scarlet222

予備校講師・ライター。アイドルとかについて文章を書きます。アイドル批評誌『かいわい』(…

scarlet222

予備校講師・ライター。アイドルとかについて文章を書きます。アイドル批評誌『かいわい』(https://kaiwai.booth.pm/)編集部。

マガジン

  • ・・・・・・・・・関連記事アーカイブ

    以前はてなブログで公開していたアイドルグループ・・・・・・・・・に関連する記事のアーカイブです。

  • 読書日記

    読んだ本の感想を時々書きます。

  • ライブ日記

    アイドルのライブの感想とかを書きます。

  • ドゥルーズがサイリウムを振るまで

    中1でネトウヨっぽくなって、高校では次第に哲学に傾倒、そのまま哲学研究で大学院まで行ったけど、その途中で地下アイドルにハマり、気づいたら20代半ばでアイドル批評をやっていた。そんな自分の思想遍歴を、まずは誰よりも自分自身のために、振り返っていきます。『正論』、中川八洋、フリードリヒ・ハイエク、阪本昌成、永井均、ジャック・ラカン、ジル・ドゥルーズなどの固有名詞が登場する予定。

最近の記事

  • 固定された記事

テン年代アイドル論、あるいは・・・・・・・・・とはなんだったのか?

はじめに なぜいま「アイドル論」なのか? テン年代の前半くらいに、アイドル論やアイドル批評といったものが盛り上がりを見せたことがあった。いくつか具体例を列挙してみる。2011年、太田省一『アイドル進化論』。2012年、濱野智史『前田敦子はキリストを超えた』、小林よしのり・中森明夫・宇野常寛・濱野智史『AKB48白熱論争』。2013年、さやわか『AKB商法とは何だったのか』、安西信一『ももクロの美学』。2015年、香月孝史『「アイドル」の読み方』など。  こうしたアイドル論の

    • 大阪

       大阪府、高石市。  地元大阪の人間でも「どこ?」となるような、人口五万人くらいでギリギリ市を名乗っている取り立てて特徴のないまち。私はそこで生まれて、育った。  いつも思うのだが私は人と比べて過去のことをよく覚えていない。より正確には、過去のことを思い出そうとする回路が人よりも脆弱な気がする。だから地元高石のこともあまり思い出せない。だからこそ、何か思い出す回路を少しでも作るためにこの文章を書き始めた。   高石は海に面している。かつては海水浴場があったらしいが、今はただの

      • 考えごと(2023.11.26)

         今日は本当に何のやる気も出ず、昼過ぎに起き、起きてからもほとんど布団にくるまってYouTubeをみるなどしていた。17時ごろ、急に「最近『土偶を読む』の著者はどうしてるかな~」と気になり、SNSや公式サイトなどをチェックする。なぜだかわからないが7月を境に更新が止まっている。「竹倉史人」でTwitter検索してみると、数か月前に三橋貴明の歴史講座的なものに登場していたことを知る。ここで考えが少し膨らんだ。  以前から、竹倉の『土偶を読む』については、岡本太郎まで遡って考えて

        • 『ab- ストリップのタイムライン』を読んだ

           タイムライン、と聞くとすぐに、Twitterとかのことを思い浮かべてしまう。けれどこの本は多分、色んな人のツイートが一つの画面に統合されて流れていくあのタイムラインというよりかは、あえて時間軸、と硬めに言い直してみたときに思い起こされるような、別々の世界の色んな時間の流れが特に一つに統合されるでもなくあくまでもバラバラに散らばっている感じこそ、似合っているのだろう。  結城さんの「写真に触れる」では、もう誰が写っているのかがわからなくなってしまった写真の話をしていた。しば

        • 固定された記事

        テン年代アイドル論、あるいは・・・・・・・・・とはなんだったのか?

