍を束ねる能島村上の水軍大将で能島城主。フロイスから「日本最大の海賊」と評される
・性格:時には毛利方、時には反毛利方、秀吉からの要請を拒否したりと行動定まらぬ独自性からか晩年は各地を転々とする等しばし不遇な時を迎える
・主な戦い:
 厳島の戦い(1555年)…毛利元就vs陶晴賢
 第一次木津川口の戦い(1576年)…毛利vs織田
 第二次木津川口の戦い(1578年)…毛利vs織田
 …

興味を抱いた方はこちらをクリックしてみて下さい。↓↓↓

Wikipedia”村上武吉”

コトバンク”村上武吉”

★本を読んで…

瀬戸内海の三島村上水軍を束ねる能島村上の水軍大将で能島城主”村上武吉”の物語。
瀬戸内海の制海権を握る三島村上水軍。瀬戸内海に海の関所を設け通行料”帆別銭”を徴収。”帆別銭”は航海の安全を保障する交通料。時代は信長から秀吉へ。信長から始まった楽市楽座。信長亡き後秀吉が海の楽市楽座とも云える海賊停止令を発布。揺らぐ村上水軍の生活基盤。その時武吉は組織のリーダーとしてどう考え何を持って判断しどう行動するのか。それらを束ねる総領家能島の主”村上武吉”の生き様が描かれる…。
変わる時代。組織の長たるリーダーはどう行動するのか。秀吉と武吉との対比が”リーダーと組織”のあるべき姿を浮き彫りにする。城山作品に多くあるテーマ”組織とリーダー”。二人の生き様から学ぶべきことが多くある。

★”リーダーと組織”…

人が集まり”組織”を形成すればおのずと組織を統率する”リーダー”の出現が待望される。”リーダー”が出現するとリーダーは”組織”を維持、継続、発展、成長を遂げる為の役割を担う。リーダーのあり方次第で組織の盛衰、命運をも決めかねない。”リーダーと組織”についてちょっと調べてみた…。

☆よいリーダーとは…

「集団に目標を設定し、統率し、導く資質・能力・過程とされる」リーダーシップ。様々な機能や理論が存在する。当然リーダーには役割や必要とされるスキルがありリーダーのタイプも多様。”よいリーダー”については次のサイトを参照されるとよさそうです。↓↓↓
「ボス」「リーダー」「マネージャー」の違いやリーダーの要素や役割等がサラッと纏まっていて参考になります。

コトバンク”リーダーシップ”

必要な10の要素は次の10項目。なるほど!って思いますね。
「コミュニケーションスキル」「洞察力」「統率力」「決断力」「行動力」「業務遂行能力」「責任能力」「人心掌握術」「育成能力」「学習能力」

☆よい組織とは…

生物学や岩石学、社会科学や経営学…。同じ組織でもカテゴリーで意味合いが異なる組織。組み立て集まりを”組織”と呼ぶようだ。一般的には集団と組織は区別されるらしい。組織を形成するには次の3つが欠かせない。
「共通の目的(ミッション)」
「伝達(コミュニケーション)」
「協同意欲(エンゲージメント)」
”リーダーと組織”で検索したら一番最初に出てきたサイトはこちら↓↓↓
リーダーシップ論や組織論が分かり易くコンパクトに纏まっていてよさそうです。

☆よい組織。よきリーダーに。よき人材。…

調べていくと”よい組織にはよきリーダーが存在する”ことがよく分かる。”よきリーダーにはよい組織が形成されよき人材が集い、育成される”こともよく分かる。求められるべきは”よきリーダー”。”よい人材”を育成し”よきリーダー”を永続的に生む。そのような土壌が組織に根付いた集団こそが”よい組織”として活躍し続けるに違いない。
”よい組織。よきリーダーに。よき人材。”
なるほど!って思いますね。

☆秀吉と武吉…

そう考えると『秀吉と武吉』の
・豊臣秀吉…リーダー=統率者…部下のやる気を引き出し任務を遂行する
・村上武吉…ボス=支配者…部下に対し恐怖的要素で従わせる
といった違いがあったのではないかと推察。
視点を変えて調べてみると意外と知らないことも知れて面白いですね。

◎つぶやき…

城山三郎。直木賞作家。経済小説の開拓者。直木賞作品
 『総会屋錦城』
はまだ未読。何冊か読んだ中で
 『粗にして野だが卑ではない:石田禮助の生涯』
 『もう、きみには頼まない:石坂泰三の世界』
が良かったのでお気に入り作家さんの仲間入り。
 『総会屋錦城』『黄金の日々』
等何冊か積んでいる。『黄金の日々』は大河でドラマ化された作品で面白そう。
”リーダーと組織”についても知れたし。
さぁ。何から読もう。楽しみだなぁ~。




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