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大漁だ!勢いと勢いがぶつかる「潮目」では大量得点が生まれる。交流戦Vの楽天と今季復活の日本ハムが激戦。満塁本塁打が飛び交い、壮絶なドロー決着に

勢いと勢いがぶつかる「潮目」には好ゲームが生まれる。チーム創設20年目で初めて交流戦を制した楽天。そして2季連続最下位だったが復活途上の日本ハム。同じリーグ同士の戦いに戻った一戦で激闘が生まれた。互いに満塁本塁打が飛び交う空中戦。最後は延長十二回でも決着がつかず壮絶なドロー決着。パリーグの「潮目」には熱いドラマがある。

漁業の言葉で使われる「潮目」。海流同士がぶつかりあう場所は好漁場となる。日本の場合、太平洋側で千島海流(親潮)と日本海流(黒潮)のぶつかる東北地方が漁業の好スポットだ。

それはスポーツにおいても当てはまるだろう。勢いのあるチーム同士の試合は得点を取り合う好ゲームが生まれやすい。

そして、楽天と日本ハムとの一戦でも満塁本塁打の飛び交う打撃戦となった。魚でなく得点をたくさん取る。まさに「潮目」での大漁だ!

21日に北海道のエスコンフィールドで行われた一戦。先発投手は日本ハムが今季6勝でリーグトップタイの山﨑福也投手。一方の楽天はリーグ防御率5位の早川隆久投手だ。好投手2人のマッチアップ。ロースコアの展開を予想したくなる。

しかし、両チームには勢いがある。好投手と言えども、先発投手は2人ともに序盤で苦戦した。

初回に楽天は辰己涼介選手が中前適時打を放って先取点を挙げる。二回には浅村栄斗選手にソロ本塁打が出るなど2点を追加した。対する日本ハムも今季の交流戦MVPに輝いた水谷瞬選手が2点タイムリーを放って1点差に追い詰める。

中盤は両投手ともに無失点。特に早川投手は四~六回をいずれも三者凡退に抑えた。そこにチームのエースとして期待のかかる左腕のプライドが見えた。6回2失点。山﨑投手も七回まで投げ、序盤の3失点のみに抑えた。リーグトップの勝ち星を稼ぐ左腕の意地があった。

両先発が退いてから、この試合は激動の展開を見せる。両チームに満塁本塁打が飛び交ったのだ。

七回裏、日本ハムは2点を奪って逆転。さらに満塁のチャンスに拡大すると、レイエス選手がライトへグランドスラムを放った。新庄剛志監督は両手を高々と突き上げてガッツポーズ。この回6得点のビッグイニングに、エスコンフィールドはお祭り騒ぎとなった。

交流戦優勝の楽天にも勢いがある。直後の八回表、2死満塁のビッグチャンスで、フランコ選手が160キロのストレートを強振。打球はレフトスタンドへ。「目には目を」ならぬ「満塁弾には満塁弾を」。さらに代打阿部寿樹選手にもソロが出て、8-8の同点となった。

この試合、九回にも両者が1点ずつ取り合って延長戦に。それでも決着がつかず、4時間22分の大熱戦は延長十二回引き分けで幕を閉じた。勢いのあるチーム同士だけに、簡単に白黒つけさせない結末となった。

この試合前、日本ハムはリーグ3位のAクラス。楽天は2ゲーム差の4位だった。Aクラスをめぐる激しいポジション争い。さらに両チームの勢いも加味されて、壮絶な打撃戦に。

3連戦の初戦で、これほどの激闘を見せるのだから、22日、23日の土日は、さらに熱さを帯びるに違いない。

勢いと勢いのぶつかる「潮目」には、たくさんの得点が取れる。2戦目以降もどんな得点シーンが生まれるか楽しみだ。勇者(ファイターズ)と鷲(イーグルス)の戦いは、まだまだ激しさを増しそうだ。

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