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「辛い記憶」はどのように対処すればいいのか?

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は人間が持つ「辛い記憶」について解説します。

メンタルを病むほど人は辛い記憶を維持しようとする

私は障害者の就労支援の仕事をしているため、多くの障害者の方々と接する機会があります。

特に精神障害を持った人が増えているため、話す機会があるのですが、彼らはみな過去に起こった辛い記憶をよく覚えています。

「辛い記憶なんだから忘れてしまいたい」と思っても忘れることができません。そしてその辛い記憶は何度も何度も思い出すことで、自分の心身を傷つけていきます。

そしてある時、その痛みに耐えきれなくなったときに(レジリエンス(抵抗力、回復力)が無くなったときに)精神を病んでしまうのです。

痛みの記憶は生命維持装置である

なぜ人は辛い記憶を持ち続けるのでしょうか?

実は辛い記憶とは「人間の生命維持装置」になっています。

例えば転んで怪我をした時の記憶がなければ、人は何度も同じ行為をして転んで怪我をするかもしれません。

また山の中で迷子になった経験がある人は、次回からは絶対に迷子にならないように地図を見たり、目印を見ながら進むようになるでしょう。ところが迷子になって不安を感じた記憶が無くなってしまったら、また同じ間違いをして、今度は本当に遭難をしてしまうかもしれません。

つまり人が痛みを記憶をするのは、自分の生命に危険があることを、次回避けるのに必要だから記憶をしているのです。

そして人が精神を病んでしまうのは、実はその生命維持の過剰反応と言えます。

例えば仕事で強いストレスを受けた場合に、次回はそのストレスを受けないために対策を講じればいいのですが、その時に受けたストレスの記憶を何度も思い出しているうちに、それが脳を刺激し、最後は自分の脳が耐え切れなくなり精神を病んでしまうのです。

おそらく自然とともに暮らしていた時の人類なら、強いストレスを受けた場所には二度と行かなかったり、その状況を避ける行動をとっていたはずです。

ところが現代人は強いストレスを受けた環境からなかなか離れることができないため、何度も同じストレスを受け、それが強い記憶となって自分を刺激する状況に陥っているのです。

文脈情報を変える

では私たちは痛みの記憶をどう扱えばいいのでしょうか?

実は先ほどの怪我したときや迷子になったときにも少し触れましたが、もともと辛い記憶を人が維持するのは、それを次回は繰り返さないためです。

であれば私たちは一回の辛い体験から、次回それを起こさないためにはどうしたら良いだろうか?というところまで考えて、対策を講じる必要があります。

しかし、多くの人たちはそれをしないため、何度も同じ痛みを繰り返してしまうわけです。

例えば仕事で失敗して酷く怒られたのであれば、次回その失敗を繰り返さないためにはどうしたら良いだろうかと考えて、その対策を講じなければなりません。

人間関係で強いストレスを感じているのであれば、その相手との関係性を改善するか、離れる方法を考えないといけません。

もちろん人間関係は関係性が強いほどストレスも強くなり、離れるのも難しいですので、対策を講じることは難しと思いますが、それでも何も手を打たなければ強いストレスがかかり続けてしまいます。

そのため、まずはどうしたらその痛みを次回以降に感じなくて済むかをまず考えましょう。

そして対策を講じたとしても記憶に残っている辛い記憶に対しては、②の新しい文脈情報を入れることで、辛い記憶を薄めることができます。

例えば、人間関係で強いストレスを受けた人がいた場合、「自分と同じように人間関係で苦しんでいる人に対して、自分の経験を伝えることで苦しみから助けてあげよう」と考えることで、自分が受けた痛みがむしろ誰かの役に立つということに変わります。

このように、自分が受けた痛みを、別の文脈に解釈しなおすことによって、「辛い記憶」を理解しなおすのです。

簡単ではありませんが、これができると「辛い記憶」をポジティブに捉えなおすことも可能になります。

まとめ

私は精神を病んでしまうほど「辛い記憶」を持ち続ける必要は無いと考えています。

「もちろん出来ればそうしたい」

と思われている方も多いでしょう。

実際に精神を病んでしまった場合は治療を進めるしかありませんが、もしいま辛い記憶を持っている方は、ぜひ2つの対策を考えてみてください。

そしてどうしてもそれが難しい場合には、その場から逃げることも最後は必要だと思います。

自分の心身の健康さえ取り戻せれば、再チャレンジは必ずできます。

皆さんも何か対策を考え、取り組んでいただければと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

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