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第六章 物語の始まり #05そして終わり
ついにこの日が来た。受験本番。やるべきことはやった。緊張する気持ちを彼に伝えると、「大丈夫。やるべきことはやってきたんだから。」と言ってくれた。彼に言われる「大丈夫」がこれほどまでに心を落ち着かせてくれるとは、不思議。
試験は、出来る限りの力を出すことができた。あとは結果を待つのみ。これで本当に終わるんだなぁと思ったら嬉しいような、、でも、まだ結果が出るまでは分からないから複雑な気持ち。
第六章 物語の始まり #04充実した毎日
恋をしていると、他のことが手に付かなくなるタイプと他のことも頑張れるタイプがいると思う。私は後者だと思っている。だって、受験勉強もかなり頑張っていたし、予備校で新しい友達もできて、かなり生活が充実していた。彼も応援してくれていたし、毎日会うとかはなくて、お互いの予定を考えて適度にデートするようにしていた。もちろん会えば嬉しいし、楽しかった。
受験本番が近づいてくると、不安になったり、勉強が辛くな
第六章 物語の始まり #02帰り道
帰り道、まだ帰りたくないなと思いながら駅へ向かっていた。もうすぐ駅に着きそうな時、「お腹すいた?夜ご飯食べて行こうか?」と聞かれた。私の心が読めるのかと思うくらい、いつもいいタイミングで言ってほしいことを言ってくれる。心が読まれるのは少し恥ずかしいので、考えるフリをして間を取って「はい。」と答えた。
お店はいつも彼が決めてくれる。私は優柔不断だから、そういうところ助かっている。焼き鳥がおいしい居
第六章 物語の始まり #01花火大会
こんなに楽しい夏は、今まであっただろうか。自分が浪人生だということを忘れそうなくらい、幸せだった。
付き合ってすぐに彼の誕生日があって、その日に花火大会へ行くことになった。初めてのデート。浴衣着ようかな、でも気合い入ってるって思われるのも恥ずかしいし、、私服で行こう。誕生日プレゼントって何あげたらいいのかな、、考えすぎて分からない、、お金もないしな。悩んだ末に手作りクッキーをあげることにした。ク
第五章 夏の始まり #06優しい時間
「じゃあ、実感湧かせてみようか。」彼のそのセリフで、心の声が外に漏れていたことに気付いた。「え?」「実感湧かないなら、湧かせてみよう大作戦!ココおいで。」そういって彼は自分の横の床をポンポンとたたいた。私が戸惑っていると、「こんな感じ!」といって私の隣に彼が座った。ただ横にいるだけなのにドキドキしている。「キスしていい?」
そんなの良いに決まってる。でも、恥ずかしくて「いいよ。」なんて言えるはず
第五章 夏の始まり #05突然の告白
「俺と付き合ってくれない?」「え、、」「ひろちゃんのこと、好きなんだよね。」「、、、、、」しばらく沈黙が続いた。実際には一瞬だったかもしれないけれど、私にはものすごく長く感じた。驚きと嬉しさと葛藤。嬉しいけど、本当にOKしていいのか、これは現実?と頭をフル回転させてから、やっと答えた。「私でいいんですか?」「ひろちゃんがいい。」胸キュンとは、このことを言うんだろうな。そんなことを言われる日が来ると
もっとみる第五章 夏の始まり #04夢追い人
勉強を教えてもらうってことで来た訳だけど、何となく高田さんにその気がないことは感じていた。昔から勘は良い方だと思っている。ただ、それを態度に表す訳にもいかないので、いつどうやって勉強道具を出すか様子を伺っていた。とりあえず何かしゃべらないと、、、「本当に漫画描いてるんですね。」まずは私から声をかけてみた。「いや、本当に描いてるよ。嘘だと思ってたの?笑」「そんなことはないですけど。笑」「見る?」「え
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