        マガジン

        • ・・・・・・・・・関連記事アーカイブ
          11本
        • 読書日記
          7本
        • ライブ日記
          3本
        • ドゥルーズがサイリウムを振るまで
          6本

        記事

          旅行記(奄美と道後)

          2023.02.14  二月頭から奄美に滞在しているパートナーに迎えられつつ空港に到着する。思ったより寒いし、めちゃくちゃ曇っている。とりあえず昼時なので車で鶏飯のお店へ。ご飯の上に何種類かの具をのせてから鶏のスープをかけて食べる。おいしくて三杯食べる。  資料館的な施設二つに向かう。一つ目は民俗資料館的なもの。濃い緑のラパンが一台駐車場に停まっていて、中に入るとひたすら資料をスキャンしている研究員みたいな人がいる。お金を払うと「ちょっと待ってください」と言われる。そこで館

          旅行記(奄美と道後)

          旅行記(2022.11.28-30)

          一日目 朝5時前に起きて羽田へ。飛行機で出雲に向かう。とにかく何もなく、人がいない、島根。出雲大社周辺はさすがに賑わっていた。神社自体よりもその隣にあった出雲の歴史資料館みたいなやつがよかった。今「日本」と考えているものが少しも自明のものでもなく、昔から大陸との交流も盛んであったことなどを考える。実際に来ると、出雲を梃子にして天皇制や日本を相対化したくなる気持ちもよくわかった。今まで警戒感から読んでいなかった梅原猛の仕事が少し気になってくるなどする。 昼食は出雲でそばを食べる

          旅行記(2022.11.28-30)

          いつかの月日のこと

           あなたと結構な頻度で話をするという習慣が知らない間になくなってしまってから、どれくらいの月日が経ったでしょうか。もはやはっきりとはわかりません。というのも、私としては、何かはっきりとしたきっかけや意図があってそうした習慣をわざわざ失くした、というわけでもないからです。気が付いたらなんかそうなっていた、としか思いません。それが取り立てて良かったとも、悪かったとも、思っていません。ただそうなった。そしてそうなったことはかなり自然なことで、その自然な流れの源流をたどると、その一つ

          いつかの月日のこと

          【ライブレポート?】situasion 2ndワンマンライブ『I would prefer not to』

          ※以下は、ライブを一切観ることなく書かれた、ライブレポート擬態型文章です。こんな文章書かない方がよかったのですが。  situasionの2ndワンマンライブ『I would prefer not to』がほんの数時間前に終了した。ライブパフォーマンスがいかに素晴らしかったのかについては、今さら多言を要すまい。むしろここでは、そのパフォーマンスに感化されながら、このワンマンのタイトルの含意を探ることを手掛かりとして、今後のsituasionの行方について考えてみたい。  

          【ライブレポート?】situasion 2ndワンマンライブ『I would prefer not to』

          幽霊に憑かれた古典主義のオタク(2019.03.30)

          画家はいつの時代もエゴイストである。 昔の宗教画だって、結局宗教を大義名分にして、自分の描きたいものを描いていただけだった。 ミケランジェロは光り輝く肉体を、ラファエロは美しく理想の女性像を、そして、レオナルド・ダ・ヴィンチは“人間„という存在を。 古典主義だの、日本の油画の歴史だのと能書きを重ねるぼくも、ただ、彼女たちを描きたかっただけなのかもしれない。 ぼくは西洋古典主義のオタクであり、彼女たちの姿を“絵画„という古典的手法で記録する、古典主義のオタクでもあるのだ

          幽霊に憑かれた古典主義のオタク(2019.03.30)

          ドッツ9thワンマン「Tokyo in Natural Machine」について(2019.03.09)

           さて、「Tokyo in Natural Machine」について、というわけだが、一体何を書けばいいのだろうか。なんたってヒントが少なすぎる。とりあえずほぼ唯一の手掛かりと言えそうなツイートを貼るところから始める。   【3/24日】都市とは何か、アイドルとは何か、人間とは何か、そんな大それたテーマを視野に入れつつ、「・ちゃん」たちがパフォーマンスで物語る|・・・・・・・・・ 第9回ワンマンライブ 「Tokyo in Natural Machine」 https://

          ドッツ9thワンマン「Tokyo in Natural Machine」について(2019.03.09)

          ドッチャー・コンセプト派宣言(2018.09.10)

