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【鬼滅の刃】が流行るのは、現代人が資本主義社会に疲れているから

「佐藤君は『鬼滅の刃』の映画で絶対に泣くと思うよww」

私の周りでも数名の人が映画を観たと話していて「すごい感動するから絶対に観たほうが良いよ」と薦められました。

でも時間も無いし、いきなり映画見るのもよくわからなそうだし、と思って少しだけ抵抗していました。

しかしあまりにお薦めされたのと、実際の評価も非常に高いので、Netflixでアニメの第1話を見たら、止まらなくなりました。

そしてついに映画も観に行きました。

結果的には「本当に良かった(泣)」

大人でも十分に楽しめるというか、大人のほうが楽しめる内容だと私は思います。

今回は「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が流行っている理由について私なりの考察をしてみたいと思います。
(ネタばれしないように書きますw)

1.「資本主義」にみんなが疲れている?

私が「鬼滅の刃」に感動するのは「家族愛」について描かれているからです。

これまでのジャンプでヒットした漫画でここまで「家族愛」を書いた内容を私は知りません(単に知らないだけの可能性ありますが)

私が子供のころは「ドラゴンボール」「スラムダンク」「ろくでなしブルース」「幽遊白書」などが流行っていました。

その後「ワンピース」が流行っていったのですが、そのころから私はジャンプを離れてしまったので、どのような漫画が流行ったのか把握ができていません。

しかし、私が知っている限りジャンプでは「友情」「努力」「勝利」がテーマになっている作品が多く、より強い敵に仲間とともに立ち向かっていき、努力のすえ勝利するというのが王道パターンでした。

もちろん「鬼滅の刃」もその系譜は踏んでいて、この3つの要素はすべて入っています。

しかし、私が子供のころに読んでいた作品は「より強い敵に挑み、勝利することが自分たちの最高の幸せ」という「競争に勝つ」ことが背景にあったように感じます。

それはおそらく社会でもそれが求められていたからではないでしょうか?

「良い学校に入り、良い会社に入るために努力をする」
「市場で生き残るため売上を上げ、競合他社に打ち勝つ」

と言ったような社会的背景もあり、既存の作品は多くの人に受け入れられたのではないかと思います。

しかし、現在はどうでしょうか?

いくら一生懸命勉強してもAIやロボットに仕事を奪われ、将来の安定は努力しても得られないのではと感じたり、会社を成長させるためにお金を稼いでも、自分たちの収入はそこまで増えず、いつまでも働き続けないといけない現状にさらされています。

つまり、私たちは資本主義的な競争をし続けることに、本当にその先に自分たちにとっても幸せな未来があるのかどうかに不安を感じているのだと思います。

そこに「鬼滅の刃」はジャンプの「友情」「努力」「勝利」の先に「家族愛」というテーマ設定し、これまでの「競争に勝ち、より勝者になる」に疲れた人たちに広く受け入れられたのではないかと思います。

2.強さの目的とは何か?

とは言え「友情」「努力」「勝利」の先に競争に勝つことが決して間違っているわけではありません。

実際自分が生活していくためにはお金を稼ぐ必要があり、それで家族を養うこともできるので、まったく努力しなくても良いというわけではありません。

しかし今回の映画「鬼滅の刃」でもう一つの重要なテーマが出てきました。

それは「自分の強さを何のために使うのか?」ということです。

今回の映画で多くの人の感動を呼んだのは「煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)」というキャラクターの存在です。

煉獄

彼は「柱」と呼ばれる、鬼を退治する「鬼殺隊(きさつたい)」の最上級隊士の一人です。

そして後半は、彼が鬼殺隊としての責務を全うするシーンが描かれています。

その中で彼は「強く生まれた人間は何のためその力を使うべきか?」という問いをある人物から投げかけられます。

そこで彼は「強い力は弱きものを守るために使うものだ」という自分の信念を見つけるのです。

そして彼は、鬼が一般人を惨殺しようとすることを全力で阻止し、そして最強クラスの鬼に対峙した時も、その信念を曲げずに「一人も死なせない」と自らの命を投げうって戦うのです。

心を燃やせ

3.心を燃やせ

私はアニメ版と映画しか見ていないため、原作を読んだ人からすれば、鬼滅の刃の面白さはまだまだ奥の深いものでしょう。

ただ、私が見た鬼滅の刃からは、これまで漫画にあったような単に強い敵に打ち勝つという「競争社会を生き抜く」ことを背景にしたストーリーではなく、強さの目的が「競争」や「お金」「他人との比較」で得られるものではない、本当に自分が欲しているものを追求しているから、魅力を感じるのではないかと思います。

煉獄杏寿郎は自らの鬼殺隊の「柱」として「一人も死なせない」という責務のために戦い、そして主人公の「竈門炭治郎 (かまどたんじろう)」は家族のために強くなろうとしています。

「心を燃やせ」

とは煉獄杏寿郎が自分を奮い立たせるために使った言葉ですが「何のために」という自分の生きる目的があって初めて自分を奮い立たせることが出来るのではないかと感じました。

現代人であれば、

「自分は何のために働くのか?」

その大事な問いを強く思い出させてくれるからこそ、「鬼滅の刃」は人々の心を強く掴むのではないかと感じました。

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