見出し画像

夢破れたら、新たな目標へ突き進めばいい。卓球の伊藤美誠選手。パリ五輪シングルス代表から漏れ、世界ランク1位をめざす。日本卓球界発展へ自身初の冠大会も開催

夢破れたら、新たな目標へ突き進めばいい。卓球の伊藤美誠選手(23)にエールを送りたい。今夏に行われるパリ五輪のシングルス代表から漏れたが、新たな目標として、世界ランキング1位をめざすことにした。若手育成へ自身初となる冠大会を開催するなど、卓球界全体のことも考えている。悔しさの先に、新たな地平が広がるはずだ。

2021年の東京五輪では水谷隼さんとペアを組み混合ダブルスで金メダルに輝いた。女子団体では銀、シングルスでは女子初となる銅メダルを手にした。

伊藤選手の夢は五輪女子シングルスで優勝すること。パリ五輪でさらなる高みをめざしていた。しかしシングルス3枠から漏れてしまった。

パリ五輪金メダルの夢が代表漏れという形で消えてしまった。補欠という道もあったが、辞退する方針だ。「将来を背負っていく選手が経験すべきだと思っています」と語っている。

2月に韓国の釜山で行われた世界選手権団体戦では、日本は決勝に進出。頂上決戦に伊藤選手が出場することはなかったものの、ベンチから出場選手に適格なアドバイスを送るなどしていた。出場選手からは「伊藤監督」と頼りにされていたのだ。

決勝で日本は大接戦に持ち込んだ。銀メダルに終わったものの、伊藤選手は戦局を冷静に見つめて、打つべきコースを細かく指示するなどしたのだ。日本が女王中国相手に大接戦に持ち込めた要因に、「伊藤監督」の助言があったのだ。

パリ五輪に補欠という道もあるが、裏方としてのサポートが中心。ベンチに入ってアドバイスを送ることができない。それならば、伊藤選手が補欠を辞退し、将来を背負っていく若手選手がサポート役という形ででも五輪を経験すべきと考えるのも合点がいく。

今月3日には、若手選手がしのぎを削る自身初の冠大会を開催した。「伊藤美誠杯 卓球ワールドチャレンジ㏌ NAGANO」だ。小学5年~中学2年生の選手たちが出場した。

自身の冠大会は伊藤選手にとって長年の夢だった。この日、選手へのメダル授与を担当し、「メダルをかける側になるとはなー」と感慨深くつぶやいたそうだ。冠大会開催にも、日本卓球界全体を考えている姿勢が見えてくる。

そして、伊藤選手にとって新しい目標ができた。世界ランク1位になることだ。「海外選手とたくさん試合をして成長したい」と意欲十分だ。

1991年以降の世界ランキング制度で日本人選手が1位に立ったことはない。伊藤選手は新たな地平へ歩もうとしている。

パリ五輪の夢は消えたが、新しい目標へ意欲的な伊藤選手。日本卓球界全体の発展も意識している。世界ランク1位に向けて、伊藤選手の新章にエールを送りたい。

この記事が参加している募集

スキしてみて

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?