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2024年4月の記事一覧

【詩】輝けぬ

【詩】輝けぬ

私が何を言っても 輝かない
言葉は音を持たなければ
飛び出ない 命を持たない

あなたの言う正義が
お金の価値が
どれほど 大切なのか

それとは違うものを
追い続けていたのに
ずっと心が
嫌悪していたものなのに

気付けば自分も同じ事をいっている
そうじゃないんだ
目が曇っても心はずっと知っている

金属の光じゃない
命の閃にずっと染まり続ける
それが私のパンクだ

【詩】器

【詩】器

滝に打たれて 削られる岩のように

荒らさの整った布で 磨かれるガラスのように

滑らかで でも大きな器を持ち続ける

今は涙の雫を 受け止めるばかりだけど

お日様が出てきたら

きっと美しく景色を反射する

願わくば器に映し出された空で

君がそっと笑顔になりますように

【詩】透明な手に遮られながら

【詩】透明な手に遮られながら

誰もかれもが好きなことをいう
その言葉を聴き続ける

話したいことが 喋りたいことが
霞のように形を変える

言葉なんて好きじゃない

考えてることが伝わるなら 
言葉にしないで 音のままでいい

答えに辿り着かない言葉たちの中で
僕だけが答えを探している

僕を掴んではなさい その透明な手に
ある時血の香る絵の具で 色を叩きつける

そして するりと抜けたその先で

僕は 花ひらく

【詩】世界の端っこ、心の始まり

【詩】世界の端っこ、心の始まり

どうせ 盲目的な花だ

散ったことにも 気付かないで

風に揶揄われながら 揺れてる

でもそんな君を 痛い程愛おしく思う

ずっと歩き続けて 出会ったから

疲労が脳を 麻痺させたんだろうか

でも僕が何を 考えようと

気にせずに 咲き続ける君の

散るさまを 僕だけが見つめていたい

【詩】狭間

【詩】狭間

辛くても耐えないといけない時がある。

でもいつか晴れると信じている。

曇りの空の上では お日様がずっと僕に会いたがっているんだ。

だから会いにいくんだ

【詩】亡霊

【詩】亡霊

もう一度笑って

瞼の裏によく馴染んだ笑顔は
眼を開いた時にはもう見えなかった

もっと見つめれば良かった
どこにも居なくならないように

もう一度笑って

夢のように生活の中で
たまに香るその記憶

忘れぬくらいに抱きしめれば良かった
今でも思い出せるその手の形を

忙しない日々の中で
少しづつ削れていく心が帰る場所

そんな言葉を紡ぐ資格もないけれど

もう一度笑って

【詩】ドライブ

【詩】ドライブ

このまま何処にも辿りかなくていい
目的なんかないこの時間の為だけに
走り続けて

音楽を掛けて貴方の隣で
揺られて少しの眠気に誘われて

今この瞬間に全てが無くなってもいい
到着の瞬間に全てを思い出す

この道の終わりは
夢の終わりだ

【詩】桜

【詩】桜

君の涙にも似た晴れの日の欠片。
風に攫われる音と共に、
足元に散らばった涙の欠片。

不甲斐なさを感じさせる景色の中、
でもまた新たな希望を探してしまう。

君の頬にも似たその枝の色に、
何度心動かされたことか。

いつか巡り続けるこの季節の中、
君を重ねたこの幹の前。

手に残った温もりと共にひとひら、
過ぎ行く時間に散りゆく。