satedon

本を読むのが好きで、写真を撮影することが好きです。紙の本が好きで、ページをめくる感覚や…

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本を読むのが好きで、写真を撮影することが好きです。紙の本が好きで、ページをめくる感覚や紙の質感を感じながら読書が楽しみです。最近は詩集を読むことが多くなりました。 海なし県に住んでいるので、気分転換に海を見に行きます。

マガジン

  • 浅い眠り、遠い目覚め

    心に移り行くことがらを、備忘録のように書き溜めています。

  • 写真のこと、カメラのこと

    FUJIのカメラを使っています。写真のこと、カメラのことを書いていきたいと思います。

  • 作品集 モノラル・ひとつの

    小冊子を作成しました。 いつの頃からか、散文や詩を書いてみたいと思うようになりました。 写真には長く関わり、ずっと撮影してきたという思いがあります。 写真を撮ることは、気持ちを落ち着かせくれるもので、新しい光と出会える喜びもあります。 感性のアンテナとして写真を捉えることで、自分だけの世界を描こうとしてきました。

  • 読書案内

    還暦を過ぎて読書案内を書くようになりました。

最近の記事

山かげの村で

山々が村を覆い、小さな谷をつくる。 陽は山陰に消えて静寂のとばりが降りる。 光が消え闇へと向かう時、草花はささやきを交わす。 永遠は消えたのかと。

    • 台風の予感がするころに

      台風の予感がするころ、滝や水辺を訪れることが多かった。 水を知りたかったのだろう。 日本列島が雨雲に覆われて、滲み霞む光景を想像した。 流れ落ちる水に、乾いた土にはねる水に、畏敬の念を感じた。 人は水だと思った。 水の記憶を呼び覚ます旅に出たい。

      • モノラル・ひとつの/桜の梢から水滴がゆっくりと落ちていく

        桜の梢から水滴がゆっくりと落ちていく 別れを惜しむように地上へと向かう 降る雨とまざり地面に沁み込む 花びらが風に吹かれ地に落ちる 左右にゆれながら舞うように 花びらは老いた桜の根元をおおう 梢から蕾が生まれる 蕾は花を咲かせる この木の中にすべてがある 形を変え、色を変えながら 一つのものから分かれ また一つのものに帰っていく いつの日にか、私もまた

        • モノラル・ひとつの/ゆっくりと重なるものを数える

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 ゆっくりと重なるものを数える 初雪 漉かれた和紙 読まれずにおかれた本 隠された思い 言葉 傷 散る花びら 思いでの時間 二つの影 後悔

        山かげの村で

        マガジン

        • 浅い眠り、遠い目覚め
          24本
        • 作品集 モノラル・ひとつの
          11本
        • 写真のこと、カメラのこと
          28本
        • 読書案内
          10本

        記事

          モノラル・ひとつの/初冬の光が美しく木々を包み込む

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 初冬の光が美しく木々を包み込む。 梢が光に溶けて空に消える。 刻々と変化する朝の光と、 木々や草花を通して、 瞬間、瞬間に出会っていく。

          モノラル・ひとつの/初冬の光が美しく木々を包み込む

          モノラル・ひとつの/冬の訪れを告げる雨が降っている

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 冬の訪れを告げる雨が降っている 逡巡しながらも季節は進む 変わらないものは何もない 大きな流れの中で、無限に変化する世界を、 言葉で説明することは出来ない 言葉を発した一瞬に世界は硬直する 言葉ではなく、五感を超えて世界と出会いたい

          モノラル・ひとつの/冬の訪れを告げる雨が降っている

          モノラル・ひとつの/私が、楽しんでいたとき

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 私が、楽しんでいたとき、 私は、楽しめなかった。 私を、楽しめるようになって、 私は、楽しい。

          モノラル・ひとつの/私が、楽しんでいたとき

          田中美津さんを悼む

          田中美津さんが亡くなった。『いのちの女たちへ とり乱しウーマンリブ論』(田畑書店、1972年)を20代の私は貪るように読んだ。分かるようで変わらない世界。知ることは出来ても生きることができない世界。 田中美津さんから発せられる言葉がなぜだか私の心に浸透する。実感がもてないけれど、引き寄せて、何とか自分のものにしたいともがいた。 田中美津さんから自分の言葉で語ることの凄さと難しさを知った。私が自分の言葉で発することができるようになったのは、40歳を過ぎてからだった。 20代の頃

