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【保存版】コーチングとは「クライアントの内部表現を書き換える技術」のこと|内部表現とは

コーチングとは何か?

コーチングを一言で表すなら「内部表現の書き換え技術」となります。
このコーチングを行う中で最も重要な概念である「内部表現」について今回解説します。


人はそれぞれ違う世界を見ている

内部表現とは心理学用語でいう「internal representation」の訳です。

内部表現(internal representation)とは、簡単に言えば「一人の人間が頭の中で思い描いている世界観(事柄)」ということができます。
(厳密な定義は現在科学者間でも議論されているので、あくまでコーチングで利用できる範囲の表現にとどめます)

例えばもうすぐ開催されるオリンピックについて皆さんはどんな考えを持っていますか?

・世界No1を決めるスポーツの祭典
・世界中が盛り上がる一大イベント
・4年に一度の世界的なお祭り
・全スポーツ選手の憧れの舞台

といったポジティブな印象を持っている人もいれば

・お金ばかりがかかるイベント
・大きな利権が絡んだスポーツイベント
・優生思想の極み

というネガティブな印象を持っている人もいるでしょう。

さらにポジティブ-ネガティブといった見方も綺麗に分かれているわけではなく、その度合いも人によって全く異なるはずでず。

つまり、同じ物事を見ていたとしても、その物事に対する捉え方(感じ方)が全く同じということはあり得ないのです。

この人によって物事の捉え方(感じ方)が全く違っていることを「内部表現」と言います。

内部表現の8割は成育歴で決まっている

このように人はそれぞれ異なる「内部表現」をもって生きています。

先ほどはオリンピックを例に挙げましたが、内部表現はその人が見えているすべての物事に対して存在しているので「人間の数×世の中の事象の数」だけ内部表現は存在していることになります。

こう考えると、とても恐ろしいとすら感じますが、それぐらい人間は複雑な生き物なのです。

しかし、厳密に見れば人それぞれ全く異なる「内部表現」を持っていますが、統計的には人には偏りがあるので、ある程度分類していくことが可能です。

ビジネスでマーケティングが発展してきたのも、人間が偏りを持った存在だからでしょうし、様々な性格診断などがあるのも、人間を統計的に分類できるとしているからになります。

私たちが占いを信じてしまうのも、その一例です。

ではその偏りや分類はどこから生じるのでしょうか?

実は私たちがの「内部表現」の8割は成育歴で決まっています。
もっと言えば「親」や「教師」「友達」「地域社会」「見てきたテレビ番組」との関係で決まっているのです。

特に影響力が大きいのは「親」の存在です。
例えば皆さんがコーヒーが好きか、紅茶が好きかは、親がどちらを好んでいたかの影響が強いと言われています。

また恋愛対象も、男性の場合は自分の母親に近い人、女性の場合は自分の父親に近い人を好きになりやすいというデータもあります。

もちろん「そんなことはない」という人もいると思いますが、あくまで統計的な偏りとして捉えてください。

つまり本来の人間はそれぞれ異なった「内部表現」を持っているのですが、実際には育ってきた環境に大きく影響を受けているということになります。

さらに付け加えるなら、私たちは自分自身の価値観や考えや判断基準も、親や先生といった身近な人の影響を多大に受けているとうことです。

皆さんは普段「自己決定(自分の頭で考え、自分で決断すること)」によって行動していると思っていても、実はその決定している8割は自分のこれまでの成育歴で決まっている可能性が高いのです。

もしかしたらあなたが今ゴール設定していることや目標に掲げていることも、あなたが本当にやりたいことではなく、成育歴で植え付けられた8割の中で決めた決断かもしれません。

コーチングは内部表現を扱う技術である

ここでコーチングの話しに戻ります。

私が本格的にコーチングを学び始めて一番驚いたのは「コーチングは内部表現を書き換える技術である」ということを知ったときです。

実は私がコーチングに出会ったのは、もう15年以上前になります。
今でこそ「コーチング」という言葉はビジネスの世界では当たり前に使われる言葉になりましたが、当時はまだ新しい技術として日本で紹介されていました。

私は仕事でコーチングを提供している会社とお付き合いがあったため、かなり初期の段階からコーチングを知っていました。

しかし当時のコーチングは「質問の技術」と考えられていました。

「コーチングとはクライアントのゴール達成をサポートする技術」ということは当時から言われていましたが、そのために「効果的な質問」をすることによって本人に気づきを与え、行動を促すと言っていました。

またこの考えは現在でも生きていて「上司が部下をコーチングする」という時には「頭の中を整理してあげる」とか「ゴール達成までの道筋を(基本的には部下主導で)一緒に考え、部下が自律的に行動できるように整理してあげる」という意味が含まれています。

おそらく多くの人が考えるコーチングのイメージは、これに近いのではないでしょうか。

しかし、これはコーチングの本当にごくわずかな部分を指した考えだと言わざるをえません。

なぜなら、ここで行った作業はその人の頭の中を整理してあげただけで、その人の「内部表現」に影響を与えたわけではないからです。

そうではなく、本当のコーチングとは、その人の成育歴から出来上がった価値観やゴールではなく、その人自身が本当にやりたいと思っていることを実現するために内部表現を書き換え、本当の自己決定ができるようにサポートすることなのです。

