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おとこらむ oto-column

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「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏…
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#レコード

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

SP再生用のカートリッジを選ぼう!入門編

78回転モード付きのターンテーブルをお持ちなら、あとはカートリッジだけでとりあえずのSPレコードの再生は可能になります。

オーディオテクニカは、SPレコード用のカートリッジをずっと発売し続けてくれている良心的なメーカーです。手軽な価格ですが、扱いやすく、針交換も安定供給が期待できるので入門編として安心してお勧めできます。付け加えますと、良い音を求めるな

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意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

SPレコードってなんじゃらほい?そもそもSPレコードって何?といいますと、皆さん映画などで観たことがあるラッパ型のホーンスピーカーを持った、あのレトロな蓄音器でかける専用のレコードなんです。これはLPレコード(12インチ ヴァイナル)が一分間に通常33.3回転(33.1/3rpm)するのに対して、SPレコードは78.26回(78rpm)もの高速で回転するのです。

通常のアナログ盤がヴァイナル=V

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ラヴェルと左腕のピアニスト

ラヴェルと左腕のピアニスト

 パウル・ヴィットゲンシュタインは、実業家カール・ヴィットゲンシュタインとレオポルディン・マリア・ジョゼファ・カルムスの四男としてウィーンに1887年に誕生。第一次世界大戦中に負傷から右腕を失い、左手のピアニストとして成功を収めたことで知られています。また、高名な哲学者ルートヴィヒ・ヴィットゲンシュタインの兄にもあたります。

 当時、ウィーンの上流階級であったヴィットゲンシュタイン家には、ブラー

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数多くの大ピアニストを輩出したレシェティツキ派を歴史的なレコードで辿る、音のドキュメンタリー・シリーズ

100年以上前に空気を振動させた音が、21世紀の空気をまた振動させ僕たちの耳に音楽を届けてくれる。レコードというのは非常に不思議なタイムカプセルです。クラシック(古典的)音楽という名称がつけられていますが、作曲された当時では最新の音楽だったわけで、現代とは全く別次元のライフスタイルの人たちによる芸術や娯楽だったのです。実際その当時の演奏家たちはどのように音楽を受け止めて、どのように表現をしたのか、

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ロシアの憂鬱・類を見ないデリケートなピアノタッチによる珠玉の名演奏



ロシアに生まれたニコライ・オルロフ(Nikolai Andreyevich Orloff [26 Feb.1892 - 31 Mar.1964], Pianist) は、モスクワ音楽院でピアノをコンスタンチン・イグムノフに、作曲と対位法をセルゲイ・タネーエフに学んだ。ピアニストとしてデビューを果たした1912年には、作曲者自身の指揮でグラズーノフ「ピアノ協奏曲」の初演も務め成功を収めている。

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新発掘SP音源フリードマンの「告別のワルツ」を世界初復刻

「レシェティツキの弟子たち 第3集」(1880〜1882年生まれのピアニスト)● アルトゥール・シャタック(1881-1951)
バッハ:シチリアーノ(プライヴェート・アセテート録音)

● リヒャルト・ブーリッヒ(1880-1952)w/ウェズリー・キューンル
バッハ:コントラプンクトゥス第6番〜フーガの技法より
(プライヴェートSP録音)

● ミヒャエル・フォン・ツァドラ(1882-1946

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ニコライ・オルロフ ショパン名演集

01. バラード 第1番 ト短調 作品23
02. バラード 第4番 へ短調 作品52
03. 夜想曲 第5番 嬰へ長調 作品15-2
04. 夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27-2
05~08. ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58(全曲)
09. 幻想曲 へ短調 作品49
TOTAL TIME : 69’ 41”

【CD解説】ロシアに生まれたニコライ・オルロフは、モスクワ音楽院でピアノをコ

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