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永遠に生きることができる動物たち。人間は、不老不死と呼ばれる動物から何を学ぶことができるだろうか。


老化は、正常な機能の漸進的な悪化の状態である。細胞レベルでは、細胞が分裂を停止し、最終的には死んでしまう。

老化が起こる速度を遅くする(またはスピードアップする)メカニズムが最近ではだんだんと明らかになってきた。しかしながらある種の生物は老化プロセスを完全に逃れることができる。

オーストラリア出身で現在はハーバード大学のリサーチ部門に勤める医学博士、デビッド・A・シンクレアはその著書「LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界」の中で寿命の長さを決めるのは細胞の中のテラミアと呼ばれる部位であると書いている。テラミアとは、DNAコピーと細胞分裂における、染色体上の保護末端キャップで、人は加齢するにしたがってこのテラミアが短くなることがわかっている。

原文で読んだので、日本語訳とは少し違うニュアンスかもしれないが、長寿のポイントは、このテラミアの長さをできる限り長く保つこと喫煙や運動不足はてきめんにこのテラミアを短くする悪影響を与える。その他ストレスや薬物の濫用でもテラミアの長さは影響を受ける。

では人間は、不老不死と呼ばれる動物から何を学ぶことができるだろうか。オーストラリア科学アカデミーのコンテンツプロデューサーであるエマ・バートホールドによって書かれた記事をもとに、以下で不滅の動物の生態を探る。

「不滅の」クラゲ、トゥリトプシス・ドルニイ

今日まで、「生物学的に不死」と呼ばれている種は1つだけ。:クラゲである。

このエイリアンにも見える不思議な形の動物は、世界中の海に生息する。これらのクラゲは、そのライフサイクルのより早い段階に戻ることによって時間を戻すことができると考えられている。

トゥリトプシス・ドルニイのライフサイクル。画像適応:オーストラリア科学アカデミー

新しいクラゲの生命は受精卵から始まり、プラヌラと呼ばれる幼虫期に成長する。素早く泳いだ後、プラヌラは表面(岩、海底、ボートの船体など)につかまり、そこでポリープに発達。:一方の端に口があり、もう一方の端に一種の「足」を持つチューブ状の構造だ。それはしばらくの間、所定の位置に留まったままで、互いに栄養チューブを共有するポリープの小さなコロニーに成長する。

最終的にはクラゲの種類に応じて、これらのポリープの1つは「芽」と呼ばれる外生を形成するか、あるいはそれらが互いに積み重ねられた別々のセグメントを生成するかもしれない。このプロセスは、クラゲのライフサイクルの次の段階、すなわちエフィラ(小さなクラゲ)とその次のステージ、有性生殖が可能な完全に形成された成体段階であるメデューサ(大人のクラゲ)となる。

ほとんどのクラゲにとって、この段階はこれで終わる。しかし、トゥリトプシス・ドルニイと呼ばれる種類のクラゲは、信じられない機能を持っている。飢餓や怪我のようなある種の環境ストレスに直面すると、それは組織の小さな塊(かたまり)に戻ることができ、それはそれからさらに成熟する前の段階であるポリープ状態に戻る。まるで蝶が毛虫に戻ったり、カエルが再びオタマジャクシに戻ったりするようなものに形容できる。

もちろん、トゥリトプシス・ドルニイは本当に「不死」ではない。他の生物に食べられてしまうか、そうでなくても何らかの外的作用によって殺される可能性はある。けれども、ストレスに反応してライフステージを行き来する能力は、理論的には永遠に生きることができることを意味するのだ。

このクラゲの生態をもっと研究することによって、人間の不老不死の可能性は高められるのだろうか。それはまだ科学者にもわからないが、非常に興味ある分野であることは間違いない。

