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#本のある暮らし

「 一人称単数 」

「 一人称単数 」

 村上春樹さんの小説を読むのはこれで2回目だ。

 1回目は中学生の時、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」という本を読んだ。

 読んだきっかけは不純で単純。「中学生で村上春樹の小説読んでるのすごくない?」というちょっとした虚栄心からだ。

 実際に読んでみると、やっぱり難しい。そもそも当時の私にとって知らない言葉が多かった。あらすじも正直ほとんど覚えてなかったのだが、それでも結末のなか

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「 1984年に生まれて 」

「 1984年に生まれて 」

 長い時間をかけてゆっくり読んでいたこの本。とうとう読み終えた。

 1984年に中国で生まれた主人公の軽雲、それより15年以上も後に日本で生まれた私。環境も時代も異なるのに共感できる部分が多々あった。

 特に、軽雲が大学卒業を控え将来に悩む序盤のシーンは、現大学3年生の私も痛いほど分かる気持ちだった。

 平凡な毎日に少しの不満を持ちつつも、いざ挑戦しようとすると迷ってしまい決断できなくなると

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冷たい雨の降る秋の夜に

冷たい雨の降る秋の夜に

 だいぶ日が落ちるのが早くなってしまったこの季節になんとなく思い出した4冊の本について少しだけ語りたいと思う。



  ⚪東京タワー

 タイトルと表紙だけで読みたくなってしまった。どうして、東京タワーってこんなにも惹き付けられるのだろう。

 「待つのは苦しいが、待っていない時間よりずっと幸福だ 」(「MARC」データベースより)

このキャッチコピーも美しい。

 登場人物は年上の女性に夢

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「 新しい星 」

「 新しい星 」

 書店よりも古本屋で買う、もしくは図書館で借りる派の私が、新品の単行本で手に入れたくなる本がある。

 それは彩瀬まるさんの本だ。2年くらい前に「やがて海へと届く」を図書館で借りて読んだことをきっかけに彩瀬さんの本に興味を持つようになった。

 彩瀬さんの描く文章は綺麗で読みやすく、ときには中毒性がある。「やがて海へと届く」も本の中に描かれているある文章がなんとなく頭から離れず、数ヶ月前に新品の単

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「 口笛の上手な白雪姫 」

「 口笛の上手な白雪姫 」

夜、入浴剤を入れたお風呂に入りながら、この短編集を1つ読むという最近の楽しみがなくなってしまった。

1つ15分前後で読める短いお話にも関わらず、小川洋子さんの不思議な世界観に入ることができる素敵な短編集だった。

小川洋子さんのお話といえば、有名な「博士の愛した数式」と高校の現代文の教科書に載っていた「バックストローク」しか読んだことがなかったが、これをきっかけに小川洋子さん独特の世界観にはまり

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