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ライブレポート『Tuxedo@Billboard Live Osaka』

(ライブレポの過去記事はこちらからお読みいただけます↓)

白昼のサイトダウン、魂のチケット確保。

ここはe+かと。せっかく買ったサンドイッチの味も、正直よく思い出せないくらいにはブラウザ更新の鬼と化しまして。諸々ありまして今回カジュアルシートから参戦、とはいえEmma-Jeanの時みたくビルボードライブがダンスフロアと化すことはもう間違いないだろうと。2019年以来となる待望の公演は、これまた日本初お目見えとなるフルバンド仕様。

遊びで作ってみた楽曲が偶然Stones Throwの目に留まり…Mayerのデビュー話はさながら漫画の世界です。映画が恋した音楽家といえばモリコーネですが、音楽の神様も思わず踊り出すディスコサウンドの代名詞はMayerでありまたJake Oneなのだと思います。もはやサイド・プロジェクトの域を超えている。公演前日には心斎橋のレコード店で目撃情報が出ていた模様。

Gavin Turek、大化け。

MVにちょいちょい出てくる「例の子」、Ginger Rootと希美子ちゃんの関係に似ていますかね。しかし彼女をバック・ヴォーカルとして位置付けておくのは流石にもう限界、Tuxedoの3人目メンバーとして堂々たるステージングでした。蝶のように舞うのがMayerだとしたら、蜂のように刺すのがGavin。主役を圧倒するほどの歌唱力で、オーディエンスからも一際大きな拍手。

ソロデビュー作『Madame Gold』はあのChildish Gambinoがプロデュース。とはいえ2021年といえばSilk Sonicが全部掻っ攫ってしまった印象があまりに強い、是非気になった方はこちらも要チェックな一枚です。何か表層的なディスコ・ブギーブームとは明らかに一線画す音作り、でいて確実にDonna Summerのサウンドが脈打っている。新しいのだけれど、どこか懐かしい。

70分弱のステージ、そのセットリストに驚愕。

Tuxedo at Billboard Live Osaka
2023.02.27

Tuxedo Hoi
This Is 4 You
The Tuxedo Way
Number One
Shy
Doin' My Best
You & Me
2nd Time Around
Vibrations
So Good
Right Time
On a Good One
Good Times
Intrigue
Get The Money
She Can't Love
On My Way
Rotational
Fux With The Tux
We Like To Do It
Do It Roger
Do It

120分間の間違いなのでは、と思うほどの曲数。120分間の間違いなのでは、と思うほどの満腹感。ミラーボールがあんなに光り輝くステージはあんまり経験がないですね、32年間生きてきてようやくルーツ・ミュージックとしてディスコ音楽と鉢合わせた。これほどまでに頭抜けた空間支配力を生み出す要因は一体何なのだろう、主宰なりに思い巡らせてみました。

例えば車のエンジンを長持ちさせる秘訣は「中回転くらいで長く走行する」ことなんだそうです。ディスコ・ブギーがずっと気持ち良く響いてくる理由ってつまりはあのテンポ感、あの温度感にあるのだなと。高速のドライブ中についTuxedoを流したくなるあの感じ。もうサービス席のお客さん、演奏前から酔っ払っちゃって阿波踊りみたいな方沢山いた。でも気持ちはわかる。

小気味良いエアホーンの妙。

遊び心の中にもしっかり音楽を引き立たす演出だなと感じさせたのが、今回ステージに持ち込まれていたエアホーンの存在。すこぶるやかましくてあの音を聞いただけで正直サブイボが…という方も大勢おられるかと思います。ただそこはMayerさすがのフロア感覚、闇雲に押しまくるなどということはせず絶妙な味変調味料として要所で機能させていた印象。

ライブ全体がある種ノンストップMIXになっている、でいて単調に感じたり尻窄んだりすることはない。緊張と弛緩の間を揺蕩う音楽で、本当にあっという間に始まってあっという間に終わってしまった。東京・横浜公演も制覇したぞなんて強者も恐らくいらっしゃったんじゃないか。気持ちはわかる。次は是非MayerのDJセットも見てみたいですね、By The Pool待ったなし。

次回予告。

それまではWine & Vinyl Hourのライブ録画で存分に楽しむこととしまして。次回連載ですが鋭意調整中でございまして、確定しているのは4/23のJazz Concert 2023@芦屋ルナ・ホールと翌週4/27のMen I Trust@梅田クワトロ。ワンチャン3月のWynton Marsalis Septet@大阪フェスティバルホールにも、足を伸ばせないものかと画策中です。続報を待て!

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