          田中美津さんを悼む

          モノラル・ひとつの/初雪の降る日

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 初雪の降る日 部屋の外に明るさの気配がする 輝く朝露 枝にさす光 ルーフに響く水音 風に流れる雪 雪を踏みしめる感覚 白い息 待ち望んだ日

          モノラル・ひとつの/初雪の降る日

          蓮との再会

          炎天下の昼日、強い光に洗われて蓮の花が咲いていた。 時折強い風が吹き、雲を呼んだ。 葉がざわめき、花がしなやかに傾ぐ。 花の美しさと出会ったと思った。 とても幸せな時間。 このまま蓮畑に突っ伏して永遠の眠りに落ちたいと思った。

          蓮との再会

          モノラル・ひとつの/昨夜からの雪が降り続いている

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 昨夜からの雪が降り続いている 積もることはなく降っては溶けていく 一片の雪 ふわふわと舞い、結晶となり、静かに消えていく 私は雪のように静かに消えていくことができるだろうか 覚めない夢を見たい 夢から覚めずにゆっくりと消えていきたい

          モノラル・ひとつの/昨夜からの雪が降り続いている

          モノラル・ひとつの/鈍色の空に冬の梢が滲む

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。 鈍色の空に冬の梢が滲む 鉄道のきしむ音、水の濁り 旅に出たいと思った 寒さの果てしない町へ 今年着ることのなかったコートを想う 背を丸めて歩きたい 襟を立て、白い息を吐きながら キラキラと光る氷の道を行こう 細道の先に海の気配を感じたら 駆け出す前に大きなため息をつこう 忘れ去ることができない心を 永遠に凍てさせるために

          モノラル・ひとつの/鈍色の空に冬の梢が滲む

          モノローグ・ひとつの / モノラル

          作成した小冊子の紹介をしています。 見開きを一枚の写真・一つの詩で綴りました。       モノラル       一つの       一つの音       一つの色       一本のレール       一人の時       モノローグ       モノローグの紡ぐ言葉のように       写真を紡いでみたい       行間から言葉が溶けだすように       ため息と薄明の希望を

          モノローグ・ひとつの / モノラル

          見えているものは見せてくれているものでもある。

          日々のためいきが覆い隠される薄暮に、草花のすれ合う音が聞こえる。 闇に溶けていく最後の光で写しとめる。 長田 弘が、「みえてはいるが誰れもみていないものをみえるようにするのが、詩だ」という。 クレーは、「芸術は見えるものを再現するのではなくて、見えるようにするのである」と語る。 私からの意志だけでは決して得ることのできない光景がある。 見えているものは見せてくれているものでもある。

          見えているものは見せてくれているものでもある。

          モノラル・ひとつの プロローグ

          毎年梅雨の時期に大和郡山のとほんさんでイラスタレーターの青豆さんと二人展を開催しています。今年で5回目になります。 その展示に向けて小冊子を作成しています。今回は昨年の少し苦しい状態から、心身が上向きになって来た時の写真が多く、少しすっきりとした感じに仕上がっています。 ページごとに紹介していきますので、よければご覧ください。 モノラル・ひとつの プロローグ

          モノラル・ひとつの プロローグ

          蓮の花を諦めて

          日常の身辺で自分が感じたことを撮影することが多い。自分の感性のアンテナのようにカメラを使っている。自分が感じる光景と出会えると嬉しいが出会えないからといって無理に撮影することはない。   ある日、家から車で10分程度のところで蓮畑を見つけた。お盆に蓮の花を出荷するために管理されているところで、人気もなく、ゆっくりと蓮を見ることができる。 蓮の花を見た瞬間、美しいと思った。心惹かれた。それから幾度かこの蓮畑に通ったが、感じたような写真が撮れない。何が違うと思いながら蓮畑に通った

          蓮の花を諦めて