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100回の記念大会に華を添えた。箱根駅伝。青山学院大が大会新記録で2年ぶり総合優勝。復路は5人全員が初出場。「行きは良い良い、帰りは怖い」は杞憂

箱根駅伝は100回の記念大会。青山学院大が往路に続き、復路もトップで優勝。2年ぶりの総合優勝を10時間41分25秒の大会新記録で制した。「行きは良い良い、帰りは怖い」という言葉もあるが、青学大には杞憂だった。圧倒的な速さを見せつけて、ここ10年で7度目の優勝。青学大のフレッシュグリーンのユニホームが颯爽としていた。

青学大は前日の東京から神奈川・箱根までの往路を大会新記録で優勝していた。2位の駒沢大に2分38秒差をつけた。

6区の山下りに臨むのは3年生の野村昭夢選手。一度上がった後は一気に急坂を下り続ける特殊コース。適性のあるなしがタイムに大きく影響する。

青学大の原晋監督は確かな手応えがあっての6区起用だった。近藤選手を「体幹が常に前の位置にあり、ビー玉が転がるような形で走る」と評し、練習を見て下りでいけると判断したのだ。

この起用は大的中。野村選手は6区を58分2秒の区間2位で駆け下りた。往路2位の駒沢大は区間12位、往路3位の城西大も区間13位と勢いに乗れず、トップとの差は広がった。

6区で勢いが加速した青学大は、7区以降もトップを譲らず、東京・大手町までの復路も制して2年ぶりの総合優勝を果たした。

昨年12月には体調不良者が出たという。青学大には大ピンチだったはずだ。しかもライバルの駒沢大は出雲、全日本を制し、箱根で駅伝3冠を狙う意気込みだった。

それでも青学大が2年ぶりの総合優勝を果たした。選手を適格に評価する原監督の手腕、初の起用に応えた復路5人の選手らの速さが際立っていた。

今大会では珍事も起きた。2日間かけて、計217.1キロを走破するレース。これだけの長距離のレースにもかかわらず、東海大と国士舘大が総合11時間1分52秒の同タイムだったのだ。

この場合、大会規定により、区間上位者の多少で順位が決まるという。東海大は区間最高順位が1区の5位。国士舘大は5区の7位だったため、東海大が11位、国士舘大が12位となった。

100回の記念大会で生まれた新記録と珍事。記録にも記憶にも残るレースとなったのは間違いない。

出場全23チームがゴールまで駆け抜けた。速さだけでなく強さを身につけて挑んだ230人をたたえたい。

彼らの全力を尽くした走りが、これからの箱根駅伝の歴史をつないだ。来年の101回大会も楽しみにさせてくれる。

「来年のことを言えば鬼が笑う」ということわざもあるけれど、鬼も来年の箱根駅伝を楽しみにしているだろう。

来年はどんなレースが展開されるのか。東京・箱根間に挑む冒険者たちがこれからも挑み続ける大会が続いてほしい。素晴らしきかな、箱根駅伝!

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