古い価値基準を捨てて、本当の価値基準に気が付く

これまで世間的に考えられてきたコーチングと「本当のコーチング」の違いを知ったとき私は衝撃を受けました。

またそれを実際に自分でも体験したいと思い、コーチングを自分自身でも受けてみました。結果としては驚くような変化がたくさんあったのですが、ここでは一つだけご紹介します。

以前の私は自己評価が非常に低い人間でした。
私が幼少期から太っていたり、勉強ができなくて三年間も浪人していたことなどから、自分に対して大きなコンプレックスを抱えていました。

その影響から「自分は人よりも劣った人間である」というイメージを持っていました。(これは意識できていることと無意識で感じている両方がありました)

と言っても常に「俺はダメな人間だ…」と下を向いて生きてきたわけではありません。むしろそういった自分を変えたくて人一倍努力してきました。

仕事でも人の2倍以上働き、営業成績も事業部トップになりました。しかし、それでも私は自分に心から自信を持つことができず「上にはもっと上がいるからさらに努力しなければいけない」と考え、いつまでたっても自分に満足することができなかったのです。

そしてこの努力を続けられることは、私の強みだとも思っていました。

ところがコーチングを受けてみてこの考えが間違った考えであることに気が付きました。私は結局自分が劣った人間であるという劣等感を、他人との比較の中で少しでも上に行くことで解消しようと努力していただけだったのです。

つまりはマイナスをゼロに戻す努力をいつまでもしている状態だったのです。

このことに気が付いてから私の考え方はガラッと変わりました。

まず自分の状況を客観的に判断できるようになり、自己評価が著しく高くなりました。他人と比較して自分の優劣を判断するのではなく、自分の価値基準に照らし合わせて自分を評価することができるようになったのです。

またこれまでは第三者の目を気にした目標やゴール設定をしていたことに気が付き、本当に自分がやりたいことは何かを考え始めました。

その結果、自分が現時点で本当にやりたいことを見つけることができたのです。

これはまさに、世の中を他人の価値基準を気にしながらゴールを見るという内部表現から、自分の本当の価値基準で自分がやりたいゴールを見ることができるようになった瞬間でした。

内部表現を書き換えるステップ

では実際にどのようにしたら内部表現を書き換えることができるのでしょうか?

ここでセルフコーチングで用いる3つの方法をお伝えします。

①現状の外側にあるゴールを探す
②ネガティブセルフトークを見つけ、それを変える
③アファメーションにより臨場感を高める

まず①で書いてある「現状」とは「これまでの内部表現」という意味になります。

つまり8割の成育歴から埋め込まれた価値観でゴールを探すのではなく、その外側(というと「外部表現」という言葉があるように思われそうですが、「新しい本当の内部表現で見た」という意味になります)にあるゴールを探すように世の中をよく見るということです。

そして②のネガティブセルフトークは、既存の内部表現で世の中を見ているときに、自分がよく使っていた口癖を変えるということになります。

例えば以前の私は人から褒められると「いやいや、そんなことないです」と常に相手からの評価を遮っていました。一見すると向上心が強く、努力家で謙遜しているように聞こえますが、実際には自分の自己評価が低く、自分の状態を客観的に見ることができていないことから来ている言葉でした。

そのため「いやいや、そんなことないです」と言うたびに深層心理では「いや、自分はたいした人間ではないです」と自己否定し、自尊心を低めていたのです。

そこで私は人から評価されたときには「ありがとうございます。これからも頑張ります」と答えるように口癖を変えました。

これによって、自分の自尊心を低めることなく、でも自分が目指しているゴールにはまだまだ達していないので、さらに頑張らなければと思えるようになったのです。

そして3つ目のアファメーションとは「肯定的な自己暗示」とも言われていますが、目的としては自分がゴールを達成できる人間であるという自分自身に対する内部表現をポジティブにすることです。

そのために自分がゴールを達成しているときの状態を臨場感高く感じるように行うことがコツになります。

以上3つは自分で行うことができるセルフコーチングの技術になりますが、やはり最も効果的に内部表現を書き換える方法は、内部表現の書き換え技術に長けたプロのコーチにコーチングをしてもらうことです。

まとめ

今回はコーチングで最も重要なテーマである「内部表現」について解説を行いました。

✅人間は一人ひとり全く異なる内部表現で世の中を見ている
✅内部表現の8割は成育段階で環境から埋め込まれたものである
✅コーチングは「質問の技術」ではなく「内部表現を扱う技術」である
✅内部表現はセルフコーチングとプロのコーチングので書き換えることが可能

今回の解説で皆さんに少しでもコーチングの本質が伝われば幸いです。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。もし今回の記事が参考になったと思っていただけましたら「スキ」「フォロー」いただけるととても励みになります!!

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