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読書とスコトーマの原理

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は読者とスコトーマの原理の関係について解説します。

スコトーマの原理

スコトーマとは、元々は眼科用語で「盲点」という意味です。
人の目には視覚的に見ることができない部分が存在し、その点を盲点(スコトーマ)と呼びます。

それを心理の世界にまで発展させ、自分が重要だと思っているもの以外の情報を意識に上げられないことを「スコトーマの原理」と言います。
(「情報がスコトーマに隠れて見えない」という使い方をします)

スコトーマの原理の2つの側面

スコトーマの原理には2つの側面があります。
それは「物事を見えないようにする」ことと「物事を見えるようにする」ことです。

人間の脳は重要なことしか自分の意識に上げることが出来ません。例えば子供は自分がやりたいことに集中すると、周りのモノが一切見えなくなってしまいます。そのため遊びに夢中になっている子供は自分の周りに飲み物があったとしても、それを意識に上げることが出来ないため、コップに手が当たってこぼすまで飲み物の存在に気が付くことが出来ません。

これがスコトーマの原理の一つである「物事を見えないようにする」作用になります。

一方で裏を返せば人間は自分が重要だと思っているものはよく見える(意識に上げられる)ということでもあります。

よく言われることですが、男性は自分の奥さんが妊娠をすると街中や電車の中で妊婦さんがたくさんいることに気が付くようになります。

これは私も実体験がありますが、私の妻が妊娠した後に電車に乗っていると、女性のバッグに妊婦さんマーク(マタニティマーク)が付いているのをよく発見するようになりました。

しかし、子供が産まれてからしばらくすると、今度は電車の中でマタニティマークを見つけることが減ったのです。これは私の中で妊婦さんに対する重要度が変わったから見えなくなったのでしょう。

これがスコトーマの原理のもう一つの作用である「物事を見えるようにする」ということです。

重要度は「知識」で決まる

そして自分が何を重要だと感じるかは、その人の持っている知識で決まります。

人間は自分が全く知らないものを重要だと思うことは出来ません。そのため普段私たちは、自分が過去に得た知識に応じて情報を意識に上げているので自分に知識がないことは意識に上げることが出来ないのです(つまりスコトーマに隠れて見えない)

そしてこれは読書においてはよりその意味が分かってきます。

読者とスコトーマの原理

本を読んでいるときに「あ、この一文面白いな」と思ってペンで線を引く人は多いと思います(または付箋を貼ったり、本の角を折ってドッグイヤーをつけるなど)

これはその個所を重要だと自分が認識したため、意識に上げることが出来たことになります。しかしその一文は自分が重要だと思ったかもしませんが、他の人が読めばそこは重要だと思わないかもしれないし、下手をすると意識に上げられずにスルーしている可能性もあります。

つまりは、その本を読んだあなただけが、そこを重要だと思ったかもしれないのです。

そうするとよくamazonの書評などに「この本は他の〇〇という本と同じことを言っている」と書いている人がいますが、実は書評を書いた人の知識ではそこの部分しか読むことが(意識に上げることが)できなかっただけかもしれないのです。(さらに言えば〇〇という本を読んだときにもスコトーマの原理が働いていて、その部分しか重要と思わなかった可能性もあります。つまりずっと同じ内容しか読めていないのかもしれません)

名著の読み方

そのため、本を読むときには自分にはスコトーマの原理が働いていて、今自分が重要と思っている部分しか読むことが出来ていないということを認識しながら読む必要があります。

だからこそ、名著と呼ばれる本は何度も読む必要があるのです。

一回読んだときには、自分の中にその内容を理解するだけの知識が無く、その本に書いてあることの1割しか読むことが出来ないかもしれません。

ところが、一度読んでベースとなる知識が出来てからもう一回読むと次は3割読むことができます。さらにもう一回読めば今度は6割読むことが出来るかもしれません。

しかも時間を置くことによって、読んだ知識を持った状態で普段の生活をするので、それに関連した出来事を意識に上げることが出来るようになり、本に書いてあった内容を体験することが出来ます。

そのうえでさらにもう一度本を読めば、単に文字情報としてだけでなく、体験もともなった知識を持って本を読むことが出来るので、さらに臨場感高く読むことが出来るのです

名著と呼ばれる本は、多くの読者がその本に書かれている内容を重要だと思ったということです。さらに時代を超えて読まれている本は、どんな時代であったとしても必要となる「超重要な知識」が書かれている可能性があります。

しかし、その本を一回しか読まないと、実は自分がその時に重要だと思ったことしか読めません。そうではなく、名著は何度も読むことによって初めて他の人が重要だと思った部分まで読めるようになるのです。

ぜひ皆さんも名著と呼ばれる本を手に取って読んでいただければと思います。そして一回ではなく、複数回読むことによって、スコトーマを外しより多くの情報を本から吸収していただければと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

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