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詩に写真、写真に詩、ともかく短い言葉と少しの写真。
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#詩

2024.06.11

2024.06.11

僕が眠れない夜に限って街はよく眠ります。

不安ですか?安心していますか?

どんな夢をみますか?

覚えていますか?

忘れていますか?

思い出せそうですか?

街が眠れない夜に限って僕はよく眠ります。



崩れる音が聞こえますね。遠くから、だんだん近くに。

愛を知りたいだけでした。色でも感触でも形でも、なんでも。

せめてあなたが健やかであるよう祈って手を振る山手線



すみま

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もう大人の顔をしているであろう人を少し思い出して、すぐに忘れたい。

ご無沙汰してます
お元気ですか
僕は相変わらずです
今日(僕が知り得た頃の)あなたが住んでいる土地を
この辺りかなと思案しながら
通り過ぎました
何をしていますか
僕は相変わらずです
通り過ぎた僕は後ろを見ないよう
そればかり考えます
お元気ですか

目を閉じて
耳を塞いで
口を噤んで
鼻呼吸が精々の
蜘蛛の巣は窮屈な布団

六月

六月

梅雨の間の快晴は
それを想い出させるに十分です
ありがた迷惑
すっかり目を閉じて過ごしております

眠りたいよ(大丈夫です)



出番を失ったパリパリのビニール傘
上手く折り畳んでは貰えない日傘
スナフキンみたいなハット
墓地に挟まれて歩く道
リュックに差したバドミントンのラケット二つ

もう眠ったよ(そうは思いません)



セミはまだ鳴いていません
なにかの虫と
夜はカエルが鳴きます

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生活の柄、自業自得、懺悔

生活の柄、自業自得、懺悔

歩き疲れてはいるのですが

草に埋もれているわけではないし
陸をひいているわけでもないし
揺り起こされるわけでもないのですが
夏なのですが
眠れないのです

隙間風が
冷たい風が自分の裡に吹くのですが
自分のしてきたことだから
眠れないのですが
仕方ないのです

(生活の柄、自業自得、懺悔)

※参考文献
高田渡、山之口貘『生活の柄』

2021.07.01「生活」

2021.07.01「生活」

あかんです
うまくいかんです
あれ出来ん これ出来ん
で、目に水溜めて時間を待ちます

体は横にしてあって、時々起きて足の運動をします
で、鈴の音が聞こえる時間や(小中学校が近い家)
電車の通る音(橋が近くにあります)

人が居て、人が動いていて、人が生きていて、
どこかへ行ったり帰ったり
誰か知らん他人が誰か知らん人と会ったり別れたりするのを
頭に浮かべて
それだけで頭がいっぱいになって
目の水

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もう二度と”ああいうふう“にはなるまいと なるだけ明るい廊下の見える扉を開けて ふかふかしていて ぽわぽわしていて 時を忘れるよな素敵な廊下。 で、出口を開けたら広がる“ああいうふう”。