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本を読むのが好きで、写真を撮影することが好きです。紙の本が好きで、ページをめくる感覚や…

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本を読むのが好きで、写真を撮影することが好きです。紙の本が好きで、ページをめくる感覚や紙の質感を感じながら読書が楽しみです。最近は詩集を読むことが多くなりました。 海なし県に住んでいるので、気分転換に海を見に行きます。

マガジン

  • 浅い眠り、遠い目覚め

    心に移り行くことがらを、備忘録のように書き溜めています。

  • 読書案内

    還暦を過ぎて読書案内を書くようになりました。

  • 写真のこと、カメラのこと

    FUJIのカメラを使っています。写真のこと、カメラのことを書いていきたいと思います。

記事一覧

雨にも負ける風にも負ける

遠い昔に友人を元気づけようと、送った詩です。 宮沢賢治ファンの皆さん気を悪くしたらごめんなさい。 雨にも負ける風にも負ける 雨にも負ける 風にも負ける 雪にも夏の…

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3日前
11

心許なさが産毛のように全身を覆いつくすとき

心許なさが産毛のように全身を覆いつくすとき 私は美しいノイズを聴く 水のにごり、陽のにじみ、木々のかすれ 濁った池に映る空と雲 微かなものにただただ意識を向ける 波…

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12日前
16

風をこぐ 橋本 貴雄著 /読書案内

東吉野村に住んでいる時、私たち夫婦は、超大型犬と一緒に暮らしていた。名前をエルクという。体重は、40キロを超えるが、超大型犬のなかでは小ぶりな方だった。レオンベル…

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4週間前
33

今日は何よりという日 写真詩

今日は何よりという日 黄砂が少なくて何より いつもの公園に光が満ちて何より 新緑の芽吹きがまぶしくて 遅咲きの桜と出会え 草花のご機嫌がよく 何よりという日 ちょっと…

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1か月前
32

ヨーロッパの闇と光 高橋巌を悼む

ネットニュースで高橋巌さんが死去されたことを知った。老衰95才と記されていた。 手元にある「ヨーロッパの闇と光」(イザラ書房)の奥付をみると昭和56年8月31日…

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1か月前
21

吉野山ほぼ満開 下中千本

奈良県吉野山の下千本、中千本はほぼ満開 7日日曜日は最高の見ごろになると思います。 #桜前線レポート

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1か月前
27

吉野山の彩なす色

4月5日吉野山へ 雲が空を覆い、吉野山は柔らかな光に包まれていた。 花々の淡い色が重なり合い、枝や幹の黒さが際立つ。 シロヤマザクラの花は赤味を帯びた新芽の芽吹きと…

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1か月前
17

モノクロームの桜

モノクロームの桜は光を纏う。 山の暗さに映え、 空の青さに溶けだす。 gfx50s iiを使うようになってからモノクロームで撮影することが増えた。 光の捉え方が上手いように…

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1か月前
13

X-E4とTouit 1.8/32

FUJIのXマウントにTouitと命名されたZEISSのレンズがある。私が使っているのは、Touit 1.8/32でレンズの前面にはPlanarと書かれている。FUJIのカメラでPlanarのレンズがオ…

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1か月前
20

モノクロームの日

黒から白へ向かう無限の諧調にモノクロームのすべてがある。 モノクロームの白に光を感じ、モノクロームの黒に失った時間を知る。

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1か月前
5

2021年吉野山の桜 五部咲き

吉野山の桜は、山の斜面に沿って咲く。 花の色に花の色が重なり、木々の色と黒い山肌が重なる。 他所にはない吉野山ならではの景色。 五部咲きでも吉野の桜の美しさが分か…

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2か月前
14

ここでは、すべてが遙かに遠い

海と河の交わる汽水の町。 空の下、河口が大きく拡がり、 海へと流れ込む。 河の音が、海と交わる。 微かに波の音が聞こえる。 長い旅を経た山の水は、 ゆっくりと、ゆっく…

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2か月前
12

言葉と写真

何時からか詩や散文を書ける人になりたいと思っていた。 数年前「これから何をしたいのですか」と聞かれて「詩や文章が書ける人になりたり」ととっさに答えたのが始まりで…