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目次

生きやすい空気  :  死にいく私へ 2


光と、水と、魂 18

時空間をかける脳 21

第1章

空から我を俯瞰する

コントロールの二分法 51

「これは不可欠なことか?」と自問する 52

静かな心でいる。 53

共同体の一員よりも「個」として生きる 54

なぜ人の目が気になるのか 55

俯瞰することで世界の見え方が変わる 57

逆境について黙考する 58

あえて試練を選んで逆境に強い魂を作る 59

テールエンドで時間をとらえる 60

目標かプロセスか 62

ゴッドファーザーに学ぶ裏切りの法則 65

怒りは自分自身へ牙をむけることになる 67

心が折れると骨折よりも長くかかる 69

限界を知る 70

物事にはいくつも側面がある 72

すべては親切を練習する機会 73

他人を裁かない 74

最善の復讐とは敵の様にならないこと 75

夢の叶え方と夢の手放し方 76

離れてみることも大切な一歩 77

自分で決めた人生なんてない 79

他人の評価は気にするな、自己をしっかり持て 81

言葉という武器の使い方 82

驚かぬこと、臆さぬこと 83

第2章

静謐な心。臨風の精神

何に善をおくのか 89

自分探しなんてクソだ 90

日誌をつける 92

脳の癖を攻略(ハック)する 93

負けのほとんどは自滅 94

勝ちと負けについて 98

クールでカームなものが勝つ 100

所作と呼吸。落ち着きと静かさ。 101

言葉に媚がない。態度に迎合がない 102

自分の人生を採点しない 103

良い気分でいようとせず今のままでよいと知る 104

人間関係は「返報の法則」を知ることから 105

第3章

感情について

感情なんてアテにならない 107

ネガティブでも大丈夫 108

ポジティブ思考への崇拝を止める 110

人生の避けられない挫折に備える(premeditatio malorum ) 112

ポジティブ思考の落とし穴 113

感情に囚われないで、自分を俯瞰する目 116

ノート言う勇気を持つ 117

まだ起こっていないことで苦しまない 118

第4章

旅人のように生きていく

苦しい時や辛い時は 120

語ること。黙すること。中途半端にしない。 122

黄粱一炊の夢: 栄枯盛衰もひとときの夢。 123

もしも●●がなかったら? 125

衝動に流されてはならない 126

幸福は安定せず、暫定的なり。 127

意見を持たないこと 128

朝が人生のクオリティを決める 129

貸しと借りについて 130

杞憂することはまず起こらない。 131

傲慢なく成功を受け入れ、無関心で失敗を処理する 132

会う人々に善を見る 133

不平不満は何も生み出さない 134

聞くことが学ぶこと 135

自分を他人と比較しない 136

自分自身に厳しく、他人に寛容であること 137

行動を起こす前に 138

すべてに学ぶ 139

あなたにとっての成功を定義する 140

課題を探す 141

日々、叡智を積む 142

多面的なものの見方 144

日々のこと 146

怒っている人のそばにいる時 147

一粒の砂の中に世界を観る 148

第5章

時間について

今を生きる 152

運命とは 154

所有することよりも時間を大切に 155

信念の炎を燃やせ 156

顔にも心にも怒りを浮かべない 157

誰かに怒りを持つ時 158

自らを厳しい場所に置く 159

あらゆる場面で冷静さを忘れないこと 160

すべてのものに限りがある 161

シンプルに、そして適切に 162

辛さは一過性のものと知る 163

努力は裏切らない 164

習慣化している日常に意識を向ける 165

よどみのない人生 166

自分が傲慢になっていないか振り返る 167

期待を裏切られたら予期しなかった自分を反省する 168

毅然として立ち続ける 169

不幸になるのは難しくはない 170

第6章

死に行く私へ

思い悩む事柄は全て灰と消える 172

心の静けさ 174

何事もとどのつまりは重要ではないのだ。 175

自分の死について瞑想する 176

浪費した時間の振り返り 177

何度も死んで何度も生まれ変わる毎日 179

毎日を最後の日として過ごす 181

一糸乱れぬ不屈の魂が善である。 182

静けさが鍵である 183

最後に 184


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