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ダイバーシティ&インクルージョンは何のために行うのか?

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。

今回は「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」をする理由について考えてみたいと思います。

D&Iを進める2つの理由

私の専門分野の一つである障害者雇用に関して、最近企業から研修依頼をいただくことが非常に増えてきました。

その中で、特に増えてきたテーマが「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」になります。

ただ、このD&Iについて企業と話しをしていると、大きく分けて2つの理由があると感じています。

■企業がD&Iの導入を検討している理由
①リスクヘッジとして
②組織進化または成長戦略として

①のリスクヘッジとして導入を検討するということをさらに突き詰めると「労務リスクへの対応」になります。

例えば、職場で無意識のうちに行われている「ハラスメント」がその代表です。

ハラスメントには「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」など様々なものが存在しています。

最近では「ワクチンハラスメント」まで登場し、ワクチンを打つ、打たないが職場内での関心事になっています。

このハラスメントが起こってしまう原因に「多様性の無理解」があります。

つまり現在職場は様々な価値観やバックボーンを持つ人たちが一緒に働いているのですが、そのことを理解しきれていない人たちが、過去の自分の経験や価値観を人に押し付けるため、ハラスメントにまで発展しているのです。

そしてハラスメントを受けた人は、人事に報告するケースもあれば、それを我慢し続けることでメンタル不調になり、後々ハラスメントが原因であることが分かることもあります。

いずれにしても企業としては大きなリスクが伴います。

他にもD&Iが進まないことで「優秀人材の離職」「社員満足度の低下」「母集団形成ができない」など人材の確保でもリスクが発生します。

このようなリスクに対して、企業は早期にD&Iを導入したいと考えているのです。

D&Iを通して会社組織を変革する

そしてもう一つのD&I導入理由が「組織進化または成長戦略」を期待しているパターンです。

①が「企業に起こるリスクを起こさないため」というマイナスをゼロにするという理由なのに比べ、②は「組織を今よりより良い状態にする」というゼロをプラスにするのが目的になります。

実は研修依頼としては、圧倒的に①のパターンが多いのですが、②の要素も入れてほしいというのが企業の本音のようです。

これは企業がD&Iを導入していくステップの違いになります。

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上の図を見ていただくと、左から「抵抗」→「同化」→「分離」→「統合」とステップが上がっていくことが分かります。

「抵抗」とは違いを受け入れることに抵抗感が強い状態です。
この段階は「エクスクルージョン」の状態で違いを拒絶している状態です。

「同化」は違いを受け入れ始めてはいるものの、自分たちのやり方に合う人たちは受け入れる、という考え方になります。
ここからは「ダイバーシティ」に入りますが、まだまだ違いを本音では受け入れきれていない状態です。

この「抵抗」「同化」のフェーズにいる企業は、D&Iを①の理由で導入しようとしています。

このフェーズを超えると「分離」「統合」のフェーズに入ります。

「分離」は価値観や特性の多様性は認め始めているものの、まだ別々のチームに分けて共存している状態です。
例えば仕事の内容や雇用形態で差をつけたり、働く場所を物理的に分けている場合もあります(障害者雇用では特に場所で区切られている場合が多く存在しています)

そして最後の「統合」まで来ると、「分離」の時に存在していた壁がなくなり、本当の意味で働く人たちの垣根がなくなり、「インクルージョン(包摂)」になります。

そしてD&Iを導入する理由の②を目的にしている企業は、この「統合」を目指した企業だと言えます。

つまり、これまで価値観の「分離」を行っていたところから、本当の意味での多様性を「統合」する中で、新しい価値をに気付き、それを自社の成長戦略に取り入れようとしているのです。

まとめ

今回、企業がD&Iを導入する理由は大きく2つあることと、企業にはD&Iにおける4つのフェーズがあることを解説しました。

今自分の所属している会社がどのフェーズにあるのかによって、D&I研修の中身も変わってきます。

ただ、多くの企業で研修を行うと、①のリスクヘッジとして行ったとしても、研修が終わってみるとさらに先を希望する企業が多いです。

つまり、どの企業も今のままではいけないと考えていて、最終的にはプラスの理由でのD&Iを求めているのだと思います。

皆さんの職場は今どのフェースでしょうか?
ぜひ一度、確認をしてみて下さい。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

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