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創作

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つくりだした言葉の羅列
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#詞

最果てにて

最果てにて

消えそうな光が目の前にある
手を伸ばしても届かない光が
目に見えるから愛しいこと
ずっと前から知っていた

涙ばかり追いかけないで
前をみれば ほら

最果てで再び会おう
そこはどこかなんて
野暮なことは聞かないでね?
最果てで抱き合って眠ろう
だからそこで待っていて
明日はきっと雨

消えてしまった光がここにある
手は届かなくても感じられる
目に見えなくても大丈夫
ずっと前から知っていた

でも

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朝日がのぼるから
僕はそれまでいた闇が夜だったと知る
涙がこぼれるから
僕はいままでどれだけ本気だったのかを知る

忘れえぬ人

忘れえぬ人

早朝は独特なにおいがする
鼻腔の奥がツンとする
乾燥が目を刺激する
この感覚はなにかに似ている

そのせいで誰かを思い出す
遠くに人影が見える
知らない人に違いない
なのにどこかで期待する

イヤホンから流れるノイズ
少し音量を下げる
そうしたらどうだろう
鳥の鳴き声がした

結局すれ違ったのは
思い出した誰かではなかった
それでもこの早朝に
同じ道を歩く人だった

いつか思い出すだろうか
今日す

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君が僕の言葉で泣いてくれるなら
天国なんていらないのに

's Eve

's Eve

かわらない日々に意味付けを

ありふれた日々に祝祭を

ゆううつな日々に一区切りを

点は繋がり線になる

でも時には切り取ることも

朝日をハサミにちょっきんと

そうして明日を待つばかり

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ふらっとはじめたnoteですが、思いがけず色々な方に見て頂くことができ、嬉しかったです

今年も一年ありがとうございました

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良いお年をお迎えください

naitomea

naitomea

夜明けを待って君は眠った

ナイトメアが怖いって

そんな君を、僕はどうしたら

大丈夫にできるだろう

そうやって自問自答して

僕もまた

夜明けを待って眠るのだ

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最近つい夜更かしをしてしまいがちです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

ジャーニー

ジャーニー

あなたと話す未来には

きっとばかりが溢れている

どこにもない絶対を探して

ふたりは旅に出る

ねえジャーニー

笑ってくれよ

この旅路の向こう側でさ

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noteの下書きから上4行を発掘したので、赴くままに下3行も付け足し

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

ライム

ライム

黒のような白が欲しい
赤のような青が欲しい
猫のような犬が欲しい
君のような僕が欲しい
そうやってないものねだり?
甘いのはもう懲り懲り?
血反吐ばっかじゃ味気ないよ
眠る前にはロックビートを
返さない帰さない
奪い取って笑ってやる
終わりたい終われない
こんなバカな無限ループ
夜もすがら殴り合おうぜ
隣には眠ったままの亡霊
さっきまでの甘さはどこ?
夜更けはもうすぐそこ

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韻を踏みたかっ

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RIP

RIP

薄淡色の世界で、君はレクイエムを歌う。
遠くに響くオルガンが、眠りを誘う。
彼はまだ、寝足りないようだ。
静かな鎮魂歌は、頬をつたう雫となる。
白い空が、ぱちりと弾けた。
ボーヌム・ノクテ.
君は今、最後の一小節を終える。

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ラテン語ってなんか好きなんですよね
つい多用しがちです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

cloudy

cloudy

ひんやりとした空気が頬を刺す
カーディガンの袖を指先でひく
カバンを抱えなおしながら
イヤホンが外れないように耳を押さえる
薄暗くて白い世界
だれも喋らない荘厳な朝
私は今日、悪い夢を見た

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最近は曇りや雨ばかりで、すこし憂鬱な気分です

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

Carpe diem

Carpe diem

星がひとつ消えていった
最後の一葉が落ちていった
そんな遠くのことで
ひとはぱっと消えてしまう

今日の花はまだそこで
摘まれるのを待っているのに

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Carpe diem(その日を摘め)
古代ローマの詩人ホラティウスの詩に登場する語句です。
「今この瞬間を楽しめ」「今という時を大切に使え」と言おうとしているらしく…

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです

S_mmer

S_mmer

また
今日も僕は空を見て
遠い君の髪を思う
あの頃は肩までだったけど
今は伸びたのか 切ったのか
ほら
僕はあの頃と同じまま
それでも背丈は少し伸び
足首が見える学ランと
夏服の中の青い花

近く見える花火の下
君の色香が翻る
それでも隣はいないまま
うしろで彼岸の花揺れる

ラムネの中のA玉を
取り出し そこに君を眺む
少し残った泡沫の
思いは遥か 藍のそばへ
無色透明の夏の気が
どこかでそっ

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夢消

夢消

月も眠りにつく時分
あなたは夢をみるのでしょう
朝陽が昇るか迷う頃
あなたは夢をみないでしょう
そして目覚まし時計は鳴るのをやめて
宇宙のどこかで光がこぼれる
その時あなたは消えるでしょう

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太宰の『女生徒』で起きる時の感覚と眠る時の感覚を秀逸に描いていますが、私の感覚はそれとは少し違くて
いつかそれを書きたいと思いながら綴ったものです

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誰かのどこかに刺されば嬉しいです