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2か月前
18

詩人は何を思うのか/港の人

北村太郎 港の人 詩人に会いたいと思った。 言葉と共に生きる人に。 詩で命を表現する人に。 現在詩を愛読書にするために。 「荒地」のことも北村太郎のことも、ねじめ…

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2か月前
27

そして旅は続く

そして旅は続く この先は海で戻る道を知らない 漁船に人影はなく 遠くの犬の声も聞こえない ずいぶんと前に陽が沈んだ気配があるのに いっこうに昏くならない 湿度を含ん…

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2か月前
19

モノクロは精神を写す・GFX50S2

山道を歩く。ただ歩く。 自分の精神が静けさを求めている。 フィルムシミュレーションはモノクロ。 モノクロームの写真は自分の精神に近い気がする。 カラーは物質を捉える…

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2か月前
12
雨にも負ける風にも負ける

雨にも負ける風にも負ける

遠い昔に友人を元気づけようと、送った詩です。
宮沢賢治ファンの皆さん気を悪くしたらごめんなさい。

雨にも負ける風にも負ける

雨にも負ける
風にも負ける
雪にも夏の暑さにも負ける
なまったからだをもち
慾は強く
決して穏やかでなく
いつも落ち着かないでいる
一日にコーヒー4杯と
チョコと少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を中心に考え
よく見聞きせずに判断し
そして忘れる
そういうわたしも

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心許なさが産毛のように全身を覆いつくすとき

心許なさが産毛のように全身を覆いつくすとき

心許なさが産毛のように全身を覆いつくすとき
私は美しいノイズを聴く
水のにごり、陽のにじみ、木々のかすれ
濁った池に映る空と雲
微かなものにただただ意識を向ける
波に刺す光
たゆたう波に光が消えるとき
静寂が訪れ、いつしか眠りにつく
そして明日を迎える

風をこぐ 橋本 貴雄著 /読書案内

風をこぐ 橋本 貴雄著 /読書案内

東吉野村に住んでいる時、私たち夫婦は、超大型犬と一緒に暮らしていた。名前をエルクという。体重は、40キロを超えるが、超大型犬のなかでは小ぶりな方だった。レオンベルガーという犬種で、ゴールデンレトリーバーの顔だけ黒くしたような毛色で、普段はおっとりとしている。犬種紹介のところにも、「静穏に浴しつつ暮らす」と書かれていたが、さすがに超大型犬はエネルギーというか質量が違った。

ある日、散歩の途中でエル

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今日は何よりという日 写真詩

今日は何よりという日 写真詩

今日は何よりという日
黄砂が少なくて何より
いつもの公園に光が満ちて何より
新緑の芽吹きがまぶしくて
遅咲きの桜と出会え
草花のご機嫌がよく
何よりという日
ちょっとの良かったが重なる日
社会から距離を取られた日
どうしようのため息が空に舞う日
今日は何よりという日

ヨーロッパの闇と光 高橋巌を悼む

ヨーロッパの闇と光 高橋巌を悼む

ネットニュースで高橋巌さんが死去されたことを知った。老衰95才と記されていた。
手元にある「ヨーロッパの闇と光」(イザラ書房)の奥付をみると昭和56年8月31日となっている。私が22才の頃に買った本だ。それ以来この本をずっと手元において読み続けてきた。もう43年の付き合いになる。

「ヨーロッパの闇と光」から得たものは大きい。知ったことも多い。
シュタイナーと出会い、ゲーテ、ノヴァーリス、フリード

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吉野山ほぼ満開 下中千本

吉野山ほぼ満開 下中千本

奈良県吉野山の下千本、中千本はほぼ満開
7日日曜日は最高の見ごろになると思います。
#桜前線レポート

吉野山の彩なす色

吉野山の彩なす色

4月5日吉野山へ
雲が空を覆い、吉野山は柔らかな光に包まれていた。
花々の淡い色が重なり合い、枝や幹の黒さが際立つ。
シロヤマザクラの花は赤味を帯びた新芽の芽吹きとともに開花する。
新芽の鈍色の赤に光るように白い花々が重なり、吉野山ならではの幽玄美を生み出す。

