旅行記(2022.11.28-30)

一日目
朝5時前に起きて羽田へ。飛行機で出雲に向かう。とにかく何もなく、人がいない、島根。出雲大社周辺はさすがに賑わっていた。神社自体よりもその隣にあった出雲の歴史資料館みたいなやつがよかった。今「日本」と考えているものが少しも自明のものでもなく、昔から大陸との交流も盛んであったことなどを考える。実際に来ると、出雲を梃子にして天皇制や日本を相対化したくなる気持ちもよくわかった。今まで警戒感から読んでいなかった梅原猛の仕事が少し気になってくるなどする。
昼食は出雲でそばを食べる。けっこうおいしい。店の若い店員と年配の店員がややギクシャクしていたのが妙に印象に残った。
松江へ移動。小泉八雲記念館へ。ここに行くための予習で少し本を読んでいたら、別の関心から手に取った本でも小泉八雲に遭遇。この時点でこの記念館の入場料の元はとっくに取れていた。記念館自体は、普通。三男が画家だったのが少し気にかかる。以前別の文脈で名前を見たことがあったのかもしれない。
休憩しつつ、ホテルへ。作戦会議を経て夕飯を求めて松江の街へ。とにかく人がいねぇ。出張のサラリーマンか高齢の観光客ばかり。色々迷うが、「丸善水産」という某チェーン居酒屋を思わせる店に入る。ここが当たりで、ご飯も高すぎずうまいし、日本酒もうまい。店員さんの感じもよくて、帰り際に交わした一言二言ですっかりほっこりしてしまった。

二日目
朝起きて朝食のために少し歩いてカフェへ。まさかの県立のホールみたいなところの中にあるカフェだったが、これも当たり。トースト美味しい。つけ合わせのサラダもいい感じだ。常連風のおじさんがしきりに店員さんに話しかけてて、この後イオンに買い物に行くと伝えていた。BGMがないのが少しさびしい。公共施設だから規制が厳しいのかも……などと想像を巡らせる。
島根駅へ戻り、広島行きのバスに乗る。到着すると15時頃で、そのまま平和記念公園へ。二年ぶりだがとにかく修学旅行生が多い。元通りの様子になっててよかった。
展示。とにかく人が多い。特に修学旅行生。学生時代の集団行動の辛さを思い出しやや集中力が削がれる。仕方ないので修学旅行生を観察すると、基本的には目の前の展示よりも自分がいる群れを常に気にしている。とはいえ、一対一で展示と向き合い続ける人も少ないけどいた。自分はそうはできなかったなぁ。群れなくても人と共にあることができるということがようやく体感的に理解できたのは、私の場合は大学生以降だったと思う。
夕飯はお好み焼き。二年前に来たときにべらぼうに美味しかった店に行くが、まさかの定休日。適当に調べて雰囲気が良さそうな別の店へ。たしかにめちゃくちゃしゃべるタイプの店主。家を出る前に子供が泣くので少し遅くなったのだと何度も謝ってくるので、やや後ろめたさを感じたくらいだったが、客が増えてもしっかり話をいろんな客にふっていて、そりゃ高評価のレビューがつくわけだと納得。味は普通くらいだった。
ホテルへ。チェックインのときに別の客が34万の会計をしていてしかも現金で払っていてめちゃくちゃ気になってしまう。クレジットカードカードじゃないの??ポイントけっこう貯まるだろうに……。その後は部屋で日本酒を飲んでからひたすら無為に過ごした。

三日目
泊まったホテルの目の前から出発する宮島行きの船で宮島へ。厳島神社とその宝物館もセットでみた。宝物館は全然人がいない。ちょうど昼ごはんどきでごはん食べていいよというジェスチャーとともに監視員を交代する様子が目に入ってきた。そのあと民俗資料館にも行く。思ってたより展示が多く当然のようにほとんど客はいないのでわりと楽しめた。
昼ご飯は食べずコーヒーとケーキで済ませる。それから、フェリーで宮島口まで戻る。このとき、厳島神社の大鳥居を宮島側から見ると背後にある巨大建造物について調べた。予想通り新興宗教の施設で美術館としてもやっているらしい。すでにブロガーが潜入記を上げてて、妙に感心した。
市内に戻り、昨日休みだったお好み焼き屋にもう一回行く。16時なのにもう列ができていたが、さすがに食べたいので寒いなか並ぶ。食べるとやっぱり昨日と何かが決定的に違う。明らかに焼きそばの麺がうまかったが、それ以外にも色々決め手があるのだろう。
広島駅でお土産を買って、バスで広島空港へ。トイレに行くとなぜかBGMがヒップホップだと気がつく。誰かの意志を感じた。飛行機に乗り込み成田に戻ってくる。広島もそうだったが、すっかり外国人観光客の姿が戻ってきていて、帰りの電車も満員。最寄り駅に着くともう日付けが変わる少し前だったが、人が多いのでそんな感じがしない。東京は人が多すぎる。


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