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ウマノアシガタ

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鎖月、エッセイに挑戦します
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私がまだパンだった頃

私がまだパンだった頃

肘を直角に曲げて腕を垂直にすると、うっすらとした線が二つ、等間隔で出てくる。

赤ちゃんのむちっとした腕を「ちぎりパン」と称して愛でることがあるが、おそらくその名残りだろう。乳児線という呼び方もあるらしい。なぜこれが残るのか、残念ながらインターネットに信用できる情報はなかった。

今では信じられないくらいに小さかった頃、「いのるはどうやって生まれてきたが?」と母に質問した。
母は『お母さんが小麦粉

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ヨレヨレのパンツ

ヨレヨレのパンツ

ヨレヨレのパンツを干していたら
ちょっといろいろ書きたくなった、ので書く。

仕事で熱意を求められるたび、辟易する。
私の人生の一部分でしかないのに出しゃばりすぎだ。なるべく残業せずに帰る。職場で排便する。コーヒーメーカーを使い倒す。考えているふりをする。聞いているふりもする。効率的に仕事をしたら新しい仕事が巡ってくるだけなので、常にカツカツを演出する。仕事ができない人間だと思われてもいい。期待さ

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そういう気持ち

そういう気持ち

女性と「何でもない」の真ん中に私はいる。
ここ一年、そういう気持ちを大切に生きている。

今、恋愛にものすごく興味がない。
そういう気持ちを大切に生きている。

いつか自分の本を出したい。
詩歌でも、エッセイでも、何でも。
そういう気持ちを大切に生きている。

そういう気持ちを大切に、生きている。

なんだこれ?!おもしろくない!

なんだこれ?!おもしろくない!

日中、
なんだこれ?!おもしろくない!
なんだこれ?!おもしろくない!
なんだこれ?!おもしろくない!
なんだこれ?!おもしろくない!
なんだこれ?!おもしろくない!
と思いながら生活しているので

夜、コンビニの冷やし中華を食べるのに2時間もかかってしまったよ。

悲しくて
意味がわからなくて
すごく面白いから
薬を飲んで眠るよ。

副交感神経を見つけられたら、
おやすみなさい。

結婚と寿命と。

結婚と寿命と。

私は「結婚しないよ」と親戚中に伝えている。
うちの親族は離婚率も未婚率も非常に高いので、今更おおごとになったりはしない。
「結婚したち幸せんなるとは限らんけん」
「好きなように生きないかんわ」
といった感じだ。

むしろ、てめえは赤の他人だろ!という方々のほうが「えいお嫁さんになるねえ」「孫の顔を見せちゃらないかんねえ」など余計なお世話を焼いてくださる。はは!

さて、先日誕生日を迎えた私に、大叔

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気の向くままに

気の向くままに

起床してから身支度を整えるまでは普通だった。

きっかけは「あれどこにしまったっけ?」「あれ持ったっけ?」という漠然とした不安の連続。自分が嫌いになって、立てなくなって、外に出られない気がして、仕事に行ってもこのままな気がして、私は休んだ。

無くしてたと思ってたスーパーのポイントカードが財布から出てきた。今かよ。

とりあえず午前中休んだら回復するよね、と思いまずはその旨を連絡。ひんやりした床に

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ツートーン2023

ツートーン2023

黒髪の推しが突然、髪の上部が金、下部か黒のツートーンにしたら、あなたは狼狽えずに手放しでキャッキャいえるだろうか。

もちろん、私は言えなかった。絶句に絶句を重ね、現在も「似合ってるー!超カッコイイ!」は無期限活動休止中である。間違えて「大学1年生みたいだね!」とか言ってしまいそうなので、本当に気をつけたい。

まあでも私の一存で彼の髪の毛の色を決められるわけではないし、ヘアメイクの類まれなる技術

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自分の卒業式で歌えなかった話

自分の卒業式で歌えなかった話

限りなく青いーーーーー❗️❗️❗️❗️

で一気に三叉路に出るこの歌。
卒業式で歌ったことがある人も多いのではないだろうか。
かくいう私も中学3年間、そのうち2回は先輩方を送るため、1回は自分が飛び立つために歌った。

「桜の花びらたち」ばりに代表的な卒業ソングなのでもちろん楽曲は知っていたが、歌うのは中学1年の冬が初めてだった。

主線は3年生。下級生たちはハモりを担当する。

卒業生を気持ちよ

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適応障害につき、にっちもさっちもいかない【近況】

適応障害につき、にっちもさっちもいかない【近況】

季節の変わり目。
慣れない、負担の多い仕事。
ずっと私を見守ってくれた伯父と祖母の死去。

今秋の私は、足がもつれて膝から崩れ落ちるような勢いで体調を崩していった。

今月に至っては仕事を3日休んだ。新卒の、数少ない有給の一部は涙と鼻水と一緒にティッシュにくるんでどこかへ行ってしまった。

こんなに弱ってもよくしてくれる先輩方にも申し訳ない。しかし、「申し訳ない」という気持ちを遥かに超える高さの情

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お母さんと仕事

お母さんと仕事

お母さんは兼業主婦だ。
それが嫌だった。

というのも、私が通っていたのは幼稚園で
共働きの家庭というのがほとんどなかったからだ。

数字でいうと、
30人ほどいる組の中で、たった2人。

「2004年」「幼稚園」という環境、
「30人」というクラスの規模を思うと
まあ普通かなという感じ。23歳なので。

でも私は当時4歳。
保育園と幼稚園の違いもわからなければ
30という数字は指を折っても足らな

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