モノクロームの桜

モノクロームの桜

モノクロームの桜は光を纏う。
山の暗さに映え、
空の青さに溶けだす。

gfx50s iiを使うようになってからモノクロームで撮影することが増えた。
光の捉え方が上手いように思う。
ハイライトからシャドウまでの幅が広く思うグラデーションを描いてくれる。

X-E4とTouit 1.8/32

X-E4とTouit 1.8/32

FUJIのXマウントにTouitと命名されたZEISSのレンズがある。私が使っているのは、Touit 1.8/32でレンズの前面にはPlanarと書かれている。FUJIのカメラでPlanarのレンズがオートフォーカスで使えるのが嬉しくて、fx35mm f1.4とダブるのを承知で購入した。

扱いやすくて優しい線を描画するfx35mm f1.4と比べると少し癖のあるレンズで、芯のある美しい発色とシャ

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モノクロームの日

モノクロームの日

黒から白へ向かう無限の諧調にモノクロームのすべてがある。
モノクロームの白に光を感じ、モノクロームの黒に失った時間を知る。

2021年吉野山の桜 五部咲き

2021年吉野山の桜 五部咲き

吉野山の桜は、山の斜面に沿って咲く。
花の色に花の色が重なり、木々の色と黒い山肌が重なる。
他所にはない吉野山ならではの景色。
五部咲きでも吉野の桜の美しさが分かります。

今年は、4月6日、7日くらいが満開になる予想です。

写真は2021年3月26日の下から中千本にかけて歩いた時のものです。
X-T4で撮影しました。

ここでは、すべてが遙かに遠い

ここでは、すべてが遙かに遠い

海と河の交わる汽水の町。
空の下、河口が大きく拡がり、
海へと流れ込む。
河の音が、海と交わる。
微かに波の音が聞こえる。
長い旅を経た山の水は、
ゆっくりと、ゆっくりと
海水に溶け始める。

ここでは、すべてが遙かに遠い。
いつか私の息が絶えるとき、
私の意識もまた、
ゆっくりと大きな意識に
戻っていくのだろう。
河の水が海に戻っていくように。

何故かすごく、こころの底が
暖かくなるのを感じた

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言葉と写真

言葉と写真

何時からか詩や散文を書ける人になりたいと思っていた。
数年前「これから何をしたいのですか」と聞かれて「詩や文章が書ける人になりたり」ととっさに答えたのが始まりです。この時、私は、散文を、詩を書こうと決めたようです。詩集などほとんど読んだことがないのに。

写真はずっと撮ってきました。
写真学校を出て職業カメラマンに挫折し、バブルの終焉と共に写真を職業にすることは諦めました。
それでもどうしたことか

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詩人は何を思うのか/港の人

詩人は何を思うのか/港の人

北村太郎 港の人

詩人に会いたいと思った。
言葉と共に生きる人に。
詩で命を表現する人に。

現在詩を愛読書にするために。

「荒地」のことも北村太郎のことも、ねじめ正一の小説「荒地の恋」で知った。内容的には、田村隆一の4番目の妻と北村太郎との恋愛関係を巡って展開していく。昭和の詩人やその背景が上手く書かれている。テレビドラマでは北沢太郎という名前で豊川悦司が好演をしていた。「荒地」の同人には、

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そして旅は続く

そして旅は続く

そして旅は続く

この先は海で戻る道を知らない
漁船に人影はなく
遠くの犬の声も聞こえない
ずいぶんと前に陽が沈んだ気配があるのに
いっこうに昏くならない

湿度を含んだ重たい風が
背骨をぬらしている
歩き回っているときに
靴音が聞こえないことに気づいた
疲れた身体を引きずると
音が消えるのだと納得した

空腹なので手を広げてみた
たくさんのものを見失ったから
手の中が空っぽになってしまった
ポケ

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モノクロは精神を写す・GFX50S2

モノクロは精神を写す・GFX50S2

山道を歩く。ただ歩く。
自分の精神が静けさを求めている。
フィルムシミュレーションはモノクロ。
モノクロームの写真は自分の精神に近い気がする。
カラーは物質を捉えるが、モノクロは精神を捉える。すべてではないけれど。

GFX50S2にGF45mmF2.8を付けっぱなしでひたすら歩く。X100Fのラージフォーマット仕様だ。

午後から雪が風に舞い始める。とても静かだ。
ECMの創設者マンフレート・

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