           ドッチャー((ドッツのファンの総称。以前は観測員という呼称が使われることが多かったが、最近はこの言葉が持つ何とも言えないユルさやダサさのおかげか、これが用いられることが多くなっている。この記事も流行りに乗っかって、この呼称を採用してみた。))たるものコンセプト派でなければならぬ、などと言うつもりは毛頭ないしそんな資格もない。だいたい自分自身を省みてみれば、一か月に一回の更新を目標にしていたこのブログも、この半年ほどのあいだは更新が止まっている。とはいえ…。ここのところ「・・

          ドッチャー・コンセプト派宣言(2018.09.10)

          Tokyo in Picture、時代に逆行するアートとしての(2018.03.23)

          絵画のように生まれ、映画みたいに生きた、まるで彼女は、彼女の生き写しだ。 (「Tokyo in Picture」フライヤー)   君に出会ったーー取り返しようのないくらい。 幻でもなく、間違いでもなく、たしかに。 ……… 求めてるのはハートだけ。 差し出せるのはアートだけーーそうでしょう? (For Tracy Hyde「Theme for "he(r)art"」)    緊張と興奮が入り混じるなかほとんどうわの空で入口での説明を聞き流しつつリーフレットを

          Tokyo in Picture、時代に逆行するアートとしての(2018.03.23)

          ドッツ5thワンマン「Tokyo in Picture」について(2018.02.17)

           ・・・・・・・・・(以下、ドッツと表記)の5thワンマンが、2月19日に行われます。以下では、「Tokyo in Picture」というタイトルに込められた意味、そしてこのワンマンが「時代に逆行する」ライブであると予告されていることの意味、これらのことを考えてみます。  ここで手掛かりにしていきたいのは、ワンマンのフライヤーに書かれてある言葉です。そこには次のように書かれてあります。「絵画のように生まれ、映画みたいに生きた、まるで彼女は、彼女の生き写しだ」。謎めいた文章で

          ドッツ5thワンマン「Tokyo in Picture」について(2018.02.17)

          「この私」に常に取り憑くアイドル――・ちゃん、幽霊、量子力学(2018.01.01)

           「会いに行けるアイドル」から「常に纏えるアイドル」へ。あるいはさらに、「この私」に常に取り憑くアイドルへ…。・・・・・・・・・(以下、ドッツと表記)のコンセプトに忠実に、もしかしたらドッツ以上にそのコンセプトに忠実に、その参照点である東浩紀の議論を参照しつつ、「この私」に取り憑いている幽霊としての・ちゃんのありさまを描いてみたい。以下で断片的な形ではあれ試みられるであろうことにかんして、さしあたりこのような表現を与えることができるでしょう。しかしここから一体何が得られるので

          「この私」に常に取り憑くアイドル――・ちゃん、幽霊、量子力学(2018.01.01)

          Tokyo in Books――・・・・・・・・・の思想的背景について(2017.10.16)

          1、はじめに  この記事では、2016年9月から活動している日本の女性アイドルグループ「・・・・・・・・・」(以下、ドッツと表記)のコンセプトの思想的背景を明らかにしていく。端的に言えば、ドッツのコンセプトに大きく影響を与えていると考えられる思想家・評論家として、東浩紀、宇野常寛、濱野智史の名前を挙げることができるだろう。基本的にはこの三者の議論を辿ることが多くなるが、彼らの議論における共通の問題意識をより明らかにするために、まず大澤真幸による戦後日本の時代区分を確認し、そ

          Tokyo in Books――・・・・・・・・・の思想的背景について(2017.10.16)

          ・・・・・・・・・2ndシングル「Tokyo in Cage」について(2017.10.08)

           現在「アイドルと芸術」展で展示されている・・・・・・・・・(以下、ドッツと表記)の2ndシングル「Tokyo in Cage」を鑑賞してきました。主な感想は3つ。1つ目と2つ目は短くて、3つ目は少しだけ長くなります。では1つ目から。     と思ったけどこの曲の説明をしていなかったので、まずはそこから。簡単に済ませると鈴虫の入った虫かごが5つ置かれてます。それだけです。では、本当に1つ目の感想から始めていきます。     ドッツの1stシングルは72分もあって、その大半

          ・・・・・・・・・2ndシングル「Tokyo in Cage」について(2